【表題】 瓢覃 【上】 〽おやみなさんまいばんごさかん さます ねへ 〽さア/\みん なそうじ まいだいくたりても 女郎(ちよろう)を連(つれ)て こいそして おれには 一ばんいゝのを だしてくれおれを左官(さくわん) だとおもつてかべの おんなをだしては いかねへぜコウやね吉 そんなにたかくとまるな めかしたつてもはじまらねへ 〽べらぼふめべつにたかく とまるきじやアねへが 家根(やね)やだからあたり    めへた 〽いゝサそんなことはどうでも いゝからはやくけづゝて おかたづけとして はやくさいくばへ いこふしやアねへか 【左下】 〽コウべらぼうをとこ いそぎだなアそんなに せかずといゝしやア ねへか なあ ゑん ま 〽よして くれこの ころしやア おれのことを ゑんまのこ/\と にしきへへまで出(で)る でゝいるからふだんはいゝが こんなみへのばしよ じやアそんな事はいつて くれるなゑんまだの ぢざうだのとこゝは ぢごくじやアねへ かりたくだよ 【右下】 〽あそこにおほぜいいるのはしよくにんしゆうと見へて  ごふぎといせいのいゝ人たちだそれはいゝが  此間の大なまづでうちもくらもいごきたしたか  サテいごかないものはかした金だ   どふか貸(かし)た金のいごく工夫(くふう)が    ありそふなものだて