【巻物題箋】 百人一首絵【繪】抄  廿九 【本文】 此心はしらぎくの花を見てよめるなり をらばやおらんとは一【いち】づに折たき心也 初しもなればいまだうす〳〵として 外の花には見ゆれども白ぎくには 見へず花も霜も白きゆゑふりされ どもまづわがこのむしらぎくには霜 おかしと見てそれを心あてにいざや 折べし〳〵さりながらこれしもの われをまどはするなりといふ心にて かくよみたるなり 【絵札】  凡河内躬恒 心あてに をらはや  お【「を」とあるところ。】らん  初霜の 【字札】 おきまどは     せる  白きくの      花 【画面右下】  国【國】貞改 二代豊国【國】画