唐もの語 下  SMITH-LESOUEF 右丁 SMITH-LESOUEF  JAP  3  3 【右丁  白紙】 【左丁】 【絵の中】 黙伽国 【本文】 此国荒郊にかかれりもと人家なし昔犬食国の浦荏呼と言人妻をめとりて荒郊に住すすてに一男子をうめり其所に水なし母其子を地におきて水をたつぬるに是なし其子あしをもつて地を捺にきよきいつみたちまちにわき出たりつゐに大なる井となるひてりにもかわかす此所の人皆かんし 【右丁】 【図の名】 注輦国 【本文】 て家つくりすとなり  此国西蕃の南にあり則南天竺の内也此国に大象六万ありみな其せなかに家をつくりてのせたり其家の内に武勇の兵をこめていくさのそなへとす金銀を銭としてあきなふ国人の性その心ひとしからす食物およひうつはものみな別々にしてもちゆとなり 【左丁】 【右図】 柔利国 【左図】 波厮国 【本文】 此国一目国の水辺にあり其人ひさうしろへまかりくふしまたうしろにむかひて一手一足なり   此国人身の色くろき事うるしのことし金花をもつて身にまとへり国に城地なし国王はとらの皮 右丁  2vo 図中 南左花羅 本文 をもつてかしらにかつくみちをゆくと義は篭にのりあるひは象にのり肉餅をくらふあやしきたからもろもろのくすりいたしあきなふなり  此国に三重の城あり国人みな牛をたうとみて四方の家壁に牛糞を ぬるを上とす 壇をつきてまつるまた牛ふんをぬり花をたて 左丁 図中 西洋古里 本文 香をもつあき人を門のうちにいれず門外にしてものをおきのるとなり  此国南海の浜にちかし蘇?湖宝石おほし常に木綿ををりいたすその色あさやかに紙のことし其国人しろき布をもつて其かしらを保しみ金を銭としてあきなふとなり 3RO 右丁 図中 一目国 本文 北海の外に人有一目有て其面の中につけり其外はつね人のことし  此国大そう大泰のにし西にあり其親属死する時は柴をあつめて是を 火葬し炊立て 左丁 図中 懸渡国 本文 雲井にのぼるを合炯露と名つくまた此国鳥ほらに山の西にあり谷ふかくひろくして他国より通せす但倦を引てわたるとなり國民皆石のうへに田つくる又石をたたみて家とす手をもつて水をのむにたかひにわひ ひくいはゆる猿引といふものなり 右丁 右図 長脚国 左図 長臂国 本文 此国長臂国と其道近く其国の人常に長ひ国の人をふて海に入て魚を取其足なかさ一丈ありとなり此国大海の東にあり国人手をたるれはなかなかして地にいたる 左丁 図中 羽民国 本文 むかし一人あり海中にしてひとつの布衣をひろふ其たけ一丈にあまる是長臂国人の衣なりといふ海の東南に羽民国有山片?の間に住してまなこあかくかしら白く手足人のことくにして其身に毛あり又ふたつのつはさ有てよく飛に遠き事あたはす子を生するに卵なり 右丁 右図  沙花公 左図  都捿国 本文 此国東南海の中に有其人常に大海に出て関沙国のわき人をおひやかしうはひ取をわさわさとす 此国夢をむすひて度として又かうさくをしらす国のうちに百合夢おほし声にとりて節とす麻皮 左丁 図中  白達国 本文 色の羽を衣とす国に刑の法なしもしぬす人あれはぬすみ物に一倍してあがなふこと也 此国大王は弗心烈勿の子孫なり諸国をうたんとするに更にをかされすこの地もろもろのたからおほし??を食とし少魚をくらふ白きぬのを以て其かしらをまとふ也 右丁 右図巢?果国 左図結寳即国 本文 此国城池人家有てここをうへ良馬を出す応天府より行事一年七ケ月にしていたる  此国城池人家あり田をうへてなりわひとす其国人かしらのかみ萯にして身の色あかく応天府より行事三年にして期たる 左丁 図 眉路骨 本文 此国門に塔有七重なり?光のみをもつて?ことす富人あり塚一百余ケ所有期に是を塔と名つく一所の高さ八十丈なり又三百六十坊あり国人皆毛改を衣とし肉麩を食とす金銀おほし砂摩沙手石をいたしあきなふ也 右丁 右絵 穿胸国 左絵 女人国 本文 此国人皆むねにあな有くら升多りきしは棍をそのむねにとをしいやしきもの是をめきてゆくとなり  此国東北海のすみに有国のうちに男子なし若男子ゆく時はかえさす女みれ井の水 左丁 に影をうつしてすなはちはらむま?女子をうむといふなり 絵 西蓋国 此国一?は武方国と名つく武丁すてに冠国をこつに三年にしてたいらけたりと云国ののちに城池なし山林の内に住すよく人の食をくらふ応 天廚より行事三か月にしていたるなり 右丁 右絵 可只国 左絵 鳥萇国 本文 此国西蓋の内にありも?くのたっからをいたしあきなふ 此国人もし死罪ある時にころす事なしくすりをあたへてのまし無 左丁 累に其とかあきらかにあらわる其ことにしたかひて此人をなかすとなり 絵 揆枚力 本文  此国南海の内にあり国人常に肉をくらふ牛に針をさし其血をとりて?にかきませてこれをのむ其身に衣なし腰よりしたにひつしのかわをもつておほひとせり此国のならひなり 右丁 右絵 鳩左? 左絵 晏絶雲国 本文  此国また西蓋のうちにあり宝石をいたす  此国蓋無?国より細索国にいたる其国さかひに有国人身の色くろく してしかもくろき毛を生す又衣なし白布をもつてくらしにまとふとなり 左丁 右絵 回台国 左絵 河淩国 本文  此国城池人家あり田をうえて食す市ありてあきなふ江准の風俗のことし  真臘国の南に有人家はな?た大也 士湯炉の皮をもつて上をおおふさうけをもつて床とし柳の花をもつてさけにつくる年を 右丁 もつて物を食す国人の身に毒有て他国の人おなしく宿すれは其身にかさを生すもし女人と交合する時はかならす死すと也 絵 不死国 本文 此国?胸国の東にあり其人身くくろくしてうるしのことく命なかくして死することなしつねに丘土に住す梅有不死梅と名つく是を食 左丁  するに命なかし又赤泉あり是をのむに老せす 絵 登流眉 本文  此国春臘国に在よく湏人をえらひて国のあるしとす其人みな帛をもつてもととりをまとふ又其身に衣なしおなしくわたをもつてはたへをかくす国主出て座す登場と云傳者皆礼するに手をましへ両のかたをいたく中国の丹手のことし 右丁 右絵 悄国 左絵 吐蓄国 本文   此国西蓄に有国人常に乳を食とす人をころして又よくよみかつらしむ  吐蓄の名は西蓄をかりて号するところもとは西老属居のもの西蓄より其ほとちかく?? 左丁 をあくれはきこゆるかゆへnきこゆるかゆへにくにの名とす姓のほとやといふ其民は勇をこのみて其中にすくれしものを賛大夫といふ   絵 回骻国 本文  偉元即回魏そのさきはもと匈奴也匈奴なり大?中にみつから回魏子を名付て菩薩突獺と云う唐の法宗の時諸易をたてたり  其本地は哈刺和林ありといふ刻今の和寧魏なり 右丁 右絵 鳥孫国 左絵 吉然厄国 本文  此国人皆三爪に在て鳥のことし身になかき毛あり田をうへて食とす  此国のめくり皆大山なり山によつて城をかまへたり金銀なしき等おほし民みなけたかにして楼閣きれいなりおほく馳馬 左丁 をやしなふ国のうらきわつてさむく春の雪なつにいたりてきへす 絵 大奏国 本文  西方諸国の中に尤すくれたり富国のあき人此国を麻?弗と名つく布吊をもつて金字のにしき?をりいたす地より珊瑚碣のたからを生すなり 右丁 右絵 卯都丹国 左絵 紋身国 此国常に蟄して冬をしらす天に雲なしひ人の身くろし応天府よりぎょう行事一年二か月にいたる  此国人身に文ありて駒のことしとをくゆく時に様をたくはへす居するところ金玉 左丁 をかさる市におる時は球宝をもつてあきなふ 絵 莆家龍 本文    此国東南海のほとりにあり広州より船をいたして行事一月にしていたるへし国の大主ほもととりをとりかみをけつる国民はみなかしらをそりて法師のことし椰子酒其色あかくあちはひきわめて値なし其国より胡椒沉【樰?】丁香向夏鬼を生す 右丁 右絵 氐人国 左絵 東印度 本文  此国県建木国の西にあり其国人おもては人にして手も又人のことし むねより上は人なりといへともそれより下はうおのことし  此国西蓄にちかし国人の性きわめて勇なりいくさにむかひて死するを痢利とすむかし 左丁 世世子この国にいたりてひろく道を於し申となり応天府よりゆく事五か月にしていたると 絵 小人国  此国東方に小人国あり人のたけわつかに九寸海霧常にかけりてややくらふこのゆへに国人ゆくときは大勢むらかりつれてゆくと云うなり 右丁 右絵 擔波国 左絵 西南夷 本文  此国内より人家城池あり田をつくりて食す天気つねに熱して地に草木なし黒獅子をいたす応天府より一年一月にしていたるなり  此国西南の五性重州より其国ささかひにいたる国人か 左丁 みをけつることなく是を跡にしてゆく班花の布を衣としかたなををひて弓をたいしてゆく 絵 蘇都勿?  此国みな穴にすむあなの口に家作して戸をかたくとちたり他国の人其穴の口にいたるあなよりけふりいつるこれにふるれはかならす死す其あなの源浅をしらすといふなり 右丁 絵 鳥複部国  此国昔大に疫す山神これをあはれみて孔雀を化してみたひ其地をついはむに泉わかいてたり人これをのみてそのやまひみないえたりとなり 左丁 絵 三伏鈦 本文  此国交趾の南にあり山有?流と名付くめくり数百里なり其山はなはたかたくしてくろかねのことしさらにやふるへからす一方にひとつの穴ありこれよりで出入してかう趾に通す山のうちみな良田なりかうちより此国をとらんとせし事たびたびなれとも其国人つよよくしてとる事あたはす 右丁 絵 歇乗国  本文  此国皆平地にして山なし林木おほし又田をうへてなりhなりはひとす家おほし国のうちに良馬をいたすかしらにつねに衣をかう応天府三里行事一年にしていたるなり 左丁 絵 浮?国 本文  此国板をもつて城とする也王の居所の屋ねをたら葉をもつてふき民の家は草をもつてふくなり此国に菜樹有其根を取てせんして膏とし服す又身にもぬるしかる時はたとひ?にやふられても死なさるなり死たる時は棺にいれて山中にこつ?おさむるなり二月にそのまつりをするなり七年こえて後はまつらすそくともおこ?くてかみに五色にいろとりたるわさ 右丁 をもつてかさり腰に花にしきにてかさるなりさて海を?て塩としもみ かもして酒とす十二月七日を正天とすかよそしゆえんの芸つつみをならしふえを吹鈴をかけて舞也是をたのしみとす食物をもる器もなきに より竹にてたらようをあみ食をもり中国のひとをあひけいする酒にゑひたるものを見るたひにすなはち?すけてかへるなり 赤印 NATIONALE 右丁 左丁 文なし 裏表紙