【右丁】   大納言(だいなごん)経信(つねのぶ) 夕(ゆふ)されば   門田(かどた)の 稲葉(いなば)  おとつれて 芦(あし)のまろ     やに 秋(あき)【穐】風そふく 【左丁】   七十壱番 此心は田家の秋風と云事をよめり夕 ざればのもじはをはりの七もじまで句ごとに わたる所也その心まことにしゆせう也あしの丸 やとはあしはかりにてふきたるしづ【賤】 がいほり【身分の低い者の粗末な庵】を云其いほりのまへの門田の いなばに夕くれのあきかぜそよ〳〵 とふくとみれば聞もあへずやがて あしのまろやにおとづるゝふぜい を持こころなり 【画面左側】 一陽斎  豊国【國】画