【表題】 《割書:上 野 国(かうつけのくに)|伊香保(いかほ)鉱泉(をんせん)》浴客(よくかく)病痾(やまひ)全快(ぜんくわひの)祝宴(いはひ) 【表題下】 明治十四年五月 御届        浅草芳野□□十五番地        出板人  山村金三郎        湯島□神田三丁目十一番地        画工   橋本直義    楊洲周延筆 【本文】 東京大|学(がく)|医学部(ゐがくぶ)の教受(けうじゆ) 獨逸(ドイツ)国(コク)のドクトル別爾(ベル) 列(ツ)|先生(せんせい)の著(あらは)されし日本 鉱泉(くわうせん)|論(ろん)にも日本|全国中(せんこくちう) 恐(をそ)らくハ此地と気候(きかう)清勝(せいしよう) を競(きそ)ふの地なかるべきを信(しん) ずト記(しる)され温泉(をんせん)の質(しつ)に 硫黄(いわう)の気(き)更(さら)に無(な)く最良(さいれう) の鉱気(てつき)を十分にふくみた れバ左(さ)の病(やま)ひにハ殊(こと)に功験(しるし) 神速(すみやか)なり ◯|胃(い)の弱(よは)き◯|白帯(しろこし)下(け) ◯|脚気(かつけ)◯|血(ち)の貧(すくな)き人 ◯うち身(ミ)|打傷(うちきず)◯|冷症(ひへしよう) ◯|年(とし)久(ひさ)しき関節(ふし〴〵)の痛(いたミ) ◯|神経(しんけい)病◯|子宮(しきう)病 ◯|疝気(せんき)◯|癪(しやく)◯|溜飲(りういん) ◯|喉(のど)のはれ痛(いた)み  伊香保名所図会記者     篠田仙果誌   伊香保湯元      木暮武太夫