【巻物題箋】 百人一首  廿五 【本文】 此心はあふさか山は名だかきやま なるゆゑになにしおはゞあふさか山 といへる也此五もじはあふさか山さね かづらよりくるといふえんをばとり たる也此かつらはしけきところに はゆるものにて其つるをとりて引 とるにいづくよりくるものとも見 えずわが思ふ人もそのごとく世の 人にしられずして来れかし といふこゝろなり 【絵札】   三條右大臣(さんじやうのうだいじん) 名(な)にし  おはゞ 逢坂山(あふさかやま)の さねかつら 【字札】 人(ひと)に   しられで 来(く)るよしも      がな 【画面左下】 国【國】貞改二代   豊国【國】画