【撮影ターゲット】 【表紙 題箋】 《題:《割書:絵|本》太平末広扇(たいへいすへひろあふぎ)》 【資料整理ラベル 上】 号 番 類 門 物 部 来 往 【同 下 横書き上段から】 第4函のA 番号 14 冊数 1 寄贈 記念購入 購入 913.57 E35 青山 【右丁】 工藤すけつね おぢかわつの 三郎を うら むる こと ありて 赤沢(あかさわ)山の かりばにて おふみ やわたに 申付かわづを 遠矢(とうや)に射(ゐ) させしむ其とき かわづか子 【左丁】 一まんはこ王(わう)とて二人 有けるをいとけ なきゆへ 其はゝ子 ともをつれて そがのすけのふへ 再嫁(さいか)しけるよつて 兄弟はそかを なのり兄(あに)を十郎 弟(おとゝ)を五郎とて父(ちゝ)の かたきをうたんと いとけなきころ より日夜(にちや)心を くだきける 【右丁】 五郎は工藤を ねらふよしてきの きこへをはゞかり 箱根(はこね)に のぼし出家(しゆけ) すべきようはゝの おゝせそむきかたく 別(へつ)たうの もとに月日を おくりけるある時 工藤 登山(とうさん) しけるを五郎 見るよりすでに 飛びかゝらん 【左丁】 けしきに 見へければ べつとうおとろき さま〴〵と せいして のちすけつね 下山(げさん)をまちて 五郎か心(こゝろ)ねを ふびんにおもひ あまたの僧(そう)を あつめ 工藤を調伏(てうぶく)の いのりをなし給へは 其きとくありける也 【右丁】 兄十郎は 五郎をはこねの へつとうに□うけ 下山(げさんヵ)しけんぶく させける時べつとう 伊豆(いづ)ごんげんの 太刀(たち)を五郎に □へていとまを 給はりける それよりはゝの もとに□れて かんどうの わびを なしける 【左丁】 はゝも こゝろざしを かんし 五郎が かんとうを ゆるし兄弟 に 小(こ)そでを給はり かたき打(うち)の門出(かとで)を いわゐ給ひける 【右丁】 其ころ和田(わだ)の よしもり一もん とざまの 人々を あつめ 大いその しゆくにて 酒(しゆ)ゑんをはしめ ける 是(これ)をわだ酒(さか)もりと いゝつたへたり此時 十郎は盃(さかつき)ろんにて 事におよぶよし 五郎はやどにありて これをきゝはだせ馬に 【左丁】 むち うちて はせ行 けるあさ ひな 三郎 五郎か くさずりに とり つき ついに 引 きり けると かや 【右丁】 そかの兄弟は ふじのかりばに しのび入 おやのかたき 工藤をうち とりけるに 兄十郎は 新田(につた)に 出合(てあい) うち死(しに)す 五郎は大に はたらき よりともはぢい 伊藤(いとう)入道の 【左丁】 かたきなれば 一たち うらみんと よりともの ごしよに きり入けるこゝに ごしよのわらは 五郎丸 女(おんな)のすがた に やつし五郎を くみとめ けるを大ぜい おりあいついに よりともの ごぜんにひきける也 【右丁】 そか兄弟 うち死(し)の のち神(かみ)に いわゐて 兄弟の宮(みや) とてふし の すそのに やしろをたて 四季(しき)おり〳〵の まつり たへず ねがひある人々(ひと〳〵) 此やしろに まふて 【左丁】 其ことをいのるに れいげん あらたなること あけてかぞへ がたしそれ 人間(にんけん) しばらく も わすれ ましき 孝行(かう〳〵)の 道(みち)□ 【右丁:前コマ左丁裏側】 【左丁:裏表紙】 【裏表紙】