【表紙】 聚珍畫帖 上 【印】 【見返し】 【見返し】 薰松軒摹寫 【印】 聚珎畫帖 芝山館藏刻 吾友芝山館のあるし皇の 御国のあかれる世の器あるは異るくにの玉に いしにあまたつとへてふつくゑのうへの 翫となせりそか中に探幽法印の てつからからのやまとの上手の ゑを縮め写して五巻として 其図は五百にあまれるをなんもたり ける其筆の勢ひのあやしき のとやかに書るは春の山に霞の たな引るかこと走りかきに せるは秋の野分に花すゝきの みたれたるになん似たりける是を もとつ図にくらへなはあゐより 青きもすくなからしかし うつせる月日をさへにかたはらに しるせるは絵日記なともいふへき ものにこそあなれあるし いへらくかゝるものを書とりのみ 見てやみなんもあたらしけれは 木にえりておなしこゝろの 書とくにもみせまくおもひて なかにもおもしろきをえらひてそれに しるしをなんつけおきぬさは いへ写すへき人を得さりしに おのれかゝる事このめるくせ有を 知れはうつしてよとこはる つたなき筆にうつし得んは いとおふけなきものからそのゑのいと たへなるに心さへ酔るかことく成 ぬれはなにはの申もわいためす【区別せず】 してかく有ものしつる也   薫梥軒主人大浪しるす■          平勝【?】