【タイトル・本文・画像いずれもなし】 【タイトル】 駿河国冨士山表口全図直立一千四百十七丈 【俯瞰図左上】 【本文】 冨士山(ふじのやま)は千早振(ちはやふる)神(かみ)の御代(みよ)より出立(いてたつ)る 山(やま)にて其状(そのさま)は四面(よも)共(みな)同(おな)しく白扇(あふぎ) を倒(さかしま)に懸(かけ)たるがごとく甚(□□)もくすしく 妙(たえ)なる山(やま)に□□ける加之(しかの)山巓(やまいたゞき)に鎮座(しつまりま) す大神(おほかみ)は天津(あまつ)日高日子(ひたかひこ)番能(ほの)迩々芸(にゝぎ) 能(の) 命(みこと)の大后(おほきさき)に坐(ま)す木花之(このはなの)佐久夜(さくや)毘(び) 売(め)命(みこと)に坐(ま)す也(なり)斯(かく)て□(この)大神(おほかみ)の 事跡(ことのあと)を 尋(たつ)ぬるに天神(ひこぢ)に仕(みつか)へたまふ事(こと)どもを 始(ハじめ)奉(まつ)る万(よろづ)の事(こと)皆(みな)婦人(をみな)の鏡(かゞみ)となる へき事(こと)どもにて其(その)御伊豆(みいづ)も古(いにし)へより いと□然(□□□□)かるれバ上宮大子(うへのみやのみこ)を始(はしめ)奉(まつ) り代々(よゝ)に参来(まひくる)人々(ひと〳〵)のいや益(ま)し□ま して今(いま)の世(よ)と成(なり)□てハ一年(ひとゝせ)に幾千万(いくちよろづ) の多(おほき)に昇(のぼ)り神(かみ)御稜威(みいづ)もいや栄(さかえ)に さかえいや広(ひろ)□ひけ□□□□ゆかむこれ の大御世(おほみよ)にそのみかげかゞふる蒼生(あをひと)の誰(たれ)かハ 畏(かしこ)く□む□く仰(あふ)がざらめや己(おの)れ□に (ところ)るきあと)の 名称(な)などに明(あきら)かなるを□□天放遠(あまぞらとほ)き旅(たび) 路(ぢ)をいとひもやらで来(まひ)くるを可惜(あたら) 厳重(□□□□)なる処(ところ)をだに空(むな)しく□□(てすぐ)しゆの る人(ひと)の□(にく)からねバいと〳〵憂(うれ)たく哀(かな)し くてかゝる人々(ひと〳〵)の□便(たより)にもとなれの壱(ひと) 葉(ひら)の手引(てびき)をバものしたるになん