【巻物題箋】 百人一首絵【繪】抄  七 【本文】 此心は仲まろもろこしへつかひにまかりて わがくにをおもひやりすみなれたるたび ゐ【旅居=旅のすまい。】のなごり思ひつゞけはれわたりたる 月を見てわが国のならの京なる三笠 の山に出し月とおなじこゝろにうらみ かのくにこの国のへだてなくたんてき【端的】 のおもひをなしあはれもふかくよせい【「よじょう(余情)」に同じ。「せい」は「情」の漢音】 かぎりなきてい(体)なり 【絵札】  阿陪【「倍」か】仲麿 あまの   はら ふりさけ 見れば  春日なる 【字札】 三笠の  山にいてし   月かも 【画面左側】  国【國】貞改 二代目豊国【國】画