【右丁】    源重之(みなもとのしげゆき) かぜを  いたみ 岩(いは)うつ   なみの おのれのみ  くだけて ものを   おもふころ哉 【左丁】    四十九番 右の心は万葉集の哥に山伏のこしにつけ たるほらのかひを岩にあてゝくだけてものを 思ふころかなといふを本哥にとりて よめり我恋は風のいたくふきて 岩をうつ波のごとく いひよれども君は 岩ほ【高く大きな岩】のごとくつれ なくて只我のみひ とり波のごとく心を くだきかやうにもの 思ひのせらるゝこと よとわびたる哥也 【画面右側】 香蝶棲  豊国【國】画