【短冊上】奉納御開帳 【短冊下】女好樓画         茶良麿 /妙法(みょうほう)も  /弥陀佛(みだぶつ)も    みな   一やうに /穴(あな)たうとしと おがむ   なり     けり 序 /䟽食(そしひ)を/飯(くら)ひ水を飲、肱を曲て之を枕とす。/楽亦(たのしみまた)其中に在と /顏回(がんかい)もどきで厄介棒を捻りながらうと/\と机によりて/睡(ねふ)り付 昼寝の夢の浮橋を開帳佛がお通りと聞て/例(いつも)の早 速に半縮半起のまつだけを帯へも挟まず突ぱらせ、いぢ うり股して駈付るに、早尊像はお小屋入りにて夫なり直の開帳を 迚ものついでに/拝(おがま)んと、先幣殿へ押いりて仰向そほに何く /涎(よだれ)をすゝり、/看上(みあぐ)れば何佛なるにや異形の尊躰 前に立たるニ童子さへ穴たうとやと合掌するうち、群集残 人に揉たてられ我にもあらで、うら/\と霊寳場へ往たる に見るもの聞もの珍らしく、その数さへも洗湯の柘榴 口なる木の子の事く、妙亀々々として多きに驚き思はず 後へしさるとき、後方の/花瓶(はながめ)踏かへしはつとんばか りに仰天なし、かなつぼ/眼(まなこ)をひらき見れば、是なん /楠柯(なんか)の古くさき/一忘想(いちまうざう)にありけれど、餘りに不思 議の/開夢(かいむ)なれば、好色仲間にものがたらんと 忘れぬうちに筆をとり見たるがまゝをちよこ/\と すてつへんから書の如し           ホウ/\/\と            鼻息に似た声をいだりて                鴬谷の                 /乱婬書屋(らんいんしょおく)に                  吾妻雄児子述 /御開帳(ごかいちやう) 【拝む群集】「なむめうぼゞれんげきやう          なむめうぼうれんげけやう /開帳(かいてう) /大繁(おほはん) /栄往(ゑいあう) /来写(らいちう) /真図(うつしつづ) 【左図扇文字】/厥貳開帳帰夕月遠景(そのにかいてうかへりゆうつきえんけい) 【右図歌】 青〳〵と        風の柳の           姿かな              ニ句 女好樓 【左図歌】 夕月に        色増せりけり              八重桜 【上之絵】 奉納      和歌失奈義画印  一切衆生 迷途 処 十方 諸 佛 出身 門         吾妻雄児子印 【下之絵】【右】/曲(きょく)わりや/新(あら)ばち          ならばこりもせめ          /茶臼(ちやうす)とてはまた          たちでやる■■              穴那小町 【下之絵】【左】  古開や毛をひねくりの         /紅舌(さね)ならば                   其角   【右】「おいらのはきものはこひ  ぢでかた  めたのだよ  うそだとおもふならよくごらん  はにへつたりとついてゐるからサ 【下】  「さうざうしいめらうどもだ   そのあんばいぢやアさだめし   したの口もたやし■だらうが   おいらのを一ぽんくって見ねへか   どうてごぜへす 【左上】「おいらのげたは  きゃらせこしらへ  このまゝはくとΔ▲  きゃら/\と  おとがするヨ  うりだか  ヲヤまちがった  かりだか①  ぢやアない大たかのはなをなんぞとは  ちがふからまちかへておくれでないよ 【標題】/房然上人御作(ぼうねんしやうねんおんさく)        /三寸無多素慕氣(さんずんむだすぼけ)の/尊像(そんざう) 【細字】おいらのへのこはむかふ このさといも どうぜんだからかはをかぶつて ゐるのをむいてくはせる のだがらじまんじやア ねへがほかのちんぽこ たアあぢがちがふ● つもりだまづともかくも たべてごらんなせへ こてへられやアしねへ 【本文】/抑(そもそも)これに安置したてまつる三寸の 無多すぼけの尊像は半むく伝来 百体の得手佛うちゆう/天竺陰門羅(てんじくつびら) 国の御ほとけ十六/男根漢(まらかん)のうち むくれん尊者御手づから皮かぶりたる ちん/木(ぼく)をとり未ちいさきへのこ きんのぼて切きざみたまひたる おん/作像(さくぞう)と同躰にして お筋お身にまとひお/上(うは) ぞりなるは房然上人 十六歳の時のおん/作物(さくぶつ)に してむけんの大夫にたまはる /霊体(れいたい)なればなりお頭/(かしら)の 左りにまがり給ふは/後来(こうらい) きやんだ/開妙腎(かいめうじん)の/寳(ほう)もつと なる/淫(いん)ねんを現じ給ふと いへり/御深腎(ごしんじん)の御婦人 がたはいかう入れて /御本望(ごほんもう)をとげられませう 【細字】ひとめをしのぶかはかぶりというから ないしよでいろをするにはおまへの ようなおちんこにかぎるよどうぞ おもいれつきまはしておくれよ そふするとわたしやァ おもいれきをやるからよ はやくおしよハア/\/\ /大初會生多恋公(たいしよくわいなまたれこう)の/寳物(はうもの)    /枇杷(びわ)の/木刀(ぼくとう) 【本文】 /抑(そも〳〵)これなる/枇杷(びわ)の/木(き)の おん/太刀(たち)は/藤原氏(ふじわらうじ)の し/祖(そ)コヲツとまちがつた /藤(ふじ)はらぢやアねへ/金小男根(ふりまら) うぢの/大祖大初(たいそたいしよ)くわいなま たれ/公北国開(こうほくこくかい)ばつの おん時/三(み)ツこ/蒲(ぶ)とんしき/嶋(しま)の /屏風(びょうぶ)か/浦(うら)に/枕(まくら)の/舩(ふね)そこより /取出(とりいた)し給ひたる/霊寳(れいはう)にして おやかしの/木(き)を/以(もつ)て/三所(みところ)こ /椿(つばき)を/頭(かしら)へすり/付(つけ)たれば /昼三(ちうさん)おいらんの/乱(らん)をしつめ /新造(しんざう)まがきの/鬼(き)をはらひ もんぴもの/日(ひ)を/切(きり)ぬけて /苦界一(くがいいつ)とうを/平治(へいぢ)するの /霊剣(れいけん)なりおん /蝋燭(ろうそく)らせんは/昼夜三百疋(ちうやさんひやくびき)より/一(ひと)とぼし/青銅(せいどう) /拾疋(じつぴき)まで/是有(これあ)ればちそう/撰(えり)て/素見(すけん)を/禁(きん)じられませう 【左丁下】 「さんは さうの いひくさ ちやア ありん せんかしよ くわいは やらしと がまんをして ゐるんさい ますかぬし にこすられ ちやアとろ くたらり とたし たヨ /佐和木四郎人(さわきしろうと)がいけ/好(すき)の/駒(こま) 【本文】 /佐和木素人茶良瑞(さわきのしろとちやらいろ)は/唄天皇(うたてんわう) /無(む)たいの/強婬佐和木(がういんさわき) /拳酒押盛(けんさけおしもり)か/四男根(よなん) にして/代々酔身(だい〳〵よふみ)に住(ちう)し /無多(むた)けん/気(き)の しやま〳〵なり /玉門川合(つびかはかつ)せんのとき /酔朝公(よいともこう)よりこのいけすきの 駒を開りやうして/筋男根(すぢまら) /跂季(はねすへ)がいろをするすみの/一物(いちもつ)をおひぬき /第一(だいいち)ばんに/乗渡(のりわた) して大交(たいこう) 合(がふ)をあらい せしといふ /淫水(いんすい)のぬら /鞍(くら)うしろ とりの尻がいに/角木衆七(かくもくしゆうしち)ほん ざらと/三(み)う/杵等(きねとう)のぞうがんあり/歌添(うたそふ) のさはらぬやう/都々逸(どゝいつ)の/尻(しり)とりにいかう/酔(よつ)て 五たいあかられませう 【右丁吹出し】 「はいとう〳〵おうまた〳〵たれかこの   おうまにまめをくはせて    くれゝはいゝ■ そう すると ひとの しねへ きよく のりをして みせるけれど 【左丁吹出し】 「アレもう すかねへ大まら たヨあんな のてされてたまる ものかかりたかの すちふしの うはそりのくろものゝ 大へうはんの はかやらう  ヤァイ引 /安直堪能(あんちよくたんのう)の/御腎筆夜鷹(ごじんぴつよたか)の/一軸(いちぢく)   「さつさときをやらねへと    すくにおなほしてヨこんな     上かいを二十四もん     にうるのだ     ものを /是(これ)なる/一軸(いちゞく)はあんぢよく /堪能御腎(たんのうごしん)ひつの夜の鷹にして/天窓(あたま)に しらふの/手(て)ぬくひをかぶり/羽(は)がいに/蓙(ござ)の/紋(もん)を いだく/此夜鷹夜(このたかよ)な〳〵/小(を)のゝ/莖風(きやうふう)が/見(み)とれて かきたる/蛙(かえる)のきうと/共(とも)にぬけらでむさしの /国(くに)と/下総(しもふさ)の/国(くに)さかいに/飛行(ひきやう)くらき/處(ところ)に /羽(は)をやすめてサアおいでなおいでとなく/婬声(いんせい) ■然として陰(てれ) 茎(つく)のあたまに ひゞけば聞(きく)もの /是(これ)をとらんとす その/時此鷹大口(ときこのたかおほぐち) をあきて/淫水(いんすい)を すひとり/草鞋(わらじ)を/作(つく)つて /財宝(ざいほう)二十四文をむしる /甚(はなはだ)しきは/鼻(はな)をもぎ られ/男根(なんこん)をとらるゝに/至(いた)る「ウ〳〵さう/押(をし)ちやァ いかねへ/女(おんな)のうしろへひつついて/当(あて)かきはなりません ヤレ〳〵口がすつぱくなつたぞ霊宝よりはこつちの/腹(はら)がひだるい〳〵 【左丁下】「まアそんなことをいはずにゆつくりとたつぷりやらしてくんねへそれでなくつちやアあとがきかねへ 【標題】/酒玉茎如来八寸胴返し(さけまらにょらいはっすんどうがへシ)の/尊像(そんぞう) 【下段細字】「ちょっと一はんしんかはしんぼりで あらばちならはいたみ いりだといふところだが をうどしまのΔ▲ ぢさけときてゐるから ぷんとはなへもつているけれど おいらのへのこいつほんぎて ほかのこのどのならしらねといふところが 【一行不読】 【本文】/勿開(もつかい)なくも是に おやかし/奉(たてまつ)る酒まら /如来八寸胴返(によらいはつすんとうがへ)シの尊像は /章魚(たこ)やくし/如来湯玉門薩(にょらいゆぼゝさつ) と對ぶつにして開ない出 生の霊体なり/御(み)すぼけ/春三度六(しゅんさんとろく)のおん とき/宇頂(うてう)てん 竺/(じく)こく/冷酒(れいしゅ)せん において/玉門宴(つびえん)を ひらき/三千世(さんぜんせ) /開(かい)の情すほけたちを 集め/交合(かうがう)してまうさく /我々(わが)の無量の棒味は早 二年むけん真実の後に ありと さすれば此酒まら如来は 四十二歳のおん時までは/皮(かは)か ふりにましますものなり/御淫(ごいん) /腎(じん)の/輩(ともがら)は深う入て/美快(びくわい)をとげ尊体の お/垢(あか)ふきます/紙料(かみれう)をぬら/\とき/\と/上(あげ)られませう 【下段細字】「おしやるさまのいひぐさぢやア ないがてんにもちにもたつたいつぽんの おちんこだとおもつているのだけれど おまへはほんのあまちやだから きがもめるでありますヨ 大日本遊国遊里細見全図 【右丁上より「短冊」ごと・・は不読】 「まつしま」恋しき       人を       まつ       ゆへ        寄開       が       しま ○+「東」いろなきと      いふ国もたに      なかりせかば 「武さし」 「しん宿」十三匁四百文 「こつ」ひる弐百文 一ト夜四百文 「江戸」吉原大夫九十匁 かうし六十匁 「・・・」「・・・」ひる六百文よる八百文 「品川」ちうや一〆二百文 花六百文 「えちぜん」「三国」金一分   「金ツ」十二匁五分一切五匁 「さがみ」手越 ちうや 金一ぶ 「山しろ」「京」しまばら大夫七十匁          天じん五十匁         かこい十八匁 「ふしみ」すみそめ 一匁五分 「いせ」「古市」留ふろ 金二ぶ 夜同一ぶ 「おふみ」「大つ」弐朱也 一夜一分 「大和」きつじ 一夜十二匁 「きい」「うだ」一切百文 夜になれば         かと口にかいを         立る  ○+南 「女ごしま」しまへ男ゆけばじんきよする 【左丁右上より】 ○+北 あだに思はん人ぞおかしき 「丹後」みやつ 三匁五分 入用とも 「大さか」しん丁      大夫六十九匁      天しん三十三匁      かこい廿十四匁  「兵こ」「ひら方」いもの丁 花四匁 「せつつ」一切一匁 泊り二匁 「下ノせき」いなり丁       大夫三十匁       天じん二十匁 「あき」「広しま」下ノせきトおなじ 「かはち」「石川」五間や          一切二匁 「いづみ」ちもり二十三匁 一切二匁五分 「さかい」ゑびすじま 一切三匁 「はりま」「むろ」      天じん二十八匁      はし十匁 「うつらめ」うこい十七匁 「びんご」本り七丁      大夫三十匁      てんじん廿匁 「ちくせん」「はかた」たいこもち 十匁 「長さき」丸山      大夫廿五匁     てんじん 十五匁      馬丁 一切百文  ○+西 きのいき 【下段】 /大日本遊国遊里(だいにつほんいうこくいうり) /細見全図(さいけんぜんづ)の/絵(ゑ)まき ものは/針まらの/厂平(かりひら) /朝臣(あそん)あづま/下(くだ)りのついで /諸国(しょこく)いろしゆぎやうして あまねく上開下開(じやうかいげかい)をこころみ /且遊女(かつゆうぢよ)の/直段(ねだん)づけとうを して/色者(しきしや)のたすけとなし給ふ /画(ゑ)は/土佐(とさ)の/陰茎平(まらへい)の /筆(ふで)也  /日本諸国開(につほんしよくこくかい)の/好悪(よしあし) /東海道(とうかいだう)は/上開道(じやうかいだう)にしてその/味(あぢ)    きはめてよし /西海道(さいかいだう)は/妻開道(さいかいだう)にてその/味(あぢ)    /平安(へいあん)なり/妻(つま)とするよし /南海道(なんかいだう)は/難開道(なんかいだう)なれば/開は    なんあって/味(あぢ)わるし /北陸道(ほくりくだう)は/袋口道(ふくろくちだう)にてふくろの/口(くち)を    しめるがごとき味なり    そくに巾着(きんちやく)といふは/是(これ)也 /中山道(なかせんだう)は/中(なへ)ひへん/道(だう)なれば/開中(かいちう)    あたゝかにして/味(あぢ)よし /山陽道(さんやうだう)は/三用道(さんようだう)にて三ぼんの    /指(ゆび)を/用(もち)ふるなれば開    ひろくして味わるし /山陰道(さんいんだう)は/産(さん)いへん/道(だう)にて/産(さん)    /後(ご)の開(かい)さうもつ/多(おほ)く    してその味のたんはく也   /遊女梅ケ枝(いうぢようめがえ)が   /無毛(むけ)んの/摺鉢(すりばち) 【本文】 /遊女梅ケ枝(いうぢようめがえ)は /坂(はん)とう/一(いち)の/腎(じん)はり /筋男根莖太(すぢまらけいだ) /跂季(はねすへ)かまかり いでたるのら ものにて/是(これ) なる/處(ところ)の すり/鉢(はち)は 味/噌(そ)を /揚屋(あげや)の縁(えん)さきにかつて/兜(かぶと)がたの /緒(を)をしめて/茎節(かり)のくびれへ/結(ゆひ)つけて /下(した)から/腰(こし)をしよい〳〵と/振(ふり)かたげ たる/梅が枝(うめがえ)が/苦(く)もなく/割(わら)れし /宝物(はうもつ)なり/折(をり)をえびらのおん/方(かた)は /蓼(たで)くふ/虫のすき/嫌(きら)ひなく/今年(こと)しや /東捕(かぼちや)の/手(て)あたり/次第(しだい)さいふの/底(そこ)から つまみ/出(だ)し/御(お)さんもつ/御奉納(ごほうのう)あれば/勤(つとめ)に はなれ/馬鹿(ばか)らしいほど/水(みづ)を/出(だ)し思くひく/田(た)の /森(もり)の/二度(にど)の/蒐(かり)に/功名(こうみょう)きせんとの/御誓願(せいぐわん)なり 【右丁下】 「いろをしてゐると うへからかねか ふるといふのた から こんな うめへ こたァねへ これがほんの かねのふる よは■と しほ とぼ しと いふのだ ところで こつちもうし ろとりとは なんとめうた らうが 【左丁下】 「むけんのかねを ついたのだから かはのかぶ つたこばん でもふる かと おもつ たら ● やつぱり あたり まへのおかねだよ こんやは三百両 だけきをやる からそのつもり でおしよ /於多毛大屄如来(おたけだゐべちよにょらい)の/持(もち)し   /山椒(さんしよ)の/擂子木(すりこき) 【本文】 /是(これ)はこれお/多毛(おたけ) /大(だい)べちよ/如来(にょらい)おん/手(て) なれの/擂子木(すりこき)にて /南房(なんぼう)の/開中(かいちう)じだるく せんの/山椒(さんしよ)なりあたま /大(おほ)きく/本(もと)ほそく/皮(かは)のうちのふし くれば/如来(によらい)のおん/頭(かしら)のいぼのごとく また/本(もと)より/先(さき)までまとひたる じゆんさいの/筋(すじ)のごときは /蔦(つた)かつらのからみたるあと なりこの/如来無量(によらいむりやう)のおんじひ ましますゆゑ/何(なに)ほど/婬業(いんらく) ふうきすぼけのものと いへどもおん/袖(そで)にすがつて /曲楽往生(きょくらくおうじやう)ずくめを/願ふ ときはおんかぶりをたてに/振(ふり)給はんとの /御誓願(ごせいぐわん)なり/御婬心(ごいんしん)のとも がらはおん/穴(けつ)えんのためどえらく /勃起(おやし)て/夜這(よばひ)あられませう 【右丁下】 「こいつアめう〳〵めうに いゝぼゞだといふげん くわんをかけて おいてめうぼゝよろ こべせかれはおやけて たつたぞやいとは なんとうまい しやれ だろう 【左丁下】 「ムニヤ〳〵 クチヤ〳〵 フニヤ〳〵〳〵 アゝア そんな におまへ このふち をつめツ いたいよう といふは さねの あたりを のみでも くうと おもはれ たり /陰門大尽(つびだいじん)   /入唐舩(につたうせん)の/帆柱(ほばしら) 【本文】 /抑(そも〳〵)これなる/得(え) /手(て)ものは/陰門大尽(つびだいじん) /朱(あけ)の/長玉茎(ながまら)と/男根(へのこ) しへ/渡(わた)り給ふときなにはの /浦(うら)より/舩出(ふなで)し給ひはるかに /蜑(あま)の/開(かい)しやうを/見(み)ておしたて給ふとこ ろの/帆(ほ)はしらなり/朱(あけ)の/長(なが)まらはへのこし にて/陰門長茎(へちよちやうけい)と/開名(かいめい)しにつほんへ/帰(かへ)らん とするをりから/大年増(あほどしま)の/陰門(かくしど)を見給ひ 「/彼女(ばゞ)このはら/陰門(つび)さき/見(み)ればうづくなる おねばのやうに/出(だ)せしすきかも」と/三十一(みとひと) もじの/馬鹿(ばか)をよみてへのこし/人(びと)に/見(み)せ ければかの/国(くに)のものどもこと〴〵く/気(き)を わるくせしと也/陰門大尽(つびだいじん)は /本ちやう/諸(しよ)しきの/開祖(かいそ) にして/色学(しきがく)くわう/開(かい) なることはあまねく/諸甚(しょじん) の/知(し)るところなり 【吹出し右丁より】 「ぼゞを見て ゐるとへのこが おやけてやく かいにΔΔ なつていけ ねへから そこでほゞ見 やつかいと いふのだ らうても なくあなが ひわのうみ【琵琶湖】 ならさね がちく ぶしまと【竹生島】 いふものだ 【吹出し左下】 「サア ごらんたんと こらんしかし 見たばかり しあァいや だヨよいかへ あとでおも いれして おくれ● こしの ぬけるほど きをやつて たおしむつもりだヨ /生得大酒(しやうとくたいしゆ)の/鎧形(よろいがた)   并に/甲形(かぶとがた) 【本文】 /是(これ)なる/水牛(すいぎう)ふいりのよろい かぶと/形(がた)は/生得大酒(しやうとくたいしゆ) ぐづ/法(ほう)の/陰敵若(いんてきもし)やの/開甚大穴(かいじんおほあな)子を /開伐(かいはつ)し給ふとき/召(め)させ 給ひし/房器(ばうき)にて /交合(し)とめたる/白(しら) /血(ち)なほしみつき たる/大酒傍明(たいしゆほうめい) /開知(かいち)にして八人の /女(おんな)の/陰門(いんもん)を一どにくぢり給ふ/故(ゆへ)に/八(や)つ /指(ゆび)の/交子(かうし)ともまうしたてまつる/大酒色(たいしゆいろ)を こしひくる/開法十(かいほうじう)ケでうをしめし給ふ一おし 二かね三びなん四ほゝと五てかき六さみせん /七(しち)しま/八(はち)ひき/九(く)どく/十力(じふりき)トまた四ケ条の/茎(けひ) /味(み)をさだめ給ふ一忘想二(いちまうざうに)せんすり/三(さん)げつ 四ぼゝとなり/御婬腎(ごいんじん)のともがらは /百目(ひやくめ)がけのお/蝋(らう)をおつたて ぬるり〳〵ずるり〳〵と/交合(とぼ)されませう 【右丁吹出し】 「まん じの ごとく ともへ のごとく よこたて 十もんじに ついたら おめへの はうでも しろ ちを なが すだ ろう が 【左丁吹出し】 「おれ サそん なにむ やみに つゝつくし あつけ なくきがいつて しまふから やはくよがらせて おくれよう /小野(おの)の赤玉茎筆(あかまらふで)  /無拳地獄(むけんぢごく)の図(づ) 【本文】 /無拳(むけん)ぢごくは婬婆開王(いんばかいわう)の/領(れう)するところ にして/琴(こと)しやみせんの/音楽(おんがく)をきんじ ちんく/大津画(おほつゑ)の/舞(ま)ひとうを /婬々(いん〳〵)として/高(たか)わらひ/高(たか)こゑ なとあることなし/色欲(しきよく) /餓鬼(がき)こゝにあつまり どうしんをもつて /竹(たけ)の/根(ね)をほるごとく/焦(せう) ねつ/大焦(だいせう)ねつの/朱玉茎(しゆまら) どうかへしを/以(もつ)て/阿の穴開(あびかい) をかずかぎりもなく/堀(ほり)のめす /開血(かいち)の/池(いけ)となるときは/餓鬼(がき)うしろへ まはつて/嶋屋(しまや)の/釜(かま)うでとなる/見(み)る/目(め) かぐ/鼻(はな)のはなをつまみ/目(め)をかくして /常(じやう)はりのはり/連中針(れんぢうはり)の/山(やま)の/針(はり)まらを おしたてまんまと/一(いち)ばん/交合(し)での/山(やま)の おん/方三途(かたさんづ)の/川(かは)の/白波(しらなみ)をぬらり〳〵と おんなかし/六(ろく)道せんの六匁に壱匁五分 じばゝよといためおみやうがとして/金(きん)弐朱お/勤(つとめ)に/上(あげ)られませう 【右丁下】 「ぢようろとちがつて ぢごてきはかうきを やつてくれるから こてへられねへアゝア ソレ〳〵かぐはな のはなΔ▲ いきは 【二文字不読】 あら ねへ スウ 〳〵〳〵 ハア〳〵〳〵 【左丁下】 「なんと かうおくの ほうを つゝついたら こてへられ めへとふやら おれも たまら ねへ ソレ〳〵 「わちきの やうなものに かあいかられる のもいんぐわな えんまとあきら めてたんときを やつておくれ /曲極上手(きよくらくじやうづ)の/図(づ) 【本文】 /曲極上手(きよくらくじやうづ)は/妻房(さいぼう)むちや /如来(にょらい)のおん/膝(ひざ)もゝにして /戀(れん)じやう/美開(びかい)のうちに あり/諸十(しよしう)はうのすぼけ /黒(こく)びやく/長(ちやう)たんのふまらん かん/爰(こゝ)にいます /玉茎(まら)かんこの /美開(びかい)を/出(しゆつ) /入(にう)すれば /玉門(ぼゝ)さつ ひやうしを とりて/音楽(おんがく)を /奏(そう)するの/声(こゑ)をはつし/尻(しり)を /左右へくる〳〵/舞(ま)ひをなす/連座(れんざ)の /三(み)ツぶとんあたゝかく して/舩(ふね)ぞこの/枕(まくら) 諸はんの/期(ご)をしめす/尻(しり)とりの/鳥(とり) フンスウの/花(はな)いきにさへずり/居茶(ゐぢや)うすの/貝(かひ) /淫水(いんすい)のなみにしつむ四ツにはひ/立(たち)であはせて /婬心勃起(いんしんぼつき)の/玉茎(たまぐき)を/根(ね)までずほりとはめられませう 【右丁下段】 「あはもちほどに ねれたおまんこの きょくどりはこれで ございひくわいの こんけんおやかし あつておためしなさいプ 【左丁下段】 「まくらが はづれるときよく らくどころては ないちごくおとしに かゝつたやうなものだから きをつけて ゆる〳〵と こしを つかつて おくんなはいよう /利久(りきう)が/茶臼(ちやうす) 【本文】 /是(これ)なる/茶(ちや)うすは/挊(せんずり)の/子宮居士(しきうこじ)が /陰中(いんちう)の/藏(そう)もつにして/二本指(にほんゆび)の うす/紙(がみ)のふくきさばき/茶(ちゃ) しやくのくぢり/棒(ばう)なつめの /蓋(ふた)のぐあひよきスウ〳〵の /水(みづ)こぼしの水ぬら〳〵こぼれて /嶋(しま)やの/釜(かま)をぬらすといふ /名器(めいき)なればせんずりの /八重垣淫水(やへかきいんすい)の/白梅(しらうめ) ふいた/紙(かみ)の/山本山(やまもとやま)はな いきの/荒(あら)たき/園(ぞの)きねの とがりの/高砂(たかさご)ひたへ/口(ぐち)の/毛(け)の /一森穴(いちもりあな)のあぢの/大吉山未通女(だいきちやまをとめ)のしん/茶(ちや) /年増(としま)の/粉(こ)ちやみな/此(この)ちやうすを/用(もち) ふるとまうすなりしつゝこい/茶(ちゃ)のまはし/腰(ごし) うす/茶(ちゃ)の/泡(あは)のあわをくはす/心(こゝろ)しづかに/美快(びくわい)をとげ /茶臼(ちやうす)のきん/玉(たま)のつぺいの厂(がん)もどきとまうせば/皺(しは)をのばして/拭(ふか)れませう 【右丁下】 「ゆる〳〵 とおめへ のいふ とふりに すらアな ソレ〳〵〳〵 【左丁下】 もつと ぐつと つゝこんで したから まはして おくれよ /婬蛮国(いんばんこく)より/奉納(ほうのう)   /玉茎鉄(まらかね)の/燈籠(ろうろう) 【本文】 /婬(いん)ばん/国(こく)は/味宜(あぢよろ)しう うち/南婬度玉茎(みなみいんどまら)かでんの/西(にし) オエルトホテルの/隣国(りんごく)なりダカデンスの しよくこくなり/玉茎鉄(まらかね)はきん/玉(たま)の ブラリトサガルよりいづるところの ものにして/此(この)かね/常(つね)にやはら かくしてちゞみたりとはいへとも いぢれば/自(おの)づとかたく こり着こりのび/太(ふと)りて ねつをしやうずまた/交合(とぼす)と /水(みづ)をいだすものなりいろ /黒(くろ)きはファラデゴンスよりいで /色(いろ)しろきはスベケライルの/産(さん) ぶつなり/茶臼永開年(ちゃうすえいかいねん) へのこの/立(たつ)どし/陰門月(つびづき) /朔日丸彼出(ついたちぐわんかので)の/国王(こくわう)より /奉納(ほうのう)するところ なり 【右吹出し】 「これは じやうかい くといふと どうやら ぼん まへの くはんおん ばうずの いゝぐさのやうだ あゝたま らぬ〳〵 【左吹出し】 「おまはんの おちんこで つかれると どふもゑぐら れるやうで どうも〳〵 よくつて〳〵 ソレ〳〵きが いきそふで なりません フウ〳〵〳〵 /開賊寢玉門(かいぞくねつび)を/除(よけ)    /子守(こもり)の/御札(おんふだ) 【本文】 /是(これ)なる/開(かい)ぞく/寢(ね)つび よけ/子守(こもり)のおん/札(ふだ)は うつくしい女とねんねこせい/寢(ね)んねの/玉門(つび) たに/何(な)によ/見(み)るだァふ/玉茎(まら)を ほこえて/里(さと)へいたさァとの/陰門(つび)やに /紙(かみ)よもんだぬる〳〵/陰戸(いんこ)に/妾(せう)のうへ 【一行不読】 /寢(ね)エえんよりねてしてしよ」ト/酒玉茎(さかまら) /如来小児(によらいせうに)諸々てんの/御詠歌(ごえいか)をとなへ /子守(こもり)や/楽(らく)なやうで/楽(らく)ぢやまい /内(うち)ぢやしかられ子にや/泣蓮華(なかれんげ) /経(きやう)と/屄毛(ぼけ)きやうの/開目(かいもく)をしるし /寺院(じいん)の日なた/鎮(ちん)じゆの/社(しや)ぜん どうにおいて申立ばつかりを /御祈祷(ごきたう)なしたるおん/札(ふだ) なればかわらけのお水を共に /天窓(あたま)へかけたる/色紙(いろがみ)の/半(はん)がけ/料(れう)を さしいだして/御(お)ちやうだいあられませう /下小開(だせうかい)わられましよ 【右丁下】 おいらは さつきから 二三ど きをやつたの におめへは まだ ぐつ〳〵して ゐるから かくべつ 【一行不読】 をとこ じゃア ねへか ハア〳〵〳〵 【左丁下】 「おいらの うちじやア こゝのさけの ほかみりんや すばかりだからおめへ にこうぬら〳〵としろ さけをたされるとどうも こてへられねへモウ〳〵 だん〳〵いゝこゝろもちに なつてくるせハア〳〵〳〵 【標題】/大腎国(だいじんこく)の/赤開(あかがい) 大腎国とまうすは毛長じゆ/紅舌(さね)なが宿の そう/名(みやう)にして味宜しうの東賞りか国の 開中にあり。この赤開二本の ゆびにていちれば、ふくれ しこりで肉一めんに 動き、また/松茸(まつだけ)をいれるときは、 白き水をはいて 無量にして一たび食するときは よだれを質いれし淫水を うり払っても是をくら はん事を思ふなり。この /貝水(かいみづ)の端にあり、ちかう よって張出しをよまれませう。 ○開/(かい)の満る時 ○物よみのあと○退屈のとき○ぎょう 水の跡○さけのあと○足のつめ切りしあと 夜の九ツ時○開の干る時 ○髪あらひしとき○化粧のあと○道つれとき ○食よくご○心づかひのとき○あさより九ツ時まで 【見物人つぶやき】「イヨウすてきな出らいもんじや/\/\ 奉納 /戀情流挿花(れんじやうりういけばな) ○/爪折草(つまおれさう)    又/揚枝草(やうじぐさ) ○/水引草(みづひきぐさ)    一名○/飾草(かざりくさ) ○三弦/草(さう)    一名/轉艸(こゑぐさ) ○/花薄(はなすゝき)    一名/突出草(つきだしぐさ) ○/口酸漿(くちほうづき)    一名/慰艸(なぐさみぐさ)     ○/鐵醤筆草(かねふでぐさ) ○/線香花(せんかうくさ)    一名/花山草(はなやまぐさ) ○/吸付草(すいつけぐさ)    一名/烟草(けむりぐさ) ○/黄金菊(ごがねぎく)    一名   ○/色出来艸(いろでききく) 【開張提灯の下】 吾妻雄兎子作 戀川女好樓画 /聖人(せいじん)も/佛(ほとけ)も もとを/尋(たづ)ぬれば /玉茎(へのこ)のうは/水(みづ) /陰門(つび)の/下露(したつゆ) 【吹出し】 「今まではう〴〵のおかいちやうへさんさい いたしたがこんなあらたかなれいはう ものをおがんだことはありませんはそれだ からおまんこがありがたがつてぬら〳〵と なみだをこぼして をるのでございますヨ 【吹出し】 「わたしなんぞも こんなはう もつははじめて みやたがどこの かいちやうのれい はうもこゝのやうに きのわるいものばかりぢやア さんさいのひとはみんな じんきよしてしまひませう さて〳〵こまつたところだねへ 【図柄の短冊文字】 五人組、あじ芳、恋川秀あけ、しん吉はら、御房前 ひどまら、よかりや、せき太夫