安政三丙辰八月十一日夜子刻 浪花大雷落場所附(なにはおうかみなりおちばづけ)    当夏は日でりつゝきにて五月より雨降り申さす    六月に至りても日和つゞきにて七月十四日に少し    ふり候侭にてます〳〵日でりとなり所々雨乞等    在之候へとも其印もなく八月十一日日くれ頃    より曇出しけしきはげしく其夜子の刻ゟ    大夕立にてあたかも大地を引さく如く光り    つゞけ鳴つゞけ生たる心地もなく子は親にしがみ    つき親父はかゝにしがみ付夜の明るを待兼る ざこ場魚市場        中の嶋浜松蔵屋敷 北浜一丁目蔵の内      新地側中津蔵屋敷 備後丁中橋塚キ裏      本町心斎ばし南入 安土町せんだんの木     片町水船へ同船破る 堀江御池ばし        権現様お宮松の木 阿波どのばし西入      安土町 銭忠  櫂屋町けんさい橋      幸町二丁目高松 雪踏屋丁お祓すじ      同 茶や大初 堂嶋 卍ケ辻        ばん場近辺三ヶ所《割書:鳥二百|羽斗死》 同 相場より場       玉造二軒茶屋野中 北新やしき         桜丁安田跡明家 おはつ天神丁ちんや     淡路丁中橋西太田 稗嶋村家三軒焼る      裏門橋西詰仲仕より場 尼ケ崎小傳格子破る     常安橋中国蔵屋敷 新町塀の側越後丁      安治川新堀順正寺 同 道者横町        のだ町東の 加茂 新町すし東口        下ばくろ大船へ《割書:八百石帆柱|さける》 天満表門十丁目酒や     九條村あひる多く死す 生玉 鳥居前        北長柄村大根畑けへ 上塩丁夕願寺門前      同所岸のやぶ 平の町骨や丁 木や     住吉加賀屋新田 三ツ寺すじさかいすし    同所東かつたむら 阿波橋北詰東 紺や     同所近在 寺いん 天満 建国寺        さかい金もの町 八尾町にて八ヶ所      同黒門飛脚 泉や 播州明石数ヶ所       同地下 芦原