春色千里の契  下

越中(ゑつちう)卯坂(うさか)明神尻(しり)うちの神(じん)事 
いかにせん
卯坂(うさか)のもりに
みはすとも
君(きみ)がしもとの
数(かず)ならぬ身(み)は
此日(このひ)は祢宜神主(ねぎかんぬし)たちあい
さか木(き)の杖(つへ)にて
是(これ)までいくまでいくたりの
男(をとこ)に犯(とぼ)させたる事(こと)を
たゞし女のしりをまくり
其数(そのかず)ほどたゝく
まつりなり
しりも
い□そしんきや
そのやうにきつう
したら□うやら中(なか)□いたい
やうじや□いな
なに
いてへことよ
□□□□だが
そんなら
かういふ
あんべえに
そもそも
かうしづうに
s
し□らより
なりそうろ
なによ候(そうろう)
【ご参考まで】
嵐山渡月橋
「ゑゝも
いつそしんきや
そのやうにきつう
したらどうやら中がいたい
やうじやわいな
なに
いてへことは
ねへはづだが
そんなら
かういふ
あんべゑに
それ〳〵
かうしづかに
したらよかろう
なほよい
きみになつて
きたと
それみなせへ
こんなにぬら〳〵
だしちやア
ソレからふかく入ても
いたかアあるめへ

生勢州の二た見ヶ浦
ふ□□
がう□
のあさ
げとさ
をみに
いこふと
□□□たが
このすスアまの
い□とのけしきを
みてあれはのうこしが
ぬけそうだどれの□
い□へんあくのいん□
あやうい□□させやう

【ご参考まで】
勢州
 二タ見ケ
    浦
「ふたみ
がうら
のあさ
けしき
をみに
ゆこふと
おもつたが
このマア
あまの▼▲
いわとのけしきを
みておれはもうこしが
ぬけそうだどれもう
いつへんおくのいんを
お/参(まい)りをさせやう
周防岩国
 錦帯橋
「おれも
いきそう
になつ
たから
かういふあんべエ▲
しきに
ぐいと
ぬきだして
おいてきを
やらねへと子に
なつたとき
めんどうだ

「アレサ
どうしたんだ
のういき
かゝつたとこ
をぬかれて
たまる
ものかな
エゝどう
せう
じれつてへソレ
いくわな〳〵
奥州
 金花山
「わつちやアはづかしい
けれどおまいだから
みせるよそれだが
そんなにおいぢりで
ないきたないから
アレまたいぢつたゆび
をおなめだよ

「さねかたづかからおく
の子つぼのいしぶみまで
くわしく見な
ければならねへさて〳〵としはいかねへが▲
めいしよきうせきのおゝいほゞだ
/越後女(えちごおんな)の/裾張開(すそはりぼゞ)
/千摩伊十紙(せんまいとうし)初編巻之中
  東都     吾妻雄兎子戯編
  ○/一寸結(ちよつとむす)んだ/出雲(いづも)の/帳外(ちやうぐわい)
/再説彼冨次郞(さてもかのとみじらう)はあつたら/夢(ゆめ)を/侍女(こしもと)のお/柳(やぎ)が/為(ため)に/揺起(ゆりおこ)され/腹(はら)
は/立(たて)ども/亦更(またさら)に/詮術(せんすべ)なければ/忙然(ぼうぜん)と/返辞(へんじ)も/為(な)さで居るを見て
お柳は/顏(かほ)を/和(やは)らげて/枕(まくら)の/傍(そば)へ手を/突(つき)つ栁「/慈母(おつか)アさまの/被仰(おつしやい)
ますには/今冨(いまとみ)が/子舎(へや)へ往(いつ)て見たら/小襆(かいまき)一ッで/転寝(うたゝね)をして居るから
/風(かぜ)でも/引(ひく)と/悪(わる)い/眠(ねむ)いのなら/床(とこ)をとつて/実正(ほんとう)に/寢(ね)かして/呉(くれ)と被仰い
ましたサア/貴君一寸(あなたちょつと)お/床(とこ)を/伸(のべ)ませうと/云顏(いふかほ)つく〴〵打見やり冨「ウム/左様(さよう)か
そんなら左様して/貰(もら)うだが/此処(こゝ)に何か有つて/邪广(じゃま)に/成(なつ)て/起(おき)る/事(こと)が出来
ねへ一寸/是(これ)を/取(とつ)くんな柳「ハイかしこまりました/何処(どこ)にで/御座(ござ)います冨「この/小(かい)
/襆(まき)の/裾(すそ)にイヤ〳〵/其処(そこ)ぢやアねへエゝ/不器用(ぶきよう)なト云ながらお柳が手を取
ソレ/此処(こゝ)だと/烈火(れつくわ)のごとくに/勃起立(おへたち)し/男根(へのこ)の/胴中握(どうなかにぎ)らすればお柳は/不(ふ)
/意故愕(いゆゑびつ)くりし/顏赤(かほあか)らめて/差俯(さしうつぶ)く冨次郞は/採(とら)へたる/手(て)を/持(もち)ぐつと引
/寄(よせ)て/委細構(いさいかま)はず/推転(おしころ)ばし/足(あし)もて/小襆打掩(かいまきうちおほ)ひ/脇(わき)の/下(した)から手を
入れて/抱入(だきいれ)ながら/顏(かほ)見つめ冨「お柳/薮(やぶ)から/棒(ぼう)で/膽(きも)が/潰(つぶ)れやうが有
/様(やう)は/今面白(いまおもしろ)い/夢(ゆめ)を見て/居(い)た/所(ところ)をお/前(めへ)が/起したので/其面白(そのおもしろ)い夢を/何(ど)
/処(こ)かへ/無(なく)して/仕舞(しまつ)た/其腹(そのはら)いせにお前に云事を/聞(きい)て/貰(もら)はなけりやアなら

ねへ/否(いや)でも/有(あら)うが/彼様(かう)しなと云つゝ/股(もゝ)を/推開(おしひら)き/横抱(よこだき)に/割(わり)こんで
玉門へ手をやりくぢりながら/頬摺付(ほうすりつけ)て口を吸ば/元(もと)よりお/柳(やぎ)も/惚(ほれ)て居る
/若旦那(わかだんな)の事なれば/夢(ゆめ)かとばかり/嬉(うれ)しくて/早鼻息(はやはないき)をスウ〳〵と云せ
ながらに/抱付(いだきつく)冨次郞はさいぜんより十二分に/気(き)ざせし事/故矢庭(ゆゑやには)に
上へ/乗(のり)かゝり/彼一物(かのいちもつ)をあてがひて二突三突(ふたつきみつき)つき/立(たて)れば/了得(さすが)の/莖節高(かりだか)
/陰門(いんもん)の/左右(さゆう)の/縁(ふち)を/巻込(まきこみ)ながら半分餘りぬるりと/這入(はいる)女は/額(ひたい)に/皺(しは)
を/寄(よ)せ/歯(は)をくひしばつて身をもだえ/腰(こし)を/左右(さゆう)へ/振度(ふるたび)に/陰門(ぼゝ)にて/男(への)
/根(こ)を/喰〆(くひしめ)て/吸抜(すいぬか)るゝかと思ふばかり実に/希代(きたい)の/蛸壷(たこつぼ)なれば冨次郞は
/幻(うつゝ)をぬかし/深(ふか)く/浅(あさ)く/突立々々乳(つきたて〳〵ちゝ)を/嘗(なめ)たり喰ついたり/秘術(ひじゅつ)を/尽(つく)
して/交合(とぼ)しかけるに女は/此時夢中(このときむちう)になり男の/腰(こし)を/太股(ふともゝ)で〆付
ながら身を/振(ふる)はせ「ソレいきますヨ/何様(どう)してまァ/此様(こんな)に/宜(よ)いの御座い
ませうアゝソレ〳〵エゝ/亦(また)いきますヲゝいきます〳〵アゝフウハア〳〵〳〵と/頻(しきり)によがり
たてられて男も今はたまりかね抱きたる手をぐつと〆付冨「/自己(おいら)もまう。ソレいく
いくと云ながら/毛際(けぎは)の/所(とこ)ぎつしり/推込子宮(おしこみこつぼ)の/口(くち)へ/鈴口(すずくち)を/向(むか)はせ/置(おき)てヅキ〳〵
と/男根(へのこ)に/胴脉打(どうみやくうた)せながら湯よりも/熱(あつ)き/淫水(いんすい)をあびせかければハア〳〵と
女は/肩(かた)で/息(いき)するのをみ男も/漸(やうや)く/精(き)をやりしまひホツと/一(ひ)ト/息(いき)つく/折(をり)から特
屋の/拍子木(ひやうしぎ)カチ〳〵カチ/往来(おうらい)の人の/鼻歌(はなうた)
 「/旦那(だんな)はおさんと寢ぬといふおさんは旦那と寝たといふあれ寢たと

 いふ/寢(ね)ぬといふよがりを/聞(きか)れてあらは。とて
/案下再説爰(それはさておきこゝ)に/亦貸本屋(かしほんや)の/甚介(じんすけ)といふ者あり/福禄屋(ふくろくや)へは/親(した)しく
入込冨次郞とは/友(とも)だち同前亦/金木屋(かねきや)も/得意場(とくいば)なればお/八重(やへ)が
事も/能(よ)知る故/豫(かね)てお八重に冨次郞が/恋慕(こひした)ひ居る/様子(やうす)なれば
/折(おり)もあらば/女房(にようぼ)に/取持媒妁(とりもちなかだち)せんと思ふにぞ今日も/多(おほ)くの/荷(に)を/背(せ)
負(おひ)て金木屋の/裏口(うらぐち)から/這入(はい)て其事/云入(いひいる)るに下女は/早速奧(さつそくおく)へゆき
/頓(やが)て出て/来(き)て下女「アノ本屋さん/種々(いろ〳〵)おうり/申(まうし)たいものが有から荷を/持(もつ)て/奧(おく)へ
来ておくれと甚「ヘイ〳〵/畏(かしこま)りましたト/風呂敷包(ふろしきづゝみ)を/重(おも)げに/提(ひつ)さげ奧へ/通(とほ)れば
/此家(このや)の/主人後家(あるじごけ)のお艶/(えん)は/呉竹(くれたけ)の/四十(よとゞ)を三ツ四ツ過したれどまだみづ〳〵と/若(わか)
木なる花にも増せし/顏(かほ)のつや/然(さ)れど作りは/否味(いやみ)なく/古渡(こうとう)じみを/専(もつはら)と
/諸事(しょじ)に/如在(ぢよさい)もなか〳〵に/兼好法師(けんこうほうし)ならねども/傾(かたぶ)く/月(つき)も/面白(おもしろ)しと見
はやす人も/多かる/風情(ふぜい)甚助を/見(み)て/莞尓(につこり)と《割書:えん|》「ヲヤ本屋さん/誠(まこと)に/焦(こが)れて
居ましたヨサア〳〵お/這入(はいり)ニなさい今日は子供や女どもをお寺参(てらまい)りにやつて私し
/一人(ひと)り/留守(るす)ばんだから/寛(ゆつく)り/噺(はな)してお/在(いで)なさいなコレ/婬(いん)や/其處(そと)から風が
来て/寒(さむ)いからビツシャリと/〆(しめ)ておいてくんなアノウそしてお/茶(ちや)をヨ。モシ本屋さん
アノ/爰女七艸(むすめなゝくさ)の/六編(ろくぺん)が/出来(でき)たさうだが/持(もつ)てお出か《割書:甚|》「/漸(やう)やく/此間出(このあいだで)ました
から今日は/封切(ふうきり)をお目にかけませうと/思(おも)つて/持参(ぢさん)いたしました《割書:えん|》ヲヤまァ
嬉しいねへそして/続(つゞい)て/七編(しちへん)も出るのかへ《割書:甚|》「/左様(さやう)で御座いますまう

/近日配(きんじつくば)りに/歩行(あるく)さうで御座います《割書:えん|》「/左様(さよう)かへ/楽(たの)しみだねへ《割書:甚|》「/今日(けふ)
は/色々新板(いろいろしんはん)を/持(もつ)て上りました/是(これ)を/一寸御覧遊(これをちよとごらんあそ)ばせ/作(さく)が/女好菴(ちよこうあん)で/画(ゑ)
を/本所(ほんしよう)が/書(かき)ましたが/誠(まこと)に/綺麗(きれい)に/美(うつく)しく/出来ましたト/三冊続(さんさつつゞ)きの
/笑(わら)ひ/本(ぼん)をうや〳〵/敷其処(しくそこ)へ置ばおえんは何の/気(き)も付(つか)ず《割書:えん|》「マア/大造(たいそう)
見事な/表紙(へうし)だねへと/云(いひ)つゝ/手(て)に/採(と)り/開(ひら)いて見れば/生(いけ)るが如くに画
がきたる/極彩色(ごくさいしき)の/笑(わら)ひ/絵(ゑ)なれば「ヲヤ〳〵まアと云ながら/少(すこ)し/顏(かほ)
/赤(あか)くして/間(ま)を/悪(わる)そうに/一二枚明(いちにまいあけ)て見る/裡亦跡(うちまたあと)から/其処(そこ)へならべる
/三冊(さんさつ)もの《割書:甚|》「/是は/矢張吾妻雄兎子(あづまおとこ)の/作絵(さくゑ)は本所の/弟子(でし)で/御座(ござ)
ますが/師匠(しせう)さまよりもかへつて/能出来(よくでき)て/居(ゐ)/位(くらゐ)でございますト
/一々何(いち〳〵なに)やら/講釈付(こうしやくつき)にて/頻(しき)りに/并(なら)べる/枕双紙(まくらざうし)をお/艶(えん)が/前(まへ)へ/突付置(つきつけおき)《割書:甚|》「モシお/小用所(こようしよ)はあれで御座いましたツけねト/云(いひ)つゝ/立(たつ)て/縁頬(えんがは)の/障子(しやうじ)を
/明(あけ)て/外(そと)へ/出用所(いでようじよ)へ/往(ゆき)たるふりをしてお艶が/容子(やうす)を/窺(うかゞ)ふにお艶は/外(ほか)に/人(ひと)
なければ/双紙(さうし)に見入て所々/面白(おもしろ)さうな所があれば/書入(かきいれ)などよみて見るに
何れの所も大よがりのやりくりこんたんなりければ/思(おも)はず/濡(ぬ)るゝ/禮股(うちもゝ)にふつと
/溜息(ためいき)つく様子を甚介は見てとりて/厠(かわや)を/出来(いでき)しふりにもてなし元の
所へ来て/居(すは)り《割書:甚|》「いかゞで御座います/些(ちつと)は/御意(ぎよい)に/協(かなつ)たのが御座います
かト云れてお艶は本を置「ヲホゝゝ/誠(まこと)に/綺麗(きれい)にかいて在ねへお/蔭(かげ)で
目に/保養(ほよう)をさせました《割書:甚|》「是/御覧(ごろう)じまし/此図(このづ)なんぞは/夫(それ)と見へないで

/居(ゐ)て/何処(どこ)となく/気(き)の/悪(わる)い様(やう)に/出来(でき)て居るのでは/御座(ござ)いませんかト/本(ほん)を
/廣(ひろ)げて見せながらお/艶(えん)が/傍(そば)へ/摺寄(すりよつ)て「まだ〳〵/此処(こゝ)よりか/此一丁(このいつてう)の/二人(ふたり)が
よく/出来(でき)て/居(を)りますしかし/画(ゑ)に/書(かい)たのは/男(をとこ)のも/女(をんな)のも/餘(あんま)り/何(なに)かゞ/大(おほ)き
/過(すぎ)て/成(なり)ませんが/彼様(かう)かゝないと/何様(どう)も/見立(みたて)がないそうで/御座(ござ)いますト本
を/見(み)するに/事(こと)よせてじりり〳〵と/前(まへ)へ/出(いで)お艶が/膝頭(ひざがしら)をひつたり/突(つき)
/付推(つけおし)て見るにそしらぬ/顏(かほ)して/身動(みうご)きせねば/甚介(じんすけ)はまう/占(しめ)たと/思(おも)ひ
ながらもうたぐつて/猶(なほ)うつかりと/手出(てだ)しをせず《割書:甚|》「貴女(あなた)なんぞはまうさつ
ぱりとこんな/味(あぢ)は/忘(わす)れてお/仕舞被成(しまいなさい)ましたらうねへ女といふものは/慎(つゝしみ)
の/深(ふか)いものだが/男(をとこ)には/中(なか)〳〵此事ばかりは/我慢(がまん)いたす事は/出来(でき)ません 
イヤいくぢのない/事(こと)で/御座(ござ)いますえん「/女(をんな)だつて/忘(わす)れて/仕舞(しまい)はしないけれど
/誰(だれ)もかまひてのないので/無拠辛抱(よんどころなくしんばう)をして居るのサ甚「/若構(もしかま)ひ/人(て)が/有(あつ)たら
きいておやんなさるお/積(つも)りで/御座(ござ)いますかト/云(いひ)ながらこは〴〵お/艶(えん)が/手(て)を
とつて/徐(そつ)と/握(にぎ)れば/握(にぎ)らして/何(なん)とも/云(いは)ず/無言(だまつ)て/居(ゐ)る/故(ゆゑ)思(おも)ひ/切(きつ)てずつと
/摺(すり)より/衿(えり)の/処(ところ)へ/手(て)をかけて/女(をんな)の/頬(ほう)へ/頬推付口(ほうおしつけくち)をよすれば/女(をんな)も/亦舌(またした)を/出(いだ)
して/甚介(じんすけ)が/口(くち)へ/一(いつ)ぱいはうばらせ/自由(じゆう)に/成(なつ)て/吸(すは)せるに甚介は/早(はや)たまらず
/節(ふし)くれ/立(だち)し/大男根如亀(おほでれつくによつき)りズンとおつ/立(たつ)をお艶が手を/採握(とりにぎ)らするに
お/艶(えん)はたえて/忘(わす)れたる/此一物(このいちもつ)を/掴(つか)ませられ/心忽地髣髴(こゝろたちまちはうふつ)と/前後(ぜんご)も
/忘(わす)るゝばかりなり/甚介(じんすけ)はお艶が/股(もゝ)へ手を/差入指(さしいれゆび)に/夤縁白縮緬(からまるしろちりめん)の/湯(ゆ)

/具掻分(ぐかきわけ)て/暖(あたゝ)かき/内股深(うちもゝふか)く/手(て)を/差入探(さしいれさぐ)りて見るにシヤリ〳〵とちゞれて
/長(なが)き/陰毛(いんもう)は/臍(へそ)の/所(ところ)まで/生(はへ)のぼり/額口(ひたいぐち)はむつくりと/小山(こやま)の/如(ごと)く/盛上(もりあが)り
/空割長(そらわれなが)く/紅舌短(さねみぢか)く/其様(そのさま)いうにも/大開(たいかい)と/思(おも)はれければ/心(こころ)に/驚(おどろ)き/道(どう)
/鏡(きやう)ならずは/如何(いか)にして/是(これ)が/對人(あいて)にならるべきと心に/少(すこ)しおくれは/来(く)れど
/水風呂桶(すいふろおけ)の/牛蒡(ごぼう)だと/笑(わら)はゞ笑へト/気(き)をはげまし甚「もつと/股(また)を/廣(ひろ)く
してそして/體(からだ)を/彼様被成(かうなさい)と/云(いひ)つゝ/片手(かたて)で/横抱(よこだき)に/膝(ひざ)の/上(うへ)へかゝへあぐれば
えん「まう/彼様成(かうなつ)ては/何様(どう)でも/宜(よい)からお/前(まへ)の/自由(じゆう)にしてお/呉(くれ)と/男(をとこ)の/首(くび)へ
かぢり/付目(つきめ)を/細(ほそ)くして/甚介(じんすけ)が/顏(かほ)を/下(した)からじつと/見詰莞尓(みつめにこり)と/笑(わら)ひ
ながらえん「もつと/此処(こゝ)を/彼様(かう)するのかへト/内股開(うちもゝひら)いて/推付(おしつく)れば/直様二(すぐさまに)
/本(ほん)の/指(ゆび)を/差入(さしい)れ/浅(あさ)く/深(ふか)くくじり/見(み)るに/子宮(こつぼ)の/居(ゐ)ずまい/左右(さゆう)の
びら〳〵/茘枝肉(れいしにく)のぐり〳〵まで/道具立十分備(どうぐだてじふふんそな)はり/開中(かいちう)の/締(しま)りしつくりと
/口元(くちもと)せまく/奧廣(おくひろ)く/世間(せけん)の/人(ひと)の尊(たつと)がる/巾着陰門(きんちやくぼゝ)いふなればこは/案外(あんぐわい)の/幸(さいはい)と
/甚介無上(じんすけむしやう)に/掻(かき)まはせばお/艶(えん)は/数年(すうねん)の/溜淫水流(ためいんすいなが)して/尻(しり)さへぬるゝばかり
えん「/早(はや)く/入(いれ)てお/呉(くれ)よう/誰(だれ)か/来(く)ると/悪(わる)いからヨウ。サア/早(はや)くと云ながら/鼻(はな)いき
せはしく目を/閉(とぢ)て/心地(こゝち)よげにぞ見えければ/甚介(じんすけ)こゝぞと/抱(いだ)きたるお艶
を/下(した)に/這(はハ)せ/置女(おきをんな)の/尻(しり)をぐつと/引立(ひきたて)いきり/切(きつ)たる/大玉茎(おほまら)を/玉門(ぼゝ)の/割目(われめ)へ
あてがひてづぶりと/突込其時(つきこむそのとき)に/床(とこ)の/間(ま)の/時計(とけい)ギリ〳〵チヨン〳〵〳〵〳〵
千摩伊十紙巻之中終