うみのさち   天 【右上】JAPON 603(1) 【一括りの印あり】 【四角ラベル内】 87 JAPON 603(1)【一括り】【右に】87 【丸ラベル内】 JAPONAIS 603 1 【貼紙】 Katsu Riusui Umi no Sachi【アンダーラインあり】 Les tresors de la mer - Album de Poissons 1re preface signee:Kozai Han Songi, cachet Tokan. 2e preface signee:Hyakuhan Gemman, cachets Hyakuhan et Gemman - 3e preface signee:Sekijukwan Hidekuni, cachet Kohairin - Introduction de l'auteur signee: Riusui et datee Mizunoe Uma de Horeki(1762). Post-face signee:Dokuhan Naka Baimei, cachets Dokuhan et Kuwashu Seizan. Colophon date 12e de Horeki(1762). Editeur Kameya Tabei a Yedo,a l'adresse Onkokucho. 【アクサン省略】 Graveurs et Imprimeurs:Sekiguchi Jinshiro et Sekiguchi Tokichi a l'adresse Odemacho - Hayashi No 1597 cite cet ouvrage a la meme date avec un autre editeur, Mrs Brown egalement - Une autre edition parut en 1778, 7e Anyei, elle est de format diminue, avec au Laut des gravures un decor de nuages 2 Vol. contenant gopages de gravures en couleur - 49 - 41 - au debut cachet de possesseur: Susuki Uji 蒼海漫々として昼夜をすてす俳 諧の流行かくのことし爰に秀国 なるもの点取の花やかなるを好み 多年此堺に遊ふ一日龍水の硯の 海に舟をうかへて網下し釣たれても ろ〳〵のうろくつを得たりこれを 題し人々の句々を与ふて一帙とし 海の幸と号く誠に俳祖 はせを翁よりして此道はやりもて 行て今世に行るゝ事久しすへて 俳人の多き事江海のうろくつに ひとしかるへしさるか中に鯛あり鰒 あり渠か容のよきをねたますこれか 形のあしきを悪ます渠を師とし 是を教として四海兄弟をおもはゝ 俳諧の大道何そこゝに尽む       古木庵存義         【落款】 【本文の前に四文字の印】 墨客勝龍水翁性書画を好て 奇也それか中に生写をよくす誠に 絵所にも墨かきに撰れ侍るを最 第一とする事なから彼亦一事也 金岡広高かいにしへ或は蓬莱の 山荒海の怒れる魚の姿はまね ひよく尋常の山のたゝすまゐ水の 流れなとをやはらひて書なすは かたくそ有けると紫式部か筆の すさひ其始をおもふに画工悪図 犬馬而好作鬼魅誠以実事難 形而虚偽不窮也ける鬼魅はや すく狗馬はかたかるへし雖肰 勝氏か生写の妙処を愛玩す る時は是全く画家の竜水に あらす書家の余花たり絵花 者不画其香絵人者不画其情 とかや于茲滑稽会林秀国 多年の望生写の河魚海魚を 桜木に彫刻し書賈にあたへん 事を水翁に乞其望成り就りて 後婦駔か手より是を求る人は 書画舟を得るおもひをなすへし されと人事草木禽獣昆虫は さらなり声なき魚に音あらし めんはかたし国か従来好嗜 処の狂句を副其情をあらはさん となり今古滑稽作者多き中に 山素堂は水鳥の音羽の山藤なみ 潜るほとゝきす初松魚の艶に やさしき風情をなし芭蕉庵桃青は 塩棘鬣魚の歯茎毛寒【?】細痩たる 姿を述水沾徳は勇魚の太脂 体を作皆各の好処にして非是 論すへからす凡和歌に九品十体 ありといへとも建仁二年春三月下旬 後鳥羽帝の詔により三体和謌を 撰給されとも一坐一興の事とそ 然るに點取及蕉門と両にわかつ 是自己の臆見鄙諺狂吟の意趣 一朝一夕の興をやるのみに過す是を 好徒は奇異の事とすへけれと 博士の眼には嬰児の戯と云にも 不足とや見給ふらむ前にしるす 素桃沾か三句の三品は万葉集中に 水江の浦島児の堅魚釣鯛釣かねてと よみ或は鯨とは読たれと本草には不戴之 鰌魚につきて今案ありといへとも略之今の 作者其情をよく云叶へんやいさ しらす伊佐奈取淡海の海の波の まに〳〵鯨哉訓蒙図彙爾首許 といひしは徳か句又国か功洪大なる 事を褒美して滑稽訓蒙図彙 と称すへくや此画草紙の客の 名は勝書師か筆の林硯の海の 幸と云事を国か需に応して 於道士井茅軒海濱蜑子百庵 言満題並書         【落款二つ】 一日龍水の幽扉をたゝけは例の 懶眠のかたはらに取ちらしたる物 あり是をみれは談魚を画たる也 実になまくさきかことし枕をゆすつ て是を乞請これに諸家の佳句を もとむ何とか名つけんそれと神 代のむかしかたりをおもひ出し 海の幸とよふものならし         石寿観           秀国           【角印】    叙 画は気韻を尚ひ筆意を専とし 似て似さるを善とすとは画家のことに して其譏を厭ふにあらす又写生 の梢昌を学ふにあらす惟草花空 魚を写の癖あり然に過にし火魚 に失て稍魚部少を存す秀国是を ひたすらに乞今改正心も懶く其侭 にて需に応ぬれは猶たかひ多からん さるか中にも似て似さる形の魚は 蟾蜍のこちと成千鳥のとり貝と成 蛇のたこと成烏𪇰の烏賊となり 獺となるはらふとの類ひにて不形 にもあるらんとゆるさるへし    凡例 一諸魚出所によりて形容たかひあり其色も  又同しからす一遍に窮めかたし 一両紙にわたる魚は長くみへ半片に欹つ  魚は短し是魚上の方界にかゝわるの意  ある故にや 一彩色筆のことく成かたし板面は軽き絵  具のみを用て数遍成かたし又彫刻の  労煩厭さるにもあらす 一此内二種生を見す乾たるを以て図す 一此外異魚ありといへとも俳句に結ひ  かたきは是をはふく 一魚の文字俗に用来所正しからす因て  平かなを以てしるし正字異名あるは  其傍にしるす   宝暦壬子春二月    龍水誌 〇こい  鯉  為魚王   有五色名曰    赤驥  青馬  黒駒    白騏  黄騅 一種通身紅如金曰金鯉 尾如鳬或三岐両岐曰金 鳬魚  赤鯉を俗ひこいと云  むらさきにゆかりあり かきつはた   かいしけ【搔敷け】  江戸の     洗鯉    李冠子 〇かんたい  さくら    まて   待かね    山や   彼岸     鯛    平花庵      岸杜子 【右丁】 〇たこ  章魚 章舉      𠑃魚 八梢魚 浦さひて芋盗人を    追ふ夜哉      巨洲 名月や磯来る   たこの影法師       暮瀬 出て遊へたこも    若木のさくら時      花鳥庵 梅動 【左丁】      望潮魚 〇いひたこ 飯蛸やなれにも   旭道   藤の足手影         遠鄭 飯たこの小智魚   おかしや栄螺        から 〇四手ざこ《割書:う|》        百髭 二つ三つ四手に     そよく光かな 【右丁】 〇ほしひらめ        杜谷 初秋や水心ある      星ひらめ        万一 指櫛や落て汐干の      ほしひらめ        弁定 月と日に染るや     秋の星ひらめ 【左丁】 〇あわひ  ■【魚扁+夏 鰒の誤記ヵ】 石决明         一塢 【右丁】 〇すぢかつを 【鰹の絵より上右から】         専里 行春や鎌倉道の筋かつを        五雲 鎌倉にさて  みなもとの筋かつを      貫町 富士照や  小田原町の    筋かつを 【左丁】   東春水 鷺舟 兼好は  喰残した歟   筋かつを 【鰹の絵の下】     桜歩 烏帽子着ぬとても    一門筋かつを かつをかな  砂汀  烏帽子下よき      子持筋 【右丁】 〇うなき  鰻鱺 白鱓 蛇魚《割書:又|》むなき 樋の口を洩てうなきの行秋や            狼牙 うなきにも浅黄の名あり水の月         栄巴改            箕山 秋の水うなきも  蔓の   姿かな     鬼雀 【左丁】        小を 〇くるまゑひ   さやまき     守梅庵       子簾 雛にめてん髭も     糸毛の車鮱        祇周 汐干狩くもて   かくなわ車鰕 〇手長ゑひ 猿猴に月な渡しそ手長鰕  超風 【右丁】 〇すばしり   蛇頭魚 すはしりや祭の中の  一高     ほとゝきす      祇堂 すはしりや  羽根田の夏を   ■【「扣」の偏と「叩」の旁で作字ヵ】き立 〇さば   青魚 よき衣を    水足  鯖も着にけり     秋の風 【左丁】 〇しらうを   鱠残魚  銀魚   王余魚  水晶魚      春窓 木髪 白魚や申さは魚の       児さくら       梅堂        窓雪 白魚や網の雫の又雫 〇しじみ       買義 行ぬけの寺を忍ふや苞蜆 【右丁】 〇すゞき  四鰓魚 天下鱸皆両鰓           惟松江鱸四鰓  清盛未タ安芸守タリシ時             卯雲 鍋モテト下知アル舟ノ鱸哉            射柳 朝凪の露あたらしき鱸哉          牧童 揚屋から生姜も伊達や         釣鱸 【左丁】         文声 余程秋を我名に    呼んて鱸哉       畔水 名山や鱸魚の絵も     てんやもの 笹の葉に    雫分たる鱸かな 畔李 【右丁】 〇このしろ 鱅魚  䱹魚 《割書:古|》つなし       一用鯯 きさらきやこのしろも一日木具の上             牛子     杜父魚(ダボ) 道満 〇はぜ 鯊 シマハゼ 種々有説           素義 紅葉から誘ふ日もあり       鯊の旬 輪のうちの   祖平   月に育つや      ことし鯊 【左丁】        鱭魚鮆 〇たちうを 鮤ヽ 望ヽ 鱴刀 【べっとう:たちうお】       魛ヽ 鰽【「ヽ」は「魚」字の代用】           紗窓 稲妻や網の目ぬけて     たちの魚       曽嵐 太刀魚や平家     沈【沉】めるあたり         より 〇にしきうを        蘭宝 藪入の土産に召セや         にしき魚 【右丁】 〇ゑひすたい           金陵 十月のはつかの花やゑひす鯛         越峨 小春をゑひすも鯛も      さくら色        一一 ゑひす講これや  小はるのさくら        鯛 【左丁】 〇はまくり  文蛤 花蛤             寸皐 はまくりや踏るゝための家造り 〇きさこ 《割書:又|》ちしやこ         翠井 いはけなくきさこに暮る         春日哉 〇まて 蟶          可容 まて貝は女浪男浪の枕かな 【右丁】 〇ふく  河豚 鯸鮧 䲅魚嗔ヽ      吹吐ヽ 気包ヽ 西施乳【「ヽ」は「魚」字の代用】            綳魚(シヲサイ)          かつんと 対陣のゆるみや夜辺の         ふくと汁          府月 魚篇に复と覚へし       心かな 降雪に身とれは   金行      鰒も肌白し 【左丁】        蟻来 河豚汁や薬降日【注】に       喰ならひ        風馬 河豚見えつ     其角か庵へ矢の使           書雪 蝶々の羽風おそろし        美人草 【注:昔、陰暦の五月五日を薬日と称し、この日の正午頃に雨が降ることをいう。その雨を神水といい薬を作るのに用いられ、また、雨のかかった薬草は特効があるとされた。(コトバンク)】 【右丁】 〇こち 好む親の気を   丁東   あたゝめん河豚もとき           喜蝶 蝶の日にあふなけもなし         こちの汁 涼しさやこちの   嗇夫      あきとの水はなれ 【左丁】 あかゑい  海鹞魚 邵陽魚       荷魚 鱝魚       鯆魮魚       蕃蹹魚       石蠣 あかゑいや  五月雨   ならぬ  日の   うつり    壮太 【右丁】   とり貝 とり貝や漆とる   世をなみたかも【?】        斧天   いとよりたい  金絲魚 いとよりも鯛のゆかりや児桜            渭村   あさり あさつきを妻に   画松     むすひてあさり          かな 【左丁】 〇かに 螃蟹 《割書:雄》 蜋螘 《割書:雌|》博帯     郭索 無腸公子   海河川沢山石の間   数種あり         磻渓 かつちるや蟹も紅葉の        橋柱        なつみ 藻の花にあふなき       蟹のはさみか哉        万輅 沢蟹のそれか紅葉欤       筧より 【右丁】      棘鬛魚 吉鬛 髻 〇たい   奇ヽ 過臘 赤鬃【「ヽ」は「魚」字の代用】      平魚 桜鯛 《割書:一に|》あかめ たいはたいら魚也 其かたちたいらかなる故に 延喜式に平魚と書り 荒海もさくら  日和やたいら魚      羅光【落款二つ】 【左丁】 稲守類魚 嘉也鯛能 鍬登鎌    汀雨【落款】 鯛又数種あり     こと〳〵く記かたし 【右丁】  〇めはる            長湫 ひと朝の霞の網にしめはる哉  〇小たい  かすこたい         風律 これもその花の荅の       小鯛哉        都江 礒山の一重さくら欤     かすこたい 【左丁】 〇ふな  鯽  𩺀 鰿 藻ふし 常陸鮒            もみちふな 千住鮒            源五郎            田城 ひらはまた鹿の子も       みえす紅葉鮒         《割書:東青甫|》 竹苞 わか身に秋を染けり源五郎           訴庵 高雄にや身を投出して紅葉鮒 【右丁】 〇おほこ         斧雪改           人龍 夏川おほこくひいれつ         袖の浦 富士の雪きゆる其日に        おほこ哉          浣車 〇ほら 鯔  鯉はひるに登るの骨折あり  我は幸を自然まかす         雪洞 龍門も頼まて    拾葉    ほらや年越えるん 【左丁】        来陽軒 はらふとや    花考    世の冬かれに        しらぬ顔        思遠堂 戸田川は鯔の   亀貝     故郷や夏木立        月龍舎          好鵞 進む名も叙位の雫の         名吉かな 【右丁】  〇はたしろ             冬嶺 はた白や海も源氏の御代の春           露斗 踊出よ魚も縞着て      伊勢の海 はたしろの  冬湖  印の筋や  うす霞 【左丁】 〇まなかつを 魴魚 鯿魚           珍重斎             樗南 さるものゝ西にもありと        まなかつお         連尺 育からそ【?】  江戸の夏みぬ     まなかつお        銀海 花添ふや女筆指南へ     まなかつを 【右丁】  〇あんかう 華臍魚 老婆ヽ 綬ヽ 琵琶ヽ【「ヽ」は「魚」字の代用】     硯田舎      台哺 あんかうも  小判を食ふ     たくひ哉   還孝光腹便々と   笑ひしはいまた其漁を   しらさる故にや あんかうは    雪子  筆者に似たる姿哉 あんかうや腹は  からつね  かり物孫ひさし 【左丁】          孤山 あんかうや何を狂哥の      頭陀法師        蛇水改 あんかうや妻に  如水    豆腐は口惜き   【落款】   鯛有桜名   鮒有楓名 安康を大盤台に 牡丹かな      余力亭呼童       【落款二つ】 【右丁】 〇あゆ 鰷 魚 白鯈 ■魚     鮂魚 記 月魚(サビアユ) 入月にさひ研あゆの   満皐         光かな         東陽舎 芳野川        亀汀   花も早走る小鰷 かな         万峨 若鰷の岩切通し       行春そ 【左丁】 〇ゑそ 鰣            凡武 ゑそしらぬ秋も幾秋我も我 〇やまめ 𩹌   鶏諷居             銭社 菊の葉の法華経    嘗はやまめ        哉 雑兵のたかる  清水に   やまめかな    十麿 【右丁】 〇かめ 亀 数種あり            文貫 亀の子の皆出払ふや春の池        莫大 元日や亀も白髪を      染つらん 流れ木へ片手を    亀の春日かな         都梁 【左丁】        砂明 蓑亀や己か姿を      土用干        卜宝 うれしけに甲ほす       亀や秋日向          女 亀の背に文字を   皐波      書也放生会 【右丁】 〇いか 烏賊魚 烏鰂 黒魚     䌫魚     柔魚(スルメイカ)         改上堂           静波 白鷺の生るゝ種や       烏賊の骨 烏賊は花【?】は   八十男     青和会の        盛り時 いか化して     知来    鷺となる季も         春なれや 【左丁】 〇きす   青山台     江鳥 薄氷や  きすに    小笹の   透きとふり きす釣の   萩丈  船に忘るゝ      扇かな 〇むしかれい あさはかれ           白清 其腹に碁石はなき欤むしかれい 【右丁】 〇かつを 松魚 堅ヽ 肥満ヽ 【「ヽ」は「魚」字の代用】              来至 かつをかな辛子へあきる捨言葉            起国 夏の来て花咲きにけり          魚の棚          沾慶 初松魚辛子の花も        咲あへす 【左丁】           粧風 かたかりて     風を切也初かつを          宗切 初茄子駿河に負な        新鰹 旅人の      十二  包丁見する松魚哉 【右丁】 〇とらきす   我又 きす釣に千里も行や竹の秋 〇あかにし 蓼蠃       赤螺    十暁 傀儡女の唇凄し       寒の紅粉 〇海すゝめ         うすい 笹漂の春より明て         海雀 【左丁】 〇ほう〳〵        菊且 ほう〳〵の紅ゐ寒し         魚の店 口切やほう〳〵兼て  四川         松の重  かなかしら 角文字の     松寿  いろりに立や     かなかしら 【右丁】 〇なまつ 鮎 鮧 鰋 鯷      鯰《割書:俗|》  春    文魚 ぬるむ哉水にもまるゝ       川なまつ  夏     硯鼡 夕立の池にたゝよふ         なまつかな 【左丁】  秋     都十 江の秋を  濁すなまつの      ゆふへ哉  冬 なまつにも   鯉藤   浅黄鹿子や       衣配り 〇とひうを 文鰩魚       飛魚 飛魚や  鰭をつはさ      の   夕かすみ     可蝶子 【文字無し】 【文字無し】 【裏表紙見返し】 【裏表紙】 【本の背】 【本の天或は地】 【本の小口】 【本の天或は地】