誕　　中天竺中迦毘羅國の浄飯王を父とし 　　　摩耶夫人を母とす浄飯王即位三十 生　　年卯月八日寅刻誕生し玉ふ各 釈　　踏し七歩手を以て上下し指之を曰く四 　　　維上下唯我独尊と號て曰薩婆悉達と 迦　　法苑珠林稽古略等に詳なり 出　　太子十九歳二月八日応急を 　　　出壇特山に至り難行苦行十二歳 家　　を経三十歳摩謁陀国菩提場金剛座 釈　　上に於て昭王卅三歳戊寅 　　　十二月八日明星出る時然然 迦　　大悟を示し正覺を成ず 正　　華厳三十七日の説阿含十二年の説方等 　　　般若三十年の説法華八ケ年の説 覺　　涅槃一日一夜の説なり 　　　説 　　　法 　　　院 釈　　碧岩録に云く釈迦老子四十九 　　　年住三三百六十會開談す 迦　　頓教權實是を一代時教と云ふ 　　　八十歳にして 　　　拘尸那城跋提 　　　河のほとり沙羅 　　　雙樹の間に於 涅　　て二月十五日夜 　　　半に涅槃し 槃　　玉ふ周の穆王 　　　三十六水之江壬さる申歳 釈　　に當る 迦　　 上　　　　上品上生者　者慈心不殺愚諸 品　　　　戒行讀誦大乗方等經典 上　　　　三者修行六廻廻向 生　　　　發願生彼國 上　　　　上品中生者不必受持讀誦方 品　　　　等經典善解義趣 中　　　　阿弥陀佛大衆圍 生　　　　逹持紫金臺至行者前 上　　　　上品下生者亦信因果但し發 品　　　　道心生極樂國 下　　　　終阿弥陀佛観音勢 生　　　　至五百化佛讃言法子汝今發生 中　　　　中品上生者受持五戒八戒諸戒 品　　　　不造五逆願生西方 上　　　　阿弥陀佛與諸比丘佛作禮 生　　　　即生極樂世界 中　　　　中品中生者受持諸比丘 品　　　　持蓮華行者前空中 中　　　　有聲髄諸諸佛教故我 生　　　　來迎汝往生彼國 中　　　　中品下生者終遇知識爲其説説 品　　　　阿弥陀佛國土樂事 下　　　　亦説法蔵比丘四十八 生　　　　願聞己屈臂頃即生極樂世界 下　　　　下品上生作悪業命欲終時 品　　　　遇知識爲讃大衆智者 　　　　　復教稱 上　　　　南無阿弥陀佛行者 生　　　　即見化佛生寶池 下　　　　下品中生愉僧自荘嚴終 品　　　　時出現知識念佛火 　　　　　變成風 中　　　　吹諸天華化佛菩薩迎接 生　　　　此人即往生 下　　　　下品下生者五逆人終時知識稱 品　　　　念念徐生死之罪即金蓮華 下　　　　猶如日輪住其人前即得 生　　　　往生極樂世界 妙　　　　諸經要集に曰く御父 　　　　　月上大轉輪聖王御母は 勸　　　　殊勝妙顔 　　　　　　　　又《割書：二｜第｜》波利色弥陀《割書：共｜》 察 知　　　　御名をは名く 　　　　　憍尸迦棄拾の位を 弥陀　　　出家す名く法蔵比丘と 曼　　　　三身の印右掌を顕し左掌を隠す 　　　　　胸に有卍字合す大指と與を無名指 荼　　　　中指を 羅 彌　　　　是れ法報 　　　　　二身の印なり右手合大指と 陀　　　　與を頭指是れ應身の印なり 五　　　　無量壽と云三字は三 　　　　　世諸仏空假中の 劫　　　　三諦なり 思 惟 　　　　　五劫思惟の名号が八と 弥陀　　　萬法藏の根元なり 　　　　　傳へ聞く叡山横川の 　　　　　嶺上に弥陀尊容現はれ 山　　　　玉ふ時僧都僧都 　　　　　これを 越　　　　拜三 　　　　　則素 如　　　　絹の 　　　　　御袖に 来　　　　圖し留め玉へり 　　　　　委しくは横川慧心院に 　　　　　其寫し玉へる會像《割書：并に縁｜起あり｜》 多　　　　法華云乃往過去東 　　　　　方無量千萬億阿僧 寶　　　　衹世界國あり 如 　　　　　名く寶浄と彼中に有佛 来　　　　名て曰ふ多寶と 金　　　　金剛界は従り毘盧遮那仏果の智 　　　　　起り訖金剛は是菩提界者 剛　　　　性なり 界　　　　智券 　　　　　印 大 　　　　　大日經課果寶抄○毘盧遮那仏とは是れ日之 日　　　　別名即ち除暗遍明之義なり 胎　　　　梵には毘盧遮那仏と此には翻す最髙 　　　　　顕廣目蔵如来と 蔵 　　　　　法界 界　　　　定印 大 　　　　　胎蔵本從り衆生の煩悩 日　　　　欲處起以如來智印 　　　　　七佛功德經に云東方去るを此を 　　　　　過て四競伽河の佛土を有世界 善名　　　名て曰く無能勝と 稱吉 祥王 如來 　　　　　佛を號す善名稱吉祥王如來 　　　　　發す八大願を 　　　　　東方過て五競伽沙佛土 　　　　　有世界號す妙寶國と 寶月　　　號す寶月 智嚴 音自 在王 　　　　　智嚴音自在王如來と 　　　　　發す八大願を 　　　　　東方過て六競伽沙の佛土を 　　　　　有世界名にの曰圓滿 金色　　　香積と佛を號す 寶光 妙行 成就王 　　　　　金色寶光妙行成就王 　　　　　如來發す四大願を 　　　　　東方過て七競伽沙の 　　　　　佛土を有世界 　　　　　號す無憂國と 無憂 最勝 吉祥 王　　　　佛を名く無憂 　　　　　最勝吉祥王と 　　　　　如來發す四大願を 　　　　　東方過て八競伽沙の佛土を 法海　　　有世界號す法幢國と 雷音 如來　　　號す法海雷音如 　　　　　來發す四大願を 　　　　　東方過て九競伽沙の佛土を 　　　　　有世界號す善住法海 法海　　　國と佛を名を 勝慧 遊戯 神通 　　　　　法海勝慧遊戯神通 　　　　　如來と發す四大願を 　　　　　東方去るを此過て十競伽 　　　　　沙の佛土を有世界名て 藥師　　　曰淨瑠璃國と 瑠璃 光如 來 　　　　　佛を名く藥師瑠璃光如來と 　　　　　發す十二大十二《割書：已上七佛功｜德經の説｜》 　　　　　兩部曼荼羅私記に曰寶生とは 　　　　　萬寶能生尊福荘嚴佛 寶　　　　也 生 如 來 　　　　　法華第一に云如は過去無 　　　　　量無邊不可思議阿 日月　　　僧祇劫 燈明 佛　　　　爾時有佛號す日月 　　　　　燈明佛乃至世尊と 　　　　　法華定珍云二萬の 　　　　　所表は萬行と法華善 二萬　　　なり又千如を十善 燈明 佛　　　　安けば萬なり是を權 　　　　　實に約して二萬なり 　　　　　空假中の三諦なり 二萬　　　法華には萬燈明佛とあり 燈明 佛　　　　　　　　燈明印 　　　　　菩提心論に云く 　　　　　北方不空成 不空　　　就佛の由成就するに 成就 佛　　　　所作智を名くなり 　　　　　羯摩智と 　　　　　御修法の 　　　　　行に用 一　　　　之を 字 金 輪　　　　智券印 　　　　　菩提心義に云う決に毘 　　　　　盧遮那なり有五翻 　　　　　中に亦佛母と 佛　　　　名くる 　　　　　也 眼 佛 　　　　　故に 母　　　　智又般若佛 　　　　　母は亦是毘盧遮 　　　　　那の異名なるへし 　　　　　大般若別部主也 般　　　　　　 若　　　　　　 菩　　　　　　 薩　　　　般若は大智融通なり 　　　　　名義集に云乾弥訶提 　　　　　此には不休息念念 不　　　　流入を 　　　　　　　 休 　　　　　華曼 息　　　　印 菩　　　　　　　 　　　　　薩婆苦海に初より 薩　　　　無し休息 　　　　　是過去久遠大 　　　　　導師三世諸 　　　　　佛出世の智 文殊　　　母 師利 菩薩　　　十方如來發 　　　　　心薩埵也 　　　　　涅槃經云十方 　　　　　世界有佛 兒　　　　佛國大乗 文 殊　　　　所流演する皆な 　　　　　是文殊の力也 　　　　　徳利周徧を名け普と仁慈恵悟日賢 　　　　　華嚴音賢行願品に云願は我臨て欲する 普　　　　命終時に除く一切の 賢 菩 薩　　　　諸障等を面り見　て佛阿弥陀を 　　　　　即ち得ん往生を安樂國に 　　　　　理趣經抄に曰 　　　　　隋縁主に主に名 兒　　　　普と 普 賢　　　　引入を佛道に名く 　　　　　賢と 　　　　　圓學經疏一に云此云 七　　　　妙首と亦云妙吉祥と 字 文 　　　　　注維摩に秦には言ふ妙徳と 殊　　　　經に曰普て成に佛すて 　　　　　曰龍尊と 　　　　　名義集に云阿未 　　　　　此に云無盡意と 無 盡　　　　法 　　　　　満 意　　　　印 菩　　　　天台云く一切法性の無 　　　　　盡なるを知るがゆえに菩 薩　　　　薩の發心　無盡なり 　　　　　經に曰能滿諸願 　　　　　大悲虚空藏と名 虚 空 藏 菩 　　　　　右手に持劒 薩　　　　左手に持如意寶珠を 　　　　　虚空は是れ大悲利他 　　　　　不なることを表り 福一 滿虚 　　　　　涅槃經に云曰虚空に三 空藏　　　義あり一には無變易二には 　　　　　無邊際三には無窐碍 　　　　　南無一切如來菩提 　　　　　心金剛薩埵等盡 　　　　　虚空遍法界同一 金 剛 薩 埵　　　　體性に　金剛界生し玉へる 　　　　　身の一切諸佛を 　　　　　　　　　　東方四尊 　　　　　南無一切如來菩提 　　　　　心金剛王等盡虚空 　　　　　遍法界同一體性金 金 剛 王　　　　剛界生し玉へる一切諸 　　　　　佛を 　　　　　南無一切如來 　　　　　菩提心金剛愛 　　　　　等〇諸佛を 金 剛 愛　　　　出生義に云於て一切如來菩 　　　　　提無染浄躰に而生し玉ふ金剛愛を 　　　　　南無一切如來 　　　　　菩提心金剛喜 　　　　　等〇諸佛を 金 剛 喜　　　　出生義云於て一切如來の 　　　　　随所稱讀に而生し玉ふ金剛善哉を 　　　　　南無一切如來 　　　　　福德聚金剛寶 　　　　　等の〇諸佛を 金 剛 寶　　　　出生義に云由て一切如來大 　　　　　莊嚴の義に而生し玉ふ金剛寶を 　　　　　南無一切如來 　　　　　福德聚金剛光 　　　　　等の〇諸佛を 金 剛 光　　　　出生義に云由て一切如來大 　　　　　威輝の義に而生し玉ふ金剛日を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　福德聚金剛幢を 　　　　　等の〇諸佛を 金 剛 幢　　　　出生義に云由て一切如來大 　　　　　滿願義に而生し玉ふ金剛幢を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　福德聚金剛 　　　　　咲等の〇諸佛を 金 剛 咲　　　　出生義に云由て一切如來大 　　　　　歡樂義に而生し玉ふ金剛咲を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　智慧門金剛法 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 法　　　　出生義云就て一切如來自 　　　　　在無染の智に而生し玉ふなり金剛法を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　智慧門金剛利 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 利　　　　出生義云就て一切如 　　　　　來永斷氣智を而生金剛因を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　智慧門金剛因 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 因　　　　出生義云就て一切如 　　　　　來の大法輪の智に而生し玉ふなり金剛因を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　智慧門金剛語 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 語　　　　出生義云就て一切如來の離 　　　　　言説戯論の智に而も生玉ふ金剛密語を 　　　　　　　 　　　　　南無一切如來 　　　　　大精進金剛業 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 業　　　　出生義に云自り一切如來善 　　　　　巧工藝の門而も生玉へり金剛業を焉 　　　　　南無一切如來大 　　　　　大精進金剛護 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 護　　　　出生義に云自り一切如來大 　　　　　慈鎧冑の門而生玉へり金剛護を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　大精進金剛牙 　　　　　等の〇一切諸佛を 金 剛 牙　　　　出生義に云自り一切如來の 　　　　　無畏調伏門而生玉へり金剛牙を焉 　　　　　南無一切如來 　　　　　大精進金剛拳 　　　　　等の〇一切諸佛 金 剛 拳　　　　出生義に云自り一切如來の 　　　　　住持成就門而も生し玉へり金剛拳を焉 　　　　　梵に阿縛盧枳多伊濕初伐羅 觀　　　　唐には観自在と翻す文句 　　　　　婆婁低　往生要集に 世　　　　弥陀 音 菩 　　　　　正法滅して後観世音成し等 菩　　　　正學号せし普光功徳山王如來と 　　　　　梵に阿迦雲と云此菩薩悲　 藥　　　　術を以て一切衆生の諸業の病苦 　　　　　をぬき樂をあたへ玉ふに自在なる 王　　　　故に藥王と名乗り玉へり 菩 薩　　　　又焼身して佛に供養す燃る事 　　　　　千二百年經るども不滅《割書：大論十六｜に見ゆ｜》 　　　　　梵に魔訶那鉢譯して大勢至と云首 大　　　　楞嚴經に我本因地以念佛心を入無生忍今 　　　　　於て此界に攝そ念佛人を歸す於浄土に 勢 至 菩 薩　　　　維摩に得大勢至と云ふ 　　　　　過去瑠璃光照佛時日藏と云比丘あ 藥　　　　り星宿光と云ふ長者説法に聴聞 　　　　　　　　する訶黎勒所雜藥を奉 上　　　　　　　上す故藥王なる弟あり 菩 薩　　　　電光明と云ふ其醍醐上妙 　　　　　藥供養す名て藥上と云ふ