【タイトル】大阪下り        なまづの         かるわざ  安政二卯年十月二日 江戸にて興行 【上段】 「この大かをは どろの なかにてそだち くに〴〵 の ぬまを しゆぎやう つかまつり 下ふさのくに いんばぬまを よんどころ なくおいだされ それより 信しう ぜんくわうじにて はじめて かるわざいたし なを又 京大阪へのほり 大ひやうばんに あづかり みやうがしごく ありがたく ぞんじ どなたの おすゝめは ござりませんが こんど 御とうちへくだり 大ゆりのげい たう いへからいへの がんどうがへし みなさまがたの おめのさめます やう ごらんに入ます まづさいしよは ぢひゞきに とりかゝります            ▲ 【下段】 ▲「さて〳〵〳〵〳〵 このたびの じしん さわぎで ゆりちらし 二かいや とざう ながや だてかはらを おとしてふるふ ところが ぐら〳〵〳〵〳〵 これをば なつけて どこからどこまではい ます ところが大のじ〳〵 「さて〳〵〳〵〳〵そこでひがでゝ ほや〳〵 やけるホイ〳〵〳〵〳〵いへに かいます まる たんぼのきの□じにて しつかとゆはへ やねは こなたへ かへらぬやふに のきからのきへ ずらりと ならぶ これをなづけて のだのさかりぶじしや それ〳〵あんまは あぶない〳〵くらはさゆふへ ぐらりとかえる なかにひらやがちよぽんと のこる だるま大しの ざぜんのかたち サアこれからが みなさんの ほねおりだ みな どつとはたらけ〳〵 東京大学図書之印 0011841699