【枠外】 慶應四辰正月人のうわさ 【上段】 此度諸ゝの出火におどろき住所離散の人ゝ 其こんさついわんかたなし夫故遠近の親るい ゑんじや其人ゝの心をあんどなんしめんが為に 此図を出していさゝかたより共ならんかト見読に備 天下泰平 国家安穂 御代万歳 目出度   〳〵 薩州様 御陣営 長州様 御陣営 大阪 御城 正月九日   卯の刻 御城筋がね御門ノ内 火の手上ル 次に京ばし 御門内夫より 玉造御門 外小家夫より 火の手三ツに成 追手御門の内  火の手二つになり   十日辰の刻    ゑんしよぐらやける 正月三日夜七ツ時 大阪とさぼり 薩州様御くら   やしき辺出火 同十日夜五ツ時  天満与力町    出火 【下段 中央】    伏見大火之次第 辰正月三日夜四ツ時いたばしより出火 薩州様御やしき辺夫より肥後様御やしき辺 京ばし北づめはま通り西壱丁ばかり御堂前東 新町迄御奉行所夫よりぶんごばし迄やける《割書:▲家かず|凡八百けん余》    鳥羽かい道 同五日辰ノ刻ど【ママ】ばおせきもちやより南ふたくちやより南へ二丁計り よこおぢより淀迄淀ノ城下やける小ばし切落未ノ刻火鎮り申候                 ▲家かず凡二百八十けん余 【下段 左端 堺の町の地図の下部】 むかし神明ノ町 大火といへども 此度の大火は さかいはしまつての    大火なり 辰正月七日 夜八ツ時にしきの町より 出火あやの町大道 西は中はままで  東はのうにん町まで   やけぬける