【この資料は重複していてすでに翻刻済】 さ大じん殿の御子にきんたち二人おはします 一人はひめきみ世にすくれておはしましけれ はうちへ参らせんとおほしめしけりいてたゝせ 給ふところににはかにかせの心ち出きさせ給ふ さとにていのらんよりとてきよみつにそ御こ もりありけるさて二三日にもなりけれはおほ つかなくおほしめして御あにの中将殿をきよ みつへやりまいらせ給ひけるもみちようのかり きぬにこむらさきのさしぬき御けしやうあ てやかにあらはしてぜんくさふらひめしくして きよみつのさいもんへいらせたまひけれはまいり けかうの人々めをおとろかしてみたてまつりける さるほとに女御の御かせの心ちおほつかなけれは とくとくいそくへきよしさふらひともにおほせ けれはおのおのいそきのほるほとにきよみつの たうのへんをさざめきてのほる ところに にはかに そら かきくもりはしたなふ しくれ ふりけり