【見出し】 《割書:安政二年|十月二日》地震出火後日角力 【番付表上段】 ●大まうけの方 大関 ざいもく 材木問屋 関脇 存命   諸方仮宅 小結 あら物   笘縄菰筵 前頭 どかた   土方請負 同  御救   貧家潤沢 同  延金   証文寄月 同  かりだて 板葺平屋 同  名ぐら  骨継療治 同  つぶし  古銅古鉄 同  つみ手  運送通船 同  めんるゐ 古着綿類 同  手がる  立場居酒 同  ふる木  湯屋焚木 差添 大儲   家作職人 【番付表下段】 ▲大おあいだの方 大関 しばゐ  三町休座 関脇 焼死   花街煙中 小結 小間物  鼈甲蒔画 前頭 ぜひたく 贅沢諸品 同  施し   持丸長者 同  官金   日為高利 同  ほんだて 本建造作 同  御無用  御免勧化 同  上品   象眼銀錺 同  ふね   家根猪牙 同  にしき  京機織物 同  本しき  会席料理 同  こつぱ  唐木細工 勧進元 大休  遊芸諸流 【番付表の下】 【見出し】 打身骨継療治所 【「六ちそうの内」の前後】 乁わたしどものなかまは ふだんでさへむじんのまじなひ だのなんのといふて宝珠をかくやら はなを そぐやら ひど いめに あはせ るのに こんだの ぢしんは一トおもひに たゝきおとされ六人 いつしよにふつかりあひ てんでにけがをいたしました わたしらが仲間は三べんづゝなでられても 六人だから十八へんなでなけりやアはらは たゝねへけれど こんどは一ぺんで はらがたちます? 【「ぬれほとけ」の上】 乁くわんおん せいしと ならんで ゐても一人リは けがもいたしませんにわたしばかり ひつくりかへりぼんぶの目には さぞいくぢのない やうに思ひませう ねへ 【「五重の塔」の上】 乁とうで ごぜんすト すましてゐる所を たしぬけにゆりたをすとは ぢしんもあんまりむごいやつだ こつちもめんと むかつてくりやア 一ぶでも あとへはひかねへ つもりだがたしぬけ ゆゑ九りんがまかつたのだ 【「五重の塔」の左】 乁おれがおとうとは谷中の 天王寺アリヤアぽつきりおれたから まがつたよりやアよつほど見いゝ おまけにせいのたかいので見たふもねへのサ 【骨接ぎ師?の右】 乁ぜんてへおまへがたはそれ〴〵のしよくにんの所へ いきなすつたらよかつたらうに かみなり乁そうサ 大こやくもはふしやへゆりやしたわしやア よしに しやした かはゝ 大きらい でごぜへ やす 【「五重の塔」の下】 乁イテ〳〵これさ しづかにもんで くだせへおめへ むすこがある ならむすこにたのまうこんどは じしんにこんな めにあつたから おやしやア きみか わりい