【右ページ上段】 乁ヤイこのなまつめ てまへおれが内へこられたぎり か いけしぶといやつだ なまづ乁モシだんなそんなにおこる 【こ脱カ】とはない お内ばかりではなし 諸方さまいつとうのことで 乁ナンダ〳〵せけんいつとうは てま へがいはずとしれているは 先 此さはぎで 地代はとれず 長屋(ながや)のかさくは みなつぶれるし て まへを見つけたがさいわい かしまへ うつたへなければならねへぞ なまづ 乁このせつ おゝそれなからも かしま はいづものやしろへ行たあとだ ばか〳〵しいまゝにするがいゝ 乁そんなていへいらくをつき おつてマアなにしに こゝへうせたのだ なまづ 乁へい地下(くに)へかへるわらし【▲に続く】 ▲せん【草鞋銭】を おかり申にま いりました 乁このうへに 金をかせとは 乁 地震(ぢしん) たから ゆすりにきた 【右ページ下段】 乁この大なまづめ いてめいのおかげでしやうばい あがつたりだ いつもおれの内はけいしやしう【芸者衆?】の みくみ【三組?】やよくみ【四組?】はいるに このさわぎで客(きやく) 人はなし そのうへさらこばちはこわすし ゆるてひくてじやア大きな出入だ 女乁ヲヤ〳〵 にくらしいのらくらなまづだ ねへ こいつのおかげでごしうぎ はもらはれず それに夜るは こはくつて内には ねられず ばか〳〵 しい 乁ヤイ〳〵 てまへのよふな大なまづ をれうり【料理】したことがない からとむねをついてしまつた ひととふりのほうちやうては いけまへ鹿島(かしま)へかりにゆかずはなるめへ なまづ乁こいつは たまらぬこの世なをし しらねいのか さて〳〵女子と せうじん【小人】はやしなひがたしだ 女乁なんだゑ しやうじん【精進】 ものはおあつらい【お誂い】でなければできないよ 【左ページ上段】 乁コ?其方はそれかしるすちう【留守中】を見こみかくのことく いんほう【陰謀?】をはたらきしたん【働きし段】ふとゝきしこく【不届き至極】なり まつ 日本のくににてかよふのことあつては天照太神へ それかしか【某が】 申わけかない 乁この たひのいちしやうにつ き なにとも申わけなく おそれいり候 まつたく かんたん【寒暖?】のじこう【時候?】ちかいゆへ いかなることゝそんし かしら をうこかすやいな江戸中の はそんと相なり かくの仕合 なにとそこれんみん【御憐憫?】をたれ御 かんへん【勘弁】のほとひとへにねかひ上 たてまつり候このゝち右よふのことはなをさら ここく【五穀】のみのり町々はん ゑい【繁栄】をきつと相まもり申候かへす〳〵も 御きゝすみ被下候はゝ ありかたくそんしたてまつり 候 申のへけれは鹿しまさま御きゝすみあつて ふたゝひ 地しんのうれいなきよふにしめし給ふこそありかたき次第なり 【左ページ下段】 なまつさん おまへのおかけてこのせつはかねもふけ がたくさんで れいのしよふがない  乁ソヲ〳〵おれた はおもしろいほとかねかもふかるから なんても たんとごちそうしなけれはならねへせ なまつ乁そんなにれいをいふことはない こんとの いつけんてはうらまれるところかたんとて ならねへぜ 乁なにもうらむものはいたら ねへといふものだ 乁そふよ〳〵おれたちに かねをもたせてもためるといふことはなし みんなのんたりかりたくへても出かけるから ほんのせかいのゆうすうといふものた ち きに【直に】まはつて出てしまう 乁ソウヨ いくらかねをにきつたところか ためるといふことはてきなへ 乁かねのはんにん【番人?】をしてもいつせう【一緒?】た おもいれつかふほうかましさ しかし このころはかたまつた【固まった?】のかとれる【取れる?】からありかたい なまつ乁かたまつたのかとれるはつ【筈?】た 乁それ又なせに 乁震(ふるつ)たあとたから