由来記(ゆらいき) ▲そも〳〵これになんじうし たてまつるはやねのかはらの どぞうぼさつのそんぞう なりぢこくのひあはきに しゆつげんまし〳〵右のおん てにはかぎのしやくじやうを たづさへひだるいのおんてには にぎりめしをつかみ たまひゑんまのこどかたの こがどだいのしきいしを 一ちうつんではしちのため 二ぢうつんでははらのためと ひようのかせぎをあはれみたまひ くうでんのこんりうあつてせじやう さいどのためにあらはれたもふ ところなりこんきうのおかたは ひどふゆつてこやへはいられませう ▲そも〳〵これにはんぜうしたてまつるは さくわんむにによらいのめんぞうなり そのおんゆらひをたつねたて まつるにむかしすつてん てんぢくなるはだかこくにて 十月二日の夜おんは手間 ぶにんのおんはらひより はんぜうましますとき 天じやうてんがぬりがたくさんと おんこへをはつしたまひあまちやに あらですいだうのみづをうぶ ゆにあびおんみのうちよりきん ぎんのひかりをはなしふところ アタてるにましますゆへついにぼん のうきやうをときたもふておだ ぶつのずいさうをあらはし なまけどうじをしりむまの 口をとらせゆふぢよぼさつに きめやりしよりだんとくせんにあら ずしてだん〳〵しやくせんのふちにはまり なんぎやうくぎやうのおんくるしみその とうつもりやうくてぶりあみがさ とじやうぶつまし〳〵いままで たまひたるてまちんは百日の せつほりへ一つをなしたまひたる そんもうなりふしんじんの てませんはじかふによつてよけひ    はらはれませう 【中段 立て札】 開帳  左官無二如来 《割書:家根|之瓦》土蔵菩薩 右十月二日夜より普請中 毎朝手間銭を■しむる者也   □【執?】■職人 【図像 右 地蔵菩薩こと 土蔵菩薩  】                    《割書:家根の|かわら》         土蔵ぼさつ 【図像 左 釈迦牟尼こと 左官無二如來】        《割書:左官|無二》         如来