さん婦げんき  石山人 著全 天明六年午年印行  さん婦げんき 全五丁       石山人作 【左頁上段】 ねん〳〵さい〳〵相か■■す八百よろつの 神〳〵たち九月丗日にほつそくして いつもの大やしろへ神あつめに あつまり給ひ神はかり にはかり給ふはゑんむす ひの事にして しれし御事 なり扨かみ〳〵 たちもいまは 御■んやく にてめい〳〵に さかきのかみを もちきたり  ゑんむすひの  かみに  もちい    給ふ  おはなは半七   おしゆんは     伝兵へと    むすぶか     よろしふ 【左頁中段】 こより寄ふと やくそく  あれは 【左頁下段】 天神さまは てがよいと いつてか や  し給ふ 【右頁上段】 あるか中に■■■おは■はことし四十 九になりけるか三庄大夫といふひけお やちか所へゑんをむすひつけ給へは 吉日をゑらみゆひのふかすむと ぢきによめ入のしたく 三庄大夫はかくしや くとしていつ かなわかいもの はそつちの けてはな むこのきとり になつてくろ あふらをつけて しらかをかくしせい たいをぬつてはけあたま をかくすとはほんにあきれはてると 女とものひやうばん けふこんれのさかつき事かすみ七つ めのさとひらき■おめてたい事か かさなつてはやその つきとりおなかゝほ てれんとなり茶の みともたちのなかま はずれとうき なたちいま 時のちいさま とと袋にゆ たんかならぬと はいつのむかしの たとへやらほんに おどけはらわた事たと 村や庄やとが大そい ■めてたいはし  とそなりに■■ 【右頁下段】 四かいなみしつか       にて 【左頁上段】 三庄太夫かはなよめくわいたい して初の月はふどう そんの御うけとり なり子を こし らへ給ふ事そのかたち しやくぜうのことしとは どうかうそらしい よふなれとそこか 神仏のほうべん にて不動そんこんから せいたかをあいこにして しやくしやうのかたちを こしらへ給ふ花火はおてまへ ものなれはふいこやすみの おせわもなくおあつらへの とをり丗日迄きつとてき 上りますなんとそこか     きめうてうらいの        ばなり        もちつとしんぼうしろ        御しるかできると          おめしに             するわ 【左頁下段】 ならしの 音がこんから〳〵と いふぜちつとこんからかわらねへか おらアさつきつから うてか おれる やふだ 【右頁上段】 扨二月めはしやか 如来の御うけ とりにてふどう尊 しやくぜうをこし らへあけとゝこほり なくしやか如来へわた しにき給ふ はあ  いかい事   なくきな     もちを      しよつ        てる しやくぜうはとかくまちかい たかりますからよくあら ためてつかはされ このぢうもとなり のほういんか とんだものと とりちかへ   まして  大わらいを   いたし    ました 【右頁下段】 大きくなつても たつしやなやふ にとちかねにすい ぶんきんみいた しました    御    うけ    とり    くた    さゑ 【左項上段】 三月めはもんしゆほさつの御うけとり なれと外のほとけたちとはちかい かくへつのちへしやにててまへ  こしらへるといふやふな へんちきな事てなく 中条流の月水なかし の所へ来り三月めて なかれる所をかねを出し てうけたまへはちつとも ほねおらすにさんこの かたちをてに入給ふ 元利ともに■五  十五匁で  こさります 【右頁上段】 五月めはちそうほさ つの御うけとりな■と くつとてかるくおもひつい て壱升はかりのこめの粉 をゆにててつちこともの形 をこしらへ給ひこりんこたいを そなへけりしよてほねを折て しやくせうにこしらへたふとう そんの事なとはくつとさけすんて いたまいさててつはらいをは ほまちにしてやり給ふ 【右頁下段】 これからみれはおれかはく しろのこんりうはらちの    あかねへ事たそ 【左頁上段】 扨六月みろくほさつ 七月めやくし如来 としゆ■にうけ とり 給へとい■た 女をわかたす やくし 如  来は あとし  さ     そう    そくの ためとおほしや       し ちんぼうをつまみ 出し給ふ たん〳〵たいないのこほと けたちのおほね折にて てきあかりけれどちゝか なくてはそたちかたしと そこはきしぼしんの御やく めに□□□ぐしま町の はくそつかうをすりつぶし ちゝをこしらへ給ふ みかけはこわらしいかほな■ とすんといたいけな人とみへ            たり 【左頁下段】 このやふにきお つけてもし まいには とりあけ は■■に おちをとら れかやつさ これさい〳〵 ちんほう  く■から 【右頁】 はや九 月めに なりけれ はせい し ほ  さつ の御■ けとり にしてりん月もちかよること なれとまたひとり   ならねはせんまいからくりの しかけにこしらへこかへりのあん はいをみ給ふ    かさり置ましたる人形ことんば    にしたかいましてそりかへります    やふにこさいとゝんカラ〳〵〳〵    ■ういふあんはいにいけはあんさんの    お守りはいらねへいよ竹田とこすへで    ほめるもてへふいゝ■ 【左頁上段】 とつきになれはあみだはりん月に なつたり〳〵とてをうちたまたまいほ どなくびやうぶのうちにてなんし 出生おめでてへんじやァごさりや せんかとの大悦さどうりてけし 蔵かびやうぶをたてまはして さゝのはをどじやうにしやす こんなにてづながじやうずなら おく山へでもでなさればいゝよ このこをとる なら子を とりあける もんだ なんの事だ こぞうか しりにあざか あるからはやくめくりを のまうといふだろう 【左頁下段】 おぎやァ かれ そんな ち とりあけ にもちまい のは  どうた 神仏のおかけにて十月か 間なに事もなくやす〳〵との 安産さん婦 もけんきよく 日たちけれは 神〳〵たちこ いつはいつはい のめるとおほし めしの外とこ のしうきにたつた 十二 文 かおみ きほとけたちへは かなわんへいつはいの もりきりをふるまい けれはとつこいもたりす 神仏を たち出しあいにし給ひ七 やのしうきをわつたりと いわひ給ふそれでもおはらの たつ事なくすへはんせうと ぞまもり給ふ御めくみのほと こそありかふはとはいふものゝよく〳〵のせんせうかわきなり 物申上■■礼改     石山人