【画面右上】 三十八ばん 【右丁】 左の歌の心はわすらるゝわが 身のことはぜひもなしなげきて も打すぎよかし命をかけ てちかひ事をたてながら我を かくわすれたらば神のちかひ ゆゑに命たゆべしわか身より それがいとをしと男の我をわすれ しことをばうらみずしてなほ其人 を思ふ心尤【もっとも】あわれふかし恋の歌の本 意也と三光院殿【三条西実枝】もおほせられし也 【左丁】   右近(うこん) わすら   るゝ  身をば おもは   ず ちかひてし 人の命(いのち)の  をしくも あるかな 【画面右下】 ㊞佐野喜 【画面左下】 一陽斎   豊国【國】画