夕きり まめ人の名をとりてさかしかり給ふ大将この 一條の宮の御ありさまをなをあらまほしと心に とゝめておほかたの人めにはむかしをわすれぬよう いにみせつゝいとねんころにとふらひきこえ給ふし たの心にはかくてはやむましくなむ月日にそへて おもひまさり給ひけるみやす所もあはれにありか たき御心の【ミセケチ】はへにもあるかなといまはいよ〳〵もの さひしき御つれ〳〵をたえすをとつれ給になく さめ給事ともおほかりはしめよりけさうひてもき こえ給はさりしにひきかへしけさうはみなまめ【。の右】かんもま はゆしたゝふかき心さしをみえたてまつりうちとけ 給おりもあらしはやとおもひつゝさるへき事につけ ても宮の御/う(きイ)はひありさまを見たまふ身つから なときこえ給事はさらになしいかならむついて におもふことをもまほにきこえしらせてひて人の御け はひをみむとおほしわたる宮す所ものゝけにいた うわつらひ給てをのといふわたりに山さとも【「ち」の脱落か】たまへ るにわたり給へりはやうより御いのりの師に てものゝけなとはらひすてけるりし【=律師】山こもりし て里にいてしとちかひたるをふもとちかくさうし