豆(づ)州(しう)熱(あた)海(ミ)温(おん)泉(せん)之儀は海(かい)中(ちう)にわき出(いで) はまかたりやうしなんぎ仕候處(ところ)弘(こう)法(ぼう)大(だい)師(し) 御作(さく)ひかね地(ぢ)蔵(ぞう)ぼさつれいげんにて 一夜(や)のうちに岡(おか)なるがんくつのあいたより 昼(ちう)夜(や)六度(たび)わきいだしあじわひしほゆ にて硫(い)黄(わう)の氣(き)いさゝかもこれなく 天(てん)平(へい)勝(しやう)宝(ほう)年(ねん)中(ぢう)よりひらきはじめ 凢(およそ)一千有(ゆう)余(よ)年(ねん)の久(ひさ)しきをへて本(ほん)朝(ちやう) 三温(おん)泉(せん)のその一なりまんびやうによし いさゝかもさわりなく 上〻様方(かた)も御入(にう)湯(とう)御願之儀ハあたミニ かきり候事あまねく御ぞんじ之 御事ニ御座候御大(たい)醫(い)之御方様年(とし) 久しきぢびやうと相なりやくりよく とゞきかね候御方(かた)も日〻私(わたくし)宅(たく)え御かよひ 御入湯あそバされ又(また)は樽(たる)にて御取(とり)よせ 御とうじなされ候事日〻御入湯之 御方様之御存【「知」が脱か】之御事ニ御座候    効(こう)能(のう) 一せんき   一せんしやく 一かつけ   一じひつ 一しやく   一つかへ 一ちう風   一りんひつ 一たむし   一なまづ 一こひつ   一うちみ 其(その)外(ほか)ひへしやう之御方様内(うち)をあたゝめ 氣(き)けつをめぐらしりういんを 下ししよくをすゝめ夜ぶん ちやうずに御かよひなされ候事無御座(ござなく) 御婦(ふ)人(じん)様方(かた)どのやうなるひへしやうの 御方ニ而もうちをあたゝめめぐりをよくし 月(ハつ)水(すい)とゞこをりなくくハいにんうたゞひ なし日〻御にうとうなされ候得は 寒(かん)暑(しよ)のうれいなくはやりやまひ 請(うく)ること一切(せつ)御ざなく候御入とうの上 よく〳〵御ためし可被下候 一御府(ふ)内(ない)におゐて熱(あた)海(ミ)出(で)ばり 温泉と申は宿(やど)より外ニ御ざなく候處 近(きん)来(らい)まぎらハしき湯(ゆ)ニてあたミと 申諸〻に御座候よしほゞ相聞(きこ)え候間 此(この)度(たび)相あらため引(ひき)札(ふだ)仕候  豆(づ)州(しう)熱(あた)海(ミ)温(おん)泉(せん)出(で)張(ばり)   江戸四日市河岸通     熱海菴         櫻井甚五郎 右温泉壱度入    三十二文 同  一日入    百五十文 同  一廻り    七匁五分 同  札(ふだ)三拾枚(まい)ニ付 金弐朱 樽(たる)賣(うり) 壱樽ニ付正(しやう)味(ミ)五匁