【右丁】 有馬山(ありまやま)  ゐなの さゝはら   風吹(かぜふけ)ば いでそよ    人を わすれ やはする 大弐三位 【左丁】    五十八番 右の心はありま山はゐなのさゝはらを いはん為のまくらことばにて皆津のくに の名所なりちぎりける男のしのびける ころいまだわれをわすれずやなどいひけれ ばたとへ御身はつれなくなれるともそれに ならひてはやく人をわするゝやうなるふじつ なるものにてはなしとこたへし歌也 この人はむら さきしきぶ のむすめ なり 【画面右下】 一陽斎   豊国【國】画参