【表紙】 【丸ラベル】 JAPONAIS 331 【文字なし】 【白紙文字なし】 【白紙文字無し】 【手書き左から右へ】 1079【抹消】331 R.B.1843【以上一括り】3292 【白紙文字無し】 【上部貼紙】 鶯邨画譜 Woson 【多分「鶯邨」】kwabu【多分「画譜」】 103.gr.8vo【voに二重下線】 Gemalde【「絵」の意あるらしい】 des mabrs Woson. Copien en xylographischen 【木版刷り】Tarbendruck 【以上ドイツ語?】 【最終行は署名と思われるが読めず】 抱一上人画譜 満象即吾師    屑麦書房蔵【落款 大方ゑかく人くれ竹の世々に其名きこえたる上手 共いと多かる中にも百とせばかりむかし光琳法橋と きこえしは倭もろこしのおかしき所々をとり並べこと そぎたる中に力を入てみやびかなるおもむきをしも むねと書あらはし筒其比此道にならぶ人はたな かりけりこゝに等覚院抱一君は弓を袋にをさ めて画に世をのがれたまひかの法橋のあとを したひてかき出たまへるが山のたゝずまい水 のこゝろばへはいふもさらなり鳥毛物【獣】はふむし などはさながらたましいひ有てうごき出ぬべき 心ちなんせられけるとりたてゝこのみ給ふ事 あらたまのとし月つもらざりせばいかでかくは物 し給ふべきされば彼法橋もなか〳〵に及びかた かめりとさへ見侍るは藍を出しあゐの藍より 青してふためしならむかしあまりあやしき まで見めでつゝたゝもえあらでいさゝかゝき しるし侍る也あなめでた〳〵    文化十三年    賀茂季鷹        九月 此一帖は抱一上人ねんはふいとま ことに画なし給へるものにして いたり深くやことなきすちはけに たとふへきかたなしかし上人早う より世の塵を厭ひておくまり たる山蔭に庵しめてひた すら水草のきよきを慰めにて かき籠り給へるをあたらしき ことにおもひてこゝろよせ きこゆる人はあなかちにまいり とむらひておのかしゝの心やりに とてかき捨たまへる凧絵なと こひ聞ゆるもあまたありぬへし もとよりためしなき上手にて おはすうへにからくにのふるき おきてをあなくり我国のみや ひたる跡をとめてひろくまね ひふかく習ひとり給へれは なほさりの墨かきたに世の人 とはいとことなりそも〳〵三乗 の法【注】をときて聖人の御果を 絵かき給ふとはかしこの伝にも ありとか法の師にして画をしも すきたまへるさるいはれあること になんおのれ此本をうち ひらき見より上人のらう しねんに走しらす筆にかよ ひてかくに気韻は高かりける とかた〳〵尊きことにおほえて 世のをときゝの【評判の】やさしきも忘れ 【注 三乗の法=衆生を乗せて悟りの世界へ運ぶ三種の教法】で て此はしつかたをふとけか しつさるは感するこゝろの 深きよりと人も又みゆるしなんや 丙子重陽の後三日蓙堂蒙義           しいるす        【落款二つ】 煙霞 供養     鶯邨【瓢箪型の落款】