地震(ぢしん)雷(かみなり)過事(くわじ)親父(おやぢ) ■火の印 ●かみなり ▲なまづの印之 ■「ナント雷(かみなり)さんおめへは久(ひさ)しく音(おと)がしねへぜへよくおと なしくしているぜ●「ナアニ私(わつち)もしかたなしさ「ナゼ ●「ソレ四年いぜん八月四日に大ふざけをしてツイ おつこちやした其時たいこは打折(ぶちおつ)てしまふ其上 こしぼねを強(ひどく)打(ぶつ)て天竺(てんぢく)へ返(かへ)る こともできず今に 迷(まてつい)ているから 天竺(てんぢく)浪人(ろうにん)だ なまづさん おめへは時〻(とき〳〵) やけになるが 此間なざアユサ〳〵ドロ〳〵と 直(すぐ)に四方(しほう)が花盛(はなざかり)だアリヤどふいふもんだ ▲「ナアニ私(わつち)は水の中のもので火はしらねへハナ ●「そんならアノ大ふざけはどふいふもんだねへ 大やけに成たもとはおめへから起(おこつ)たことだせ ▲「アリヤ春(はる)夏(なつ)の季(き)に曲(くるひ)が有て陰陽(いんやう)の気(き)が 和順(わじゆん)せずソレ私(わつち)が世界(せけん)で面白(おもしろ)く成からツイ曲(くる)ひ 出す所が少(ちつと)で済(すむ)時(とき)もあり又大ふざけをやる時も 有ていソコはきまりなしさ ■「そんなら四季(しき)の気違(きちがへ)から □□□所だかららんしんにでも成てなかまぢうがおどり □□□□なぞをするのかへ ▲「サアそこは自身(じしん)に考(かんがへ)ても分(わから)らねへ おや ぢか いふ 「こいつらハわるくふざけるやつらた どんなことをするかしれねへから 回禄《割書:火の|神也》加茂大明神《割書:かミ |なり》鹿島 《割書:地を|守る神》此御神に願ツてかミじハりに してもらハざア いく めへ