百人一首絵抄 三十五 此心は夏の夜のみじかくて物とりあへ ず程なくなることをよめりまだよひ なりと思ふまにはや夜のあけぬれば いまだ入給ふまじ中ぞらにのこりて あらん見るにそれさへみへねばつきは いづかたにおはすらんといふ心也なつの夜 のみじかきはつねなれど月をながむる おりからはわけてみじかくおほゆるはづ なり 清原深養父 夏の夜は まだ宵 なから 明ぬるを 雲のいづこに 月やとる らむ