【右丁】   しる    かは  ものと    久(ひさ)しき いかに   明(あく)るまは ぬる夜(よ)の  ひとり なげきつゝ   右大将道綱母(うだいせうみちつなのはゝ) 【左丁】     五十三番 右の心は詞書に入道摂政まかりたりける に門をおそく明ければ立わづらひぬといひ 入て侍りければよみて 出しけると云々なげき つゝと云五もじ甚深【はなはだふかし】の 詞也門を明るまをさへ 待わびて立わづらふと 侍るがましてやまち わびてなげきつゝひとり ねて夜をあかすまは いかばかり久しき物とか おぼしめすぞと也 【画面右下】 香蝶楼【樓】  豊国【國】画