【袋】 【表題】 つむじ風 【右上囲み部分】 町々(まちまち)焼(しやう) 失(しつ)場(ば) 所(しょ)附(づけ) 呉服橋(ごふくばし)外桶町(そとをけちやう)河岸(がし)飆(つむじかせ)之(の)図(つ)  安政五戊午年十一月十五日   下谷(したや)ねりべい小路(かうじ)より出(しゆつ)火して右に記す所の 町々(まち〳〵)尽(こと〴〵)く類焼(るいしやう)す殊(こと)に火中につむじ風あり 桶町(おけちゃう)河岸(がし)において大に巻(まく)こと三度(さんど)是(これ)が為(ため)に火(ひ)ひろがり   人なやむこと大かたならず実(じつ)に恐(おそ)るべきの甚(はなはだ)しきもの也    よつて今(いま)図(づ)ぐわしてもて後来(こうらい)の心得(こヽろえ)と為(なす)ことしかり