葉唄合寝〆の色糸 中 は  うた    合   寝じめの    色いと      中の巻 〽内にいてもてめへの  ことをおもひだす  だひにむしやう  につゝぱりかへツ  てふだんはとんだ   やつけいものよ 〽そのやつかいものが  あるばつかりでわたしや            ア  もう〳〵どんなに  くらうするか   しれねへよ 身ひとつをおき どころなきむねの内 ひとへのこゝろやゑにとき ゆびきりかみきりむりな きしやうも神〳〵さんへはおせは をかけて烏羽玉の恋のやみ ぢじやないかいな ものゝふのやたきアにはやる ときむねもさすが恋路は すてかねて花にこてうの 夢の間もわすれぬかたき のあだまくらあふて うらみをはらそ ぞへ 〽あれさ  いぢらずと  はやく入れな       まし  エゝモウ    ばからしい入(いれ)ねへ  うちから    いきんすかな 〽てめへはまだ  新造(しんぞう)だけひたい  ぐちに少々(しやう〳〵)   花(はな)は人ざかりときているから  どうもたまらなく    気(き)がわりい         わさ 鈴虫のわが身思ふやし のびねの枕ならへて松風 の月もさすかに秋の 色はづかしなからし のびあひひぢを枕に かりのこゑ 梅が香をとめてかほりの ぬしゆかし顔も紅梅 うぐひすのいつか音色を たのしみにはつこへそつ とまどのうちいきな 世界じやないかいな 〽かうしつくりとはいつ  たところを小袖(こそで)のすそ  やふたぬので  つゝめど色香(いろくわ)梅川(うめがわ)  の川風(かわかぜ)さつとふき  まくりうまい所(ところ)が  見(み)へたらばさぞ  ひとが気(き)をわる  がるであらふ 〽どうでもよいから  もつとさつさと  ついておもいれ  気(き)をやら  せて  おくれ  アウレ  いゝよ〳〵  フウ〳〵〳〵〳〵 【右側上部】 〽おめへとかう  いふわけになつ  てから内のひとゝ  ねてもうはのそらよ  ほんにおめへとすると  きをやるにも心(しん)からそこから  いつせつやる気(き)になるはな 【右下部】 〽あり  がてへ  どうり  でおめへの  いんすい     が  への  この  あた  まへ  しみ  こむ  よう  だ 【右側上部】 わしが思(おも)ひは三 国(ごく)一の ふじのみやまのしらゆき つもりやするともとけはせぬ 浮名(うきな)たつかや立(たつ)かやうき名(な) いまはうきなのたつのもうれし人の 心(こゝろ)はあいゑんきゑんいつせつから だもやる気(き)になつたわいな 【左側】 いろの名(な)をいわぬ〳〵と山 吹(ぶき)のなびくといふを恋(こい)の癖(くせ) 水(みづ)にながすはこちや気(き)にかゝ りなにを蛙(かわづ)のぐと〴〵とほんにおな ごといふものはやるせないもので  ござんすわいな 〽なを水(みづ)かはんなま  ぶきの穴(あな)の露(つゆ)そう  いでの玉川では       ねへ  井手(いで)の  玉ぐき     とは  どうだ 〽アレサむだくちを  きかないで  身(み)にしみて    しないと  実(み)になら   ないよう     だよ 思はれぬ人におも ます鏡くもりがちなり むねの内はるゝまもなき 五月やみつきにはにくし さりとてはまゝにな らぬがよのならい 春(はる)さめにくせつとぎれて たゞくよ〳〵とないてゐる のを寝(ね)たふりによるすべ もなき女気(おんなぎ)をしやくが とりもつ中(なか)なをり 〽わたしやア  おぼへもない  ことに今の  ようないゝがゝり  をいわれるとくやし  くつて〳〵どうせうかと  おもうよ〽もう  いゝわなトいつて  気(き)をひいて  見(み)たもの  よ  サア  〳〵  もう  いく  ぞ  〳〵 〽エゝ  にくらしい  アゝ  いく  よ  〳〵 端唄寝〆色糸(はうたねじめのいろいと)中の巻     傘(かさ)の雪(ゆき) 我(わが)ものと思(おも)へばかろし傘(かさ)の雪とは人(ひと)として欲情(よくじやう)のはなれざる 事(こと)風雅(ふうが)の上(うへ)にもしかありと古今(こゝん)万事(ばんじ)をつらぬく一句(いつく)そを 色欲(しゝよく)にとりなして恋(こひ)の重荷(おもに)とつゞけしは是等(これら)をはうたの生(しやう) 根(ね)といふべしいもがり行(ゆけ)ばは妹許(いもがり)と書(かき)て女の許(もと)へ行事とは いはずとみなさま御推(ごすゐ)もじ川風さむく千鳥なくほどいづれも 冬(ふゆ)の余情(よじやう)深きは今日(けふ)の大雪 君(きみ)を思へはかちはざしことはいへども 端唄寝〆色糸(はうたねじめのいろいと)中の巻     傘(かさ)の雪(ゆき) 我(わが)ものと思(おも)へばかろし傘(かさ)の雪とは人(ひと)として欲情(よくじやう)のはなれざる 事(こと)風雅(ふうが)の上(うへ)にもしかありと古今(こゝん)万事(ばんじ)をつらぬく一句(いつく)そを 色欲(しゝよく)にとりなして恋(こひ)の重荷(おもに)とつゞけしは是等(これら)をはうたの生(しやう) 根(ね)といふべしいもがり行(ゆけ)ばは妹許(いもがり)と書(かき)て女の許(もと)へ行事とは いはずとみなさま御推(ごすゐ)もじ川風さむく千鳥なくほどいづれも 冬(ふゆ)の余情(よじやう)深きは今日(けふ)の大雪 君(きみ)を思へはかちはざしことはいへども まさかはたしで色に行(ゆく)のも あんまり色気(いろけ)のすたつたせん さくなれば鉄紺(てつこん)の半合羽(はんがつぱ) に小袖(こそで)三枚(さんまい)ぱつちしりはし をりの高足駄(たかあしだ)蛇(じや)の目(め)の傘(からかさ) にふりつもる雪も他(よそ)の囲女(ていけ)を 我(わ)ものとおもふ心(こゝろ)よりは重(おも)し とも思はすこゝがそのわがものとおもへばかろし傘(かさ)の雪(ゆき)つもり〳〵て 【絵の中】 我恋は  住よし   うらの  夕けしき   たゞ     あをた  まつばかり  逢ふて   つらさが   かたり     たや 【絵の中】 わしか国さで見せたいものは  むかし谷風いま        だてもやふ  ゆかしなつかし   みやぎのしのふ  うかれまいぞへ  松鴛月たる   しよんがへ 【本文】 深(ふか)くなり道(みち)もはうがくもうしなふは実(げ)にも思案(しあん)の外(ほか)なるべし 女(をんな)の身(み)もそのごとくかくし男(をとこ)の約束(やくそく)を待間(まつま)の窓(まど)の庭(には)の面(おも) 枝(えだ)もたわめる松(まつ)の雪(ゆき)おもきがうへの小夜衣(さよごろも)わがつまならぬ夫(つま) 【絵の中】 わしか国さで見せたいものは  むかし谷風いま        だてもやふ  ゆかしなつかし   みやぎのしのふ  うかれまいぞへ  松鴛月たる   しよんがへ 【本文】 深(ふか)くなり道(みち)もはうがくもうしなふは実(げ)にも思案(しあん)の外(ほか)なるべし 女(をんな)の身(み)もそのごとくかくし男(をとこ)の約束(やくそく)を待間(まつま)の窓(まど)の庭(には)の面(おも) 枝(えだ)もたわめる松(まつ)の雪(ゆき)おもきがうへの小夜衣(さよごろも)わがつまならぬ夫(つま) がさねもいたづら心(ごゝろ)のみにあらずたがひに好(すい)た好(すか)れたはことはざ にいふ合縁奇縁(あひえんきえん)是(これ)ぞまことに出雲(いづも)にて結(むす)ぶえにしと思(おも) へどもおふはいやなりおもふのは侭(まゝ)にならぬが世(よ)の慣(なら)らひ 〽此(この)やうなよい間(ま)といふはめつたにはないから早(はや)く来(き)て呉(くれ) ればよいにあれほど呉々(くれ〳〵)も約束(やくそく)しておいたからよもや日(ひ)を まちがへる事(こと)でもあるまいにそれに又(また)折(をり)あしく雪(ゆき)はふる し此様(こんな)に待(まつ)て居(ゐ)てひよつと来(こ)なからうもんならくやし いのう月んに待(また)るゝとも待身(まつみ)になるなとはよくいつたもん だトいふ所(ところ)へ〽おゆうさん〽かん さんもう〳〵〳〵どんなに待(まつ)て いたかしれやアしねへよ今(いま) まで何(なに)をしておいでだ〽何(なに)を していたといつておれだつて ちつたア用(よう)もあるはな〽外(ほか)の 用はどうでも能(いゝ)はね此方(こつち) の用がかんじんだよマア早(はや)く 【絵の中】 堅は やく   そゝ よい首尾   の松 またの  ごげん    を 待乳   山 エゝ  かねが  ふち 巨燵(こたつ)へおあたりさつきから火(ひ)をきつくして待(まつ)ていたのだわね 〽それはおかたじけ実(じつ)に川(かは)ツぷちを通(とほ)るときは顔(かほ)を吹切(ふつき)ら れるやうであつた我身(わがみ)ながらよつぽとのろいやつよのう〽嬉(うれ) しいよそのかわりにわたし がよウくあつためてあげる からもつとこつちへよん な〽此(この)とほりかなつ氷(こほ)り だ〽ヲヤつめたい手(て)だのう 【絵の中】 かれ野   ゆよしき  墨田堤(すみだつゝみ) 心もすめる   夜半の月 田毎にうつる  人かげに はつと立たる  あれ   かりがね      も  めをと   づれ                サア爰(こゝ)へお入(い)れと内懐(うちぶところ)へ入(いれ)                させる〽こうするとぢきに                あぢな気(き)になるぜ〽いゝじやア                ないかあぢになつたらどう                でもおしな〽あんまりせわし                ねへなアしかし斯(かう)いふさむい ときはかけつけ三番(さんばん)とやらかさゞア胴(どう)ぶるへがとまるめへ欠付(かけつけ) 三番(さんばん)といやア今(いま)来(き)かげに酒(さけ)も肴(さかな)もそういつて来(こ)やうとおも 【絵の中】 君は今頃  こまかたあたり 鳴てあかせしひほとゝぎす   月の顔見りやおもひ出す つたがあんまり世間(せけん)を憚(はゞ)から ねへやうでよくねへからよしに したが爰等(こゝら)が不義者(ないしやうもの)の不自(ふじ) 由(ゆう)な所(ところ)だ酒屋丁稚(ごよう)が来(く)るだ らうから序(ついで)でに肴(さかな)も丁稚(ごよう)に 言伝(ことづけ)てやんねへ小遣銭(こづかひせに)でも遣(や) らうもんならころ〳〵して用(よう)を 足(た)すはト二分金(にぶきん)を火鉢(ひばち)のかけ 【絵の中】 おまへの   事を  苦に   やんで 身は  さみ   せんの 糸柳  風の  たより    を まつ  ばかり ゆびをり    かぞへ  袖じほる     色の  ならひか     やるせなや ごへちよいとなげる〽およしなぶしつけらしいひとが御馳走(ごちそう)しやうと 思(おも)つておかんをつけておくにどうぞ御気(おき)に入(い)らずともわたくしの 御手料理(おてれうり)でおひとつめしあがり下(くだ)さいまし〽是(これ)は〳〵ごたいない(御叮嚀)な 御(ご)あいさつでいたみ入(いり)ます左様(さやう) 御座(ござ)らば御深切(ごしんせつ)の御料理(おれうり)忝(かたじけなく)頂(てう) 戴(だい)仕(つかまつり)たく〽仕度(つかまつりたく)まで聞(きけ)ば沢山(たくさん) だよ〽そういふけれど仕(つかまつり)たいから 此(この)雪(ゆき)にゑつちらおつちら爰(こゝ) 【絵の中】 野辺の  花には  さきや    う    かるかや  おみなへし そしてあやめ  しやうぶやかきつばた  ほつそりと藤ばかま   あれ朝昌のしほらしや荻(おぎ)の花 【右頁】 ごへちよいとなげる〽およしなぶしつけらしいひとが御馳走(ごちそう)しやうと 思(おも)つておかんをつけておくにどうぞ御気(おき)に入(い)らずともわたくしの 御手料理(おてれうり)でおひとつめしあがり下(くだ)さいまし〽是(これ)は〳〵ごたいない(御叮嚀)な 御(ご)あいさつでいたみ入(いり)ます左様(さやう) 御座(ござ)らば御深切(ごしんせつ)の御料理(おれうり)忝(かたじけなく)頂(てう) 戴(だい)仕(つかまつり)たく〽仕度(つかまつりたく)まで聞(きけ)ば沢山(たくさん) だよ〽そういふけれど仕(つかまつり)たいから 此(この)雪(ゆき)にゑつちらおつちら爰(こゝ) 【絵の中】 野辺の  花には  さきや    う    かるかや  おみなへし そしてあやめ  しやうぶやかきつばた  ほつそりと藤ばかま   あれ朝昌のしほらしや荻(おぎ)の花 【左頁】 まで来(く)るのだ〽それ だから仕(つかまつり)てもいゝぢやア ないか善(ぜん)はいそげと いふ事(こと)があるようわたし も気(き)がおちつかない からちよいときまり をつけておいて御料理(おれうり)の御馳走(こちそう)は跡(あと)の事(こと)さ〽その事(こと)〳〵寸善(すんぜん) 尺魔(しやくま)何(なに)はともあれ是(これ)がかんじんだトその侭(まつ)ぐつと割込(わりこん)でおへ 【絵の中】 たつた川辺に  ふねとめて まだうらわかき  娘気のどう  いふてよかろやら しんきまへりの  そら寝いり きつた一物(いちもつ)をゑしやくもなく押(おし)あてがふトさいぜんより待(まち)かねて 先走(さきばし)りの淫水(いんすゐ)がぬら〳〵しているゆへなんの苦(く)もなくぬる〳〵トさし                  もの大陰茎(おほまろ)はんぶんばかり                  ぬめり込(こ)む〽おまへ足(あし)は未(まだ)ろく                  にあつたまらないがかんじんのと所(ところ)                  はおそろしくあつく成(なつ)ているもんだ                  のう〽おめへにのぼせあがつて居(い)                  る証処(しやうこ)だ〽フンよろしく申(もうし)ておくれ 【絵の中】 おもひ  込たる 我恋は さきじや ぢやけんで  きれ口上(かうじよ) たとへ   きれても  きれやせぬ   思ひおもふた  人じやものなぞ   わたしやみれんが          あるわいな 【右頁】 きつた一物(いちもつ)をゑしやくもなく押(おし)あてがふトさいぜんより待(まち)かねて 先走(さきばし)りの淫水(いんすゐ)がぬら〳〵しているゆへなんの苦(く)もなくぬる〳〵トさし                  もの大陰茎(おほまら)はんぶんばかり                  ぬめり込(こ)む〽おまへ足(あし)は未(まだ)ろく                  にあつたまらないがかんじんのと所(ところ)                  はおそろしくあつく成(なつ)ているもんだ                  のう〽おめへにのぼせあがつて居(い)                  る証処(しやうこ)だ〽フンよろしく申(もうし)ておくれ 【絵の中】 おもひ  込たる 我恋は さきじや ぢやけんで  きれ口上(かうじよ) たとへ   きれても  きれやせぬ   思ひおもふた  人じやものなぞ   わたしやみれんが          あるわいな 【左頁】 口(くち)は自由(じゆう)なもんだのう〽しかしお 前(めへ)のも中(なか)が火(ひ)のやうに成(なつ)ている からどうも陰茎(へのこ)をうでられる やうでアゝこてへられねへ〽わたしも お前(まい)にあつく成(なつ)た証処(しやうこ)だよ〽すぐ にしつぺゑ返(げへ)しだむしのいゝ巨燵(こたつ) へあたつて無拠(よんどころなく)あつく成(なつ)たやつを さづけておいて恩(おん)にかける事(こと)もねへ 【絵の中】 ひと時を  まつまも つらき   雁(かり)のこへ はなしのやうに 半斎のまだ  えんりよある    おかしく さきの心は  ほぐじやない これほど  みれんな筆と見て   かへす〴〵も      待てゐるわいな 〽お前(めへ)はなぜそんなに口(くち)がわりいのうアゝもう それ所(ところ)じやないよいつそよくなつて来(き)たから もつと身(み)にしみておくれよサア〳〵もういゝはな 〳〵トしがみついてぐい〳〵持上(もちあげ)〳〵たがひにどく どく気(き)をやりて〽(男)なんだかやりながらも気(き)が せくやうだ表(おもて)をちよいとかけておけばいゝ 〽此(この)大雪(おほゆき)にだれか来(く)るものかなそして今夜(こんや)は泊(とまつ)て もいゝよ明日(あす)の昼迄(ひるまで)は旦(だん)も来(く)る事(こと)じやアないから 【絵の中】 あだし野の   露の  いのちの    鈴むしも  秋はて   られて  今更に  啼に   なかれぬ    物おもひ 【右頁】 〽お前(めへ)はなぜそんなに口(くち)がわりいのうアゝもう それ所(ところ)じやないよいつそよくなつて来(き)たから もつと身(み)にしみておくれよサア〳〵もういゝはな 〳〵トしがみついてぐい〳〵持上(もちあげ)〳〵たがひにどく どく気(き)をやりて〽(男)なんだかやりながらも気(き)が せくやうだ表(おもて)をちよいとかけておけばいゝ 〽此(この)大雪(おほゆき)にだれか来(く)るものかなそして今夜(こんや)は泊(とまつ)て もいゝよ明日(あす)の昼迄(ひるまで)は旦(だん)も来(く)る事(こと)じやアないから 【絵の中】 あだし野の   露の  いのちの    鈴むしも  秋はて   られて  今更に  啼に   なかれぬ    物おもひ 【左頁】 〽夫(それ)ぢやア是(これ)からゆつ くりと爪弾(つめびき)で洒落(しやれ) られるの。女(おんな)は三味線(さみせん) を引(ひき)よせ〽心(こゝろ)いきを一(ちよ) 寸(つと)聞(きい)ておくれ〽むりな 事(こと)いふてわしや神(かみ)いのりあひたい病(やまひ)はかんしやくのせい酒(さけ)でしのがす 苦(く)の世界(せかい)」〽おれもやらう〽(とゞ一)見極(みきはめ)た的(まと)がなければ心(こゝろ)の弓(ゆみ)をなんぼ矢竹(やたけ)に 思(おも)ふても〽コウお前(めへ)も正真(ほんとう)に疑深(うたがひぶか)いよサア気(き)の済様(すむやう)にどうでもして呉(くん)な悔(くやし)いのう 【絵の中】 世の中の  いきなせかいを 今こゝに  八まんさまの やまびらき さゝがこうじて  つひそれなりに   ざこ寝の枕かりそめに  ヲヤすくねへ        あけの鐘(かね)