【右丁】 参議雅経(さんぎまさつね)【經】 見(み)よしのゝ 山(やま)の秋風(あきかぜ) 小夜(さよ)  更(ふけ)て ふるさと  さむく 衣(ころも)うつなり 【左丁】     九十四番 此心は所はみよしのゝ山の秋風にさよふくる ころまでみゝをそばだでゝきけば秋のあは れのせつなるにことにふるさとにころもうつ なるきぬたのこゑしてひとへ にひとりねのさむきをたへ かねてあかしたるていなり きり〴〵すなくやしもよの 歌のこゝろにおもひめ ぐらして見はべ るべしあはれ   ふかし 【画面右下】 ㊞㊞香蝶楼【樓】    豊国【國】画