大江山(おほえやま) いくのゝ 道(みち)のとほければ まだふみも見ず 天のはしだて 小式部内侍(こしきぶのないし) 六十番 右の哥の心は大江山いくのみなはしだての みちなりはしだては丹この国にありまだ ふみも見ずとはまだゆきて見ぬといふ義也 又母のふみの義もふくめり此ころ母のい づみしきぶは別れて丹後の国にありしゆ ゑ也これは此小しきぶが哥をよくよめる は母がよみてつかはすなどゝうたがふ人ありし かば當意に此名哥をよみけるとなり