【右上四角枠内】  当八月八日 雷落場所□ 水戸殿通用門 奥表之さかい水門石垣え一ケ所 一ツ橋御門外 明地 松平紀伊守向 御茶の水 油坂 川副勝三郎 屋敷 飯田町 玉すしや前 神田多町 長谷川と申質屋 下谷七曲り 井伊兵部少輔 深川小石川町米屋 御成屋 石川やしき 庭 浅草 熊ケ谷いなり 地内 南茅場町 米や土蔵 雷火 青山口えんせう 蔵 白山下伊賀坂 松平備中守 外 築地加納備中守 赤坂一ツ木町 竹腰 屋しき 麻布長坂丁□□□□□□ 渡辺 為右衛門屋しき 森川宿 本多 青山五十人町 大嶋と申屋敷向 戸田隼人正屋しき 千駄ケ谷八幡 地内 渋谷六反 前橋 酒屋向 伝通院 庭内 愛宕下 青松寺山 深川 御舟蔵 脇 新宿 松平出羽守屋しき 深川扇橋 日本はし 釘店 巣鴨 弐ケ所 牛込御門前ほたん屋敷向 雑司ケ谷 二ケ所 茗荷谷 戸田 吉田 小屋敷 本所菊川町 中ノ橋 麻布中町弐丁目 鮫ケ橋 青山六道辻 荒川と申屋敷 本所 藤堂和泉守 赤坂紀伊国 坂口堀 沸き 小梅川舟 芝 大久保加賀守 本所 相生町 芝宇田川町医師 麻布 一番町 御勘定 佐藤五郎左衛門 佃しま 沖舟中 上野 御宮前 芝 赤羽根橋 麻布日ケくほ 浅草森下金龍寺 同 小揚 同新寺町 真言宗寺 二軒 白山伊賀 坂上 飯田と申屋敷 麴町 成瀬隼人 正屋しき 外 □田 上杉□ 正大□屋敷前 高田馬場 脇 同 長明寺  都合五十八ケ所也 【絵図中 上中央枠文字から左へ】 外料骨接の名人 足のりやうじ 「アゝ もちつとしづかに やつておくんなさいまし わたくしは こんど かやば丁の米ぐらへ 落やした 所が たちまち火事に成て 買こんで 隠た米 を不残やいてしまう程の 火事だが もと より 火の中に斗いるからだゞから 火はなん ともないが 左の足をくじいて 走事がなら ぬ所を 雲かきて やつとたすかつたの で厶【ござ-る?】り升【ます?】 背骨りやうじ 「ヲゝ あつゝしか し又いゝ心 もちに成て きたおかげさまで よふよふ 鬼心がつき ました モシ おい        しや さま お聞なさりまし わたくしも 是迄諸方 一落ましたが 今度の よふな所へおちた事は 厶りませぬ 森川の おやしきうちに ふう婦 いてふと申て大木は厶り 升が其いてふは根が またに成ており升 其またのちやうど 真中へおちまして 背ぼねを家打まして 気 がとをく成ました 其 上あいつは ふう婦中を さかふと思つて 落やるがつて かへつて う ぬが背骨を ぶつて いゝきみだと 木花共 がぬかしおり升とさ こんなむまらぬ       事は厶りません 【絵図中 中央左から】 尾にて尻を打やぶる 「アゝこていられねへ 是此尾が 尻の中へ はいつていたものをいてへはづだ モシ おいしやさん わたしは 小石川の御屋 敷の 御門の家根へ おちたのさ そこ で 家根瓦で こんなに尻を やぶ つて 大けがをして おせわに 成ます ひはらを□□□ 「モシ わたしやァ 畑島の 沖中の大船のはしらへ おち やした所が あいにく 川のふ きぶりだから 帆ばしらか ねかして 有た 其上へ おちて ひはらを ひどく ぶつて すんでの事に それ切に 成所で厶り升 だが それでもうんのよ          さ 【この文章の上にある盥絵の左文が続きと思われる】 わたりりの ふねの 帆ばしらたつて 有ましたから 其帆ばしらへ のぼつて やつと 雲にすがつて よう〳〵たすかり ました 腕のりやうじ 「アイタ〳〵 うでがぬける〳〵 アゝ モシ 此うでが□□ましたが おか げで やつと□し□□厶り升 もふ〳〵こり〳〵した こんだ 田丁の質ぐらへ おちた所が 雲は上る でところはなし くらの二階中 □□あるいて見てもしかたが ねへから まどの□を やぶつて 【この文章の下にある鬼絵の下の文が続きと思われる】 ▲やつと出た所が はらはへる あん な くるしかつた 事は有ません そんでも てんとう 鬼ころさずで ちやうど 雲がき て やつとたすかつ たが 左のうでが ぶらになつた こ んなひどいめに 有た事は なしさ 角ヲ折牛の角挿かへる 「アゝ いてへ〳〵 此通り 角をおる程 ひどくぶつたものだから 気ぜ つを しました所で□が 口へはいつたので やつと いきをふきかへし よく〳〵見れば 浅草の地内 のいなりさま      の■ 【この文章の下にある角の治療をされてる鬼絵の左文】 「鳥居のきわさ すんでの事で そ れ切ごろりと行 とこで厶り升た モシ 其出合た角にして下 さりまし 片ちんばでは 見にくう厶り升     から 【この文章の上の子どもを抱いた女鬼の左文】 子雷首くじき 「モシ おいしやさまへ 望事に 此子にはこまり升 いふ事を聞ませぬから 此通り首をつゝこんで わたくしに、気を もませ升 又内のものも うちのもので厶り升 なんのつれて行ずば の事で厶り升のに 麻布のやしきへ親子ともに おちましたとさ 親父は けがはいたしませんが 此子は ひどいめに あいましたが 虫でもでねばよふ厶り升が 怪我雷多勢