源(みなもとの) 兼昌(かねまさ) あわぢ島(しま)  かよふ 千鳥(ちどり)   の 鳴(な)く声(こへ)に いく夜ね覚ぬ 須磨(すま)の関(せき) もり   七十八番 此心はさびしきすまのうらにたびねして ねざめのちどりを聞てさむくたえがた かりしにつけてかやうの所のせきもりとな りてはいくよちどりのこゑにねざめ してたえわびぬらんわがたまさか のたびねさへ物うきにつねに すみいるせきもりはいかば かりつらからんと いふ心なり