【表紙 題箋】 踊獨稽古 乾 【上部 右から】 おどり獨稽古 葛飾北齋画編  七代目三升序 月影に   我裾直す      おとりかな 【絵だけで文字無し】 【右丁】     序 呉(ご)住(ちう)後(ご)漢(かん)の注(ちう)の字を曰(いは)ば。燒桐(やきぎり)する狂勢客(あにゐ)が 立引(くれ)た良木(もへさし)は。焦尾琴(せうびきん)【注】と作(なし)て。其(その)美音(びいん)。我朝(わがちやう) の菊岡(きくおか)も爪(つめ)を噛(くはへ)。文志傳(ふんしでん)の漢語(からつたく?)は。旅館(はたごや)の 天井(てんぜう)から貪(みたふし)た煤竹(すゝたけ)も。笛(ふえ)に製(つくつ)て最(もつとも)異声(ゐせい) にして。侠客(でんぼう)涎(よだれ)を流(なが)す。蝮(ぢや)の道(みち)を知(し)る蛇山(へびやま)の 主人(あるじ。)葛飾(かつしか)の痴老(おやぢ)が筆(ふで)を借(かり)て。躍(おどり)の手続(てつゞき)を 【注 (後漢の蔡邕(さいよう)が呉人の桐を焼く音をきき、その良材である事を知りその桐材で尾部の焦げたままの琴を作ったという故事から)琴の名器の名。転じて琴の異称。】 【左丁】 写(うつさ)しめ。是(これ)に墨引(ぼくいん)を添(そえ)て進退(しんたい)手足(しゆそく)の伸(のび) ■(かゞみ)を示(しめ)すに。観客(みるひと)不学(まなばず)して尽(こと〴〵く)其業(そのわざ)に熟達(じゆくたつ) すべし。且(かつ)画所(ゑがくところ)の人物(じんぶつ)の生動(ふぜい)。自(おのづから)踊(おどる)がごとき筆(ふで) 拍子(びやうし)。ヤットンとんと近来(ちかごろ)滑稽(こつけい)の小冊(せうさつ)ならん。 と看技(けんぶつ)の後(うしろ)に立(たつ)て。誉(ほむ)る事(こと)しかり   乙亥の春     七代目              三升述          【印 白文】三升    【右丁】 叙 近路(ちかみち)を示(しめす)に。人指頭(じんしとう)を画(ゑがき)。竹竿(たけのさき)の喰(くひ) 裂(さき)紙(かみ)は。水道普請(すいだうぶしん)の穴(あな)を知(しら)しむ。川童(かつぱ) と呼(よん)で木瓜(きふり)とし。山鯨(やまくじら)と書(かい)て猪肉(ゐのしゝ)としる。 後世(こうせい)の合利(ぢよさいなき)を。ぐつと呑込(のみこむ)蛇山(へびやま)の主人(おやかた)。 画工(ぐわこう)と謀(はかつ)て踊独稽古(おどりひとりげいこ)の小冊(せうさつ)を編(づゞる)。 師(し)の影(かげ)を踏(ふめ)と教(をしゆ)る躍(おどり)かな。と故人(こじん)の秀吟(しうぎん) 【左丁】 に引替(ひきかへ)。学(まなば)ずして其(その)振(ふり)を覚(おぼゆ)る事(こと)。月前(げつぜん) の形影(けいゑい)。麻中(まちう)の野蒲(やぼ)。水(みづ)の凹(ひくき)につくか 如(ごと)し奇也(きなり)妙也(めうなり)茶碗(ちやわん)を鳴(なら)し。燭台(しよくだい)を 敲(たゝく)の酔客(おきやく)。珍蔵(ちんざう)すべしと爾(しか)云(いふ)。        需(もとめ)に応(おふ)じて    《割書:亥の》       秀佳誌     初陽 【右丁】     初編(しよへん)目録(もくろく)  ○登(のぼり)り【語尾の重複】夜舟(よふね)  ○気(き)やぼうすどん【注】  ○悪玉(あくだま)おどり  ○団十郎(だんじうろう)冷水売(ひやみづうり) 【縦線の区切りあり】 ◦源太(げんだ)◦半田稲荷(はんだいなり)◦おかめ◦道成寺(どうぜうじ)みちゆき  右の四ばんは後編(こうへん)にあらはす一体(いつたい)【躰】は右(みぎ)の手(て)をいだす時(とき)は  左(ひだり)の足(あし)をひく左の手(て)をいだせは右の足(あし)を引としるべし手(て)と  足(あし)といつしよにいだすはなんばんといふとなり 【注 「きやぼうすどん」は「生野暮薄鈍」と思われる。生野暮=すこしも世の中の人情や風流を解しないこと。またそのさま。特に遊里の事情にうといこと。またその人。薄鈍=ぼんやりしていて血の巡りが悪いこと。またそのようなさまや、そのような感じの人。うすのろ。】 【左丁】    のぼりよふね の《割書:ウ》ぼりよ《割書:ウ》ふ《割書:ウ》ね《割書:ヱヱヽ•》かい《割書:イ》や《割書:ア|•》ろじや《割書:ア》てゝ《割書:•》かぢをとつた《割書: |•》 ゑ《割書:ヱ》い《割書:ヱイ•ツルツルツンツルツヽンツツン|ツンチヽリチリチツヽツン》さだや《割書:ア|•》ひら《割書:ア》か《割書:ア》た《割書:•》よど《割書: |•》 《割書:ツヽ•| ン》みづにくるまが《割書:•》くる〳〵《割書:ウ》と《割書:•》ふしみ《割書:イヽヽ》へ《割書: |•》つ《割書:ウ》くへ《割書: |•》おいおい《割書:•》 きやはんのひもじや《割書:モ|•》ひとつじや《割書:•》三じやくおびじや《割書:•》わき ざしじや《割書:•》かさじや《割書:•》ひもじや《割書:•シテ| •ム•》あるくのじや いづれもはだをぬぐにはあらずてあしののびちゞみまがる又はみのひねり等の よくわかるやうにゑがかせんためとしるべしたゞしはちまきはすべし まむきにゑがきてふりのわかりがたきはよこにかきてかたへに㊣【黒丸に白抜き】しるしをつくるなり そのぶんはまむきのふりとしるべし【黒い棒線7~8字分位引き】てあしをひくの印なり 【踊りの手順が番号順に示されているので番号を頭初に翻刻します。なお、番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 【右丁】 一          六  の《割書:ウ》          かいをつかうふりなるべし   ぼりと        左りへてをながす     ふむ          べし                     かい《割書:イ》 二                    や《割書:ア》  ぼり   はちまき         七      する          ろじや《割書:ア》 三                  ろをおす  よ《割書:ウ》                かたちなり   一《割書:ト》あし            ㊣【黒丸に白抜き字】   あゆむ            てゞ《割書:ト》                  みとともにりやうてを                  いつぱいにつきいだすべし 【左丁】 四            八  ふ《割書:ウ》            てゞ   ㊣【黒丸に白抜き】   ふうと又一ト          てとゝもに       あし          こしよりかみを       あゆむ         むかふへつき                      いだす 五  ねへと          九  あしをひく         かぢを                    こしより下は  ね《割書:ヱ》                そのまゝに置き                    こしより                    かみを左りへ  あしと                   ひねる  ともにこしよりうへを右へまげる                   あはせたる                   てをこゝまで                      ひくべし    【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 十             十四  づのごとく          ツル  ひねる              つる と 右を    なり             一《割書:ト》あし                   はこぶ   とつた               十五 十一               づのごとく  ゑ《割書:ヱ》い             すべし   あし   とゝもに             ツン と てを   ひぢを                つきいだ    ひくべ                 す也      し                 合かた                         にて   二度めのゑいにて              此あし    あしをふむべし               ふみ   ㊣【黒丸に白抜き】             かへる 【左丁】 十二           十六  づのごとく         ツルツヽンツツン と あしをふむ     そるべし              さしたるさほを                         ひきゆく  ㊣【黒丸に白抜き】                かたち  ゑい             十七  ひぢを         合かたのうちはむかふへあゆみゆく  ひゐたる   てなり              十八 十三             さだ《割書:ア》  ツル   つると左りを           だ《割書:ア》と 左りを   一《割書:ト》あし                 だす    はこぶ      べし           みをかへして   さおゝ             つのごとくゆびさす   さすかたち                かたち也      なり 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 十九           廿四  や《割書:ア》            みづにくるまが と りやうてを   てを                   右へすじかいに   入《割書:レ》かへるなり              ながす事                        二へんすべし   や《割書:ア》と   右をふむ                みづのながるゝ                       こゝろもち也 廿  ひら《割書:ア》          廿五  か《割書:ア》た            くる〳〵《割書:ウヽ》   くう                  と 右のてを   かたち                 二へんまはす也 廿一                くるまのまはる  よ                     かたちにて  ど                     こゝろへべし  みをかゞめて  むねにつかへるふり 【左丁】 廿二              廿六  つ                と                     右のあしを   つ と りやうあしを            ふむべし      つまだてる         なり      廿七                   ふしみ と てびやうしを                          うつ也 廿三  つん と りやうあしを     廿八      ふみつけ         ひだりを   右をふみ         べし        ゆびさす     だし                        いへ 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 廿九              卅五  つ《割書:ウ》〳〵㊣【黒丸に白抜き】      三じやく  あしをつま          卅六  だてそる也                おび                        じや 卅  ゑ  ㊣【黒丸に白抜き】      おびを                    しめるこなしなり 卅一    おゝい          卅七  右のてをまねぐ           てをこしへ                    ひきつける  左を  ふみいだ                  わきざし     す 【左丁】 卅二              卅八  てあしをいれかへるなり        じや                     づのごとし      おい                 卅九 卅三                かさじや  ひもしめるかたち也   ふむべし              さきへ                      ふみ  きやはんの                こむ  ひもじや                  也 卅四              四十  もひとつ              ひも    じや  ふむべし 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 四十一  じや と しめる     かたち  あしを  左右へ  ひらく  べし 【人物のあしもとの記載】  二度にひらくにはあらず 四十二  シテ  づの   ごとし 四十三  ムあるく   のじや  あゆむ   なり 【右丁下段】 これはおどりをけいこしてのちに ゑがきたるにはあらずもんていしう けいこのせつゆきあはしてさいわいと かきとりしものなれどもうつしたる かたちをいち〳〵にとりひろげよく 〳〵うたのせうがさみせんのてに ひきあはせたればそのてつゞきすこし にてもさうゐあるまじけれどゑに かくとふりにいたせしとはいさゝか のこゝろへたがひもあらんかもしさうい あらばふりつけのあやまりにはあらず ゑしのゆきとゞかざるところなれば みるひととがめたまう事をゆるし たまへかしたゞ〳〵そのはやきを みとめうつしとりたるのみの事と こゝろへたまわるべし のぼりよふねのおとり 【左丁】     きやぼうすどん  《割書:チントンシヤン》【トンの下から左に線ば下にのび】おい きや《割書:ア》ぼ《割書:•》うす《割書:ウ》ど《割書:ヲ》ん《割書:ウヽゝ|  •》ぜう《割書:ヲ》な《割書:ア》し《割書:•》てなしのくせとし て《割書: |•》 《割書:チヽチン| チンヲイ》わる《割書:ウ》じや《割書:ア》れ《割書:ヱヽ•》いう《割書:ウ》た《割書:アヽ》り《割書:•》だいつうしうちも あるまいし《割書:•》どふいふり《割書:イ》く《割書:ウ》つ《割書:ウ•》か《割書:アヽアヽヽ•| チンチレチレツン》きが《割書:アヽヽ•》し《割書:イヽ》 れ《割書:ヱヽヽ》ぬ《割書:ウヽヽヽ•| チンテンツン》き《割書:イ》が《割書:アヽ》し《割書:イヽヽ》れ《割書:ヱヽヽヱ》ぬ《割書:ウヽヽヽ引》 いづれもはだをぬぐにはあらずてあしのすぐまがるのびちゞむまたはからだの ひねりかゞむのくせをよくゑがゝせんためとおもふべしまむきにかきてふりの わかりがたきはよこむきにかきそのかたわらに㊣【黒丸に白抜き】しるしをおくなり此ぶんはみな まむきのふりとおもふべし【黒い棒線7~8字分位引き】てあしをひくしるしなり 【大きくCの形に書き】 てにてまはす しるしなり 【大きく半楕円形を書き】 かくのごとく あるはそのなりに  てをひくしるしなり 【やや短い線を三本、歩く足形に書き】 これはてあしにて   きざみゆく   しるしなり 【右丁】 チントンシヤン 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 一               五  おい    ㊣【黒丸に白抜き】  うす《割書:ウ》   左右の               と うすをひくかたち   てにてひざを一《割書:チ》どにうつなり    かくのごとくこぶしを                           まはす也                 六                   ど    ど《割書:ヲ》んとふむ 二                 《割書:ヲ》                   ん と たいこのかたちを  き《割書:イ》                 まわしてのちすぐに                     ひとつうつかたちなり 【左丁】 三             七  や《割書:ア》            ぜう《割書:ヲ》と ぜうをあけるてつき也               八                な《割書:ア》し                 と てにいや〳〵といふかたち也                九 てなしの 四  ぼ               と てを    と づのごとくひざかゞめ   ふと    そるきみなり         ころへ入《割書:ル》 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 十              十六  くせ と ものを        《割書:ヤツ》     とるきみか        ヲイ 左のてにて右の                     ひぢをするなり 十一   ㊣【黒丸に白抜き】      ㊣【黒丸に白抜き】  と 上のだん             右のてをつきいだす    もっとも    はやく         十七    すべし           わる《割書:ウ》 十二  して  ㊣【黒丸に白抜き】   と りやうてにてわをまはす也      同【或は「日」ヵ】 そのてをすぐにひたいへつけべし         【左丁】 十三             十八       ㊣【黒丸に白抜】   じや と そり アと  チヽ                    とゝむべし   てをうつ                   かほをつきいだすべし   はやき   ひやうしなり       十九                  ア 十四       ㊣【黒丸に白抜き】   左りへかみを  チン                すこしひねるきみが   てを               よし     うつ 十五       ㊣【黒丸に白抜き】同【或は「日」ヵ】  チン   つぎのかけごへとゝも右をつきだす也 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 廿             廿四  れ              大つうしうち【注】も   かほをこゝまで           あるまいし   つきいだしてよし                 づのことくあしを   いぜんのごとくそり     ひらきかたあしづつあゆむ也   ヱと とゞむ                廿五 チン 廿一                  てとゝもに  ヱ                   ふむべし   こしより   かみを右へひねる         てをすみのとおり         きみ也        ながすべし 【注 大通仕打ち=遊里の事情に通じているようなそぶり。】 【左丁】 廿二  いう《割書:ウ》             廿六       ㊣【黒丸に白抜き】   チテ   と もとゆいを            同じく      まはすき                同じ         どり也                  廿七 廿三  た《割書:アヽ》り             おい(ツン)   と もとゆひをしめる         かたちなり 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 廿八            卅二  どういう           アヽ  は   むなづくし【注】を   とる          卅三   きみ            チンチレ                 チレツン 廿九                チレツンとかるく  りいくう                あてべし  は                   チンチレと てをかるく                   あてる 【注 むなぐら。】 【左丁】 卅              卅四  つう《割書:ウ》            きが と  は               むねへゆびさす                 と むねへ 卅一              ゆびをさす  か《割書:ア》                なり   てをたがいちがいに         あてべし   卅五                  アヽ と同じく                     ゆびさし                       する 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 卅六            四十 チン  しい《割書:イヽ》             テン                    ツン   と たつべし          とりやうていちどにひざを                          うつべし                      ㊣【黒丸に白抜き】               四十一 卅七             き《割書:イ》が《割書:アヽ》とそでを  れ《割書:ヱ》                 おりて                し    れ《割書:ヱ》と          《割書:イヽヽ》   し《割書:イヽヽ》れゑと    ふむ也               右のあしを                         ひく 【左丁】 卅八         四十二   れ《割書:ヱヽヽヱ》  ヱヽ                ぬ《割書:ウヽヽヽヽ|    引》               ヱヽぬ《割書:ウ》とむかふみるなり   ヱヽとふむ也          つのごとくすべし                   【▲に続く】 卅九  ぬ《割書:ウ》ウヽウヽウヽ引  右のてはつむりをはらふやうにかるくなして  ぬウヽ●ウヽ●ウヽ●と三度のばすべし   づのごとくにてあしを    かるく      あゆむなり 【▲】 しりをはしよりたるはあしのはこひ等の よくみわけやすきためなりよくかんがへ あるべしてつゞきとふりとてあしのひやうし ほどあいはよくひきあはせてゑがくといへ どもかたちをふでにとりふでをかたちに かへてのわざなればいさゝかさうゐあらんか それはふりつけのあやまりならずゑしの ふてそほうなりたゞてじなのはやき事を みとりてかきつらねたるのみなり       きやぼうすどん おわり 【右丁上段】 あくだまおどり てさきかるく   こゝろへの事 ふは〳〵と      はしめはとんびなり する            づのことくなるべし  きどり   よし           つまさきにてとび                      いづる也 とんび とばざるときは    てさきしやんとすべし つまさきにて すり あゆむ也              つまさきにて からす          あゆみいづる そのきどり   あるべし 【右丁下段】 あくだまはあつがりにて こしらへづのごとくに くわんぜよりをつけ こゝより折くわい中       すべし 【おおきな丸の中に】 悪 うらのくわんぜ    よりを   くわへおとるべし しやうめんよりみる ときはうちわ小く     なるべし 【左丁】    あくだまおどり 《割書:チリチン|〳〵》とん《割書:ウ》び《割書:イ|ヽヽ》から《割書:ア》す《割書:ウヽ》に《割書:イヽ》なら《割書:アヽ》る《割書:ウ》る《割書:ウヽ》なら《割書:アヽ》ばとん《割書:ウヽ》で《割書:ヱ》ゆきた《割書:ア》や ぬしの《割書:ヲ》そ《割書:ヲ》ば《割書:チリチン〳〵トツヽルテンツテツンツヽツンチリチツヽンチヤン。|チヤン〳〵〳〵チリチツヽンチリ〳〵チンツル〳〵ツンチリチン〳〵》 ぬし《割書:イ》と《割書:ヲヽ》ふた《割書:ア》り《割書:イ》で《割書:ヱヽ》くら《割書:ア》す《割書:ウヽ》な《割書:ア》ら《割書:アヽ》さけで《割書:ヱヽ》くろふも《割書:ヲ》おき《割書:イ》なが《割書:ア》し 《割書:チリチン〳〵トツヽルテンツテツンツヽンチリチツヽンチヤン。|チヤン〳〵〳〵チリチツヽンチリ〳〵チンツル〳〵ツンチリチン〳〵》なべかまへつつい 《割書:チリ|チツヽン》どふこやくはんにすりばちか《割書:ツル〳〵|ツン》すりこぎかついでにおやじも 《割書:チヽチリ|チン〳〵〳〵》そへ《割書:ヱヽ》じや《割書:ア》わいな《割書:ア》あゝ《割書:アヽよいトコ|  トントン〳〵》あゝ《割書:アヽ| ア》めつたにでまかせ あしまかせでん八おせうはくもをやみ【注】いさみちらしていそぎゆく《割書:終》 【注 雲を闇=雲を闇の中でつかむようなたよりのないこと。】 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 一           五       はじめは   とん         から     正めん也    此すじは      かたちをすへ    とぶ印也      たいを       あしと              ねぢらす      たいと 二                      いつしよに   び                    はこぶべし             六 ア    すべてかるく    とぶがよし      づのごとく               あしのはこび       同         にて               右左とむき                 かはると 【左丁】 三    イ          しるべし   此四ツのふりはまづ    七   かほかたちともに      す《割書:ウ》   とんびのきどり    同       かんじんなり   八 に《割書:イイ》 四    イ             しまいも                    正めんにて    とんび《割書:イイ》とすべて        とまる也    よことびなりとんびの    きどりにて           これはからすの      てをふは〳〵とゆく也    あゆむ                     かたちに                     と【こヵ】ゝろへて                        すべし 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 九              十三  ならア   此四手はすべてよことび       《割書:アヽ》ば   にてたいは正めん也         とふむべし                     印あり      なら                十四 アヽば 十      とび印        かほはめつききよろ〳〵と  ア                 からすの下を                      みおろす 十一     とぶ印            おもいれ也  アヽ               バ   とあふぎを                     ア  まわし 【放物線に添って】        ア     ながらひき 此すじ                      つけべし 【左丁】 【放物線に添って】       十五 とん《割書:ウ》 大《割書:ヲ》とびにとぶ印なり           で《割書:ヱヽ》        る《割書:ウ》      【人物の足元の線に添って】                  とんでヱヽゆきたアやア《割書:アヽ》   からすの             ひよい〳〵と         十六 ゆきた《割書:ア》や《割書:ア》    とぶきどり也          アヽとめんを                         くわへる也 十二  る《割書:ウヽ》   これまではいづれも    正めんのふりと       こゝろへて        すべし 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 十七 ぬし《割書:イ》          廿一   左右のてをし《割書:イ》と       【手元の線に添って】      二ツうつべし        此のてをこゝへ引 十八                  トツヽル  此すじのごとく左右のてを         テン   わきばらへひきつける也     の《割書:ヲ》にてひくべし        つのごとく     たゞしてのこうをうへに       するが              する也        よし の《割書:ヲ》そ             廿二                  【手元の線に添って】 【人物の足元の線に添って】   左右のてを   そ《割書:ヲ》ばと          すじのごとくこゝまでひくべし  此あしをいつ               ツテ                        ツン 【左丁】 【右丁からの線に添って】   ぱいにひく也 十九              廿三  《割書:ヲ》ば              ツヽツン                     つぎの   ヲヽばと              ちりちつといふとき    てをかへしてひらを        そつとふみつける也     うへになし   すじの             【手元の線の右端】   ごとくいつぱいにつき       て        いだすべし      【手元の線の左側】         づのごとし      てをこゝ                    までひき 廿                  ながらての  チリチン              うらをみせる    〳〵                  なり                   【足元の線の右側】   此あしを             こゝへ   あげる也             ひきつける也                   【足元の線の左側】                    こゝの                    あしを 【右丁】 【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 廿四            廿七  チリチツ          又                チヤンと   廿三のつゝつんの     左右のてを   あしかくのごとく     いれかへる也  ひやうしともに     ふみつける    ◑         あしをあぐる也             つぎへの   此からだをかみの     印   ほうばかりうしろへ   ねぢりてせなかをみせ    廿八   つぎのごとく         又チヤンと         なると      あしをあとへ        こゝろへてすべし  げあげる也                  ひやうしとゝもに                  あとへ                  づの                  ごとく                  引也 【左丁】 廿五           【右丁よりの延長線の左端】     ツン        て  廿四のたいをこしより     廿九  上をひねりて          チリと  てをこゝへ           両のてを  ひく             つきいだす   也             【頭上の線の右端】                  て 【頭上の線の左端】 て               卅                  チツ  ツンとあとへ           チツと左右の  ひくべし             てをづのごとく引也              【膝の位置にある横線に添って】 廿六                     あしを  チヤンと             此すじのことく引  このてをつき    いだすべし           つぎのつんにて                    ふみつけべし     【番号は漢数字を丸で囲んでいるが、ここでは漢数字だけで表示する。】 卅一            卅五  ツン            くらすなら               くら《割書:ア》す《割書:ウヽ》な《割書:アヽ》ら《割書:ア》と此ふりにて 【左手の線に添って】          かるくあゆみ行   いちどに                   べし   つきいだすべし        【扇の上と横】 【右手の線に添って】       もんくのふしとゝもに此   つんと左右とも       あふぎを印シの所までいくたびも 【足元】                   うごかす也   つんとふむあし                卅六 卅二                さけ《割書:ヱ》で《割書:ヱ》と  チリ〳〵チン           のむかたちを                      するなり   と 左右のてにて   たがへちがへにめんをうつ也      さけで   づのごとくてはあふぎをうち   あふぎはめんをうつべし 【文字無し】 【裏表紙 資料整理ラベル】 JAPONAIS  260 【冊子の背 整理番号記載】 260 【冊子の天或は地の写真】 【冊子の小口の写真】 【冊子の天或は地の写真】