【巻物題箋】 百人一首絵【繪】抄  壹 【本文】 此御哥の心は此みかど仁心ふかくまし 〳〵て秋のかりいほのつゆしもにあれ てまばらなるに入り御らんじてたみ 百せうのかんなんをさつし給ひわれ はかしこくも一天のきみ【一天下(いちてんが=世の中全体。一国全体。)を治める君。天皇の異称。】なれどやはり わが袖にもつゆかゝれりましてやかろき【身分の低い】 ものゝなりはひするにはいかほどのなんぎ があらんとの御心なりかりほのいほと はいねのかりほなど入るゝ小屋の事也 【絵札】  天智天皇 秋の田の  かりほの 庵の   苫  あらみ 【字札】 わが衣手は  つゆに  ぬれつゝ 【画面右下】  国【國】貞改 二代豊国【國】画