芝居絵手本《割書:伊達錦対将 森田座|鳥居清長画》 卅 【検索用 芝居繪手本】 伊達錦対将 《割書:鳥居清長画|森田座》 伊達錦対将(だてにしきついのゆみとり) 【墨で書き込み】安永七戌霜月 【検索用旧字体表記 伊達錦對将 : 森田座】 【表紙に壽(寿)の字とhを三つ並べた紋が散らしてあるが、これは仲蔵の替紋で人の字を三つ並べてデザインされている。江戸で三人という役者になりたいという願いを込めたものとのこと。仲蔵は市村座の役者だったが、もめごとがありこの芝居から森田座に移ったという。ソース『戯場談話』歌舞伎年表より孫引き】 【本書は芝居のパンフレット的なもので、文中の人名はほとんどが「登場人物名/役者名」のかたちになっています】 【右上段】 あがたけんもつ仲八【うとう安方と別人?】 あんばいよし でん八実は為宗 長十郎女のなんぎ をすくひみな〳〵を せはして為宗と ほん名をな のり女に せきしよを とをれといふ   貞広妹はつしも万代   さたとう【貞任】    一子ちよ    どうじ     まん蔵 【右下段】 はん  の  ち  から  の介  此蔵  女を  せき  やぶり  といひ  とゞ  めん  と して 為宗に りつめに   あふ 【右中段】 安方妹 ころもで【登場人物名】 国太郎 わか君をともない せきをこへんとして とがめられしが為宗 が情をよろこぶ 【左上段】 貞任家来うとう安方仲蔵いもふとにめぐりあい主君 よりときのほろびしをきいておどろき此所にすがたをかへ いるようすは主くん貞とうおのへのまへに心をかけられ そのこひをかなへんためかなゆるまではわが女ぼう おのへのまへに似たるゆへみやづかへさせよとの しうめいぜひなく女房をしゆくんへ さし上おのへのまへをくどきおとさん ため也としさいをかたる 船頭ろ介 又太郎 実はいぐ【伊具?】の 十郎おのへの前 に心を かけ いたりし が此処に こと立ぎゝ あかた【安方】を こ ろ す 【左下段】 千代 どうし 万蔵 ころもで 国太郎 しゆくん ほろび 一もんがた ちり〳〵になりし ことをかたりさだ■【さだ任?】 うり【ママ、「より」の誤り?】 おのへの まへにおく られしかづき あにゝわたす 黒づか入【入道の道が脱字?】■五郎【判五郎? 役者名】 でわの判官大太郎【後半役者名】 あげや町の少納言【?】 半三郎 高ひろ親王 仲蔵 【右ページ中央】 しらいと ひめ 菊の井 【右ページ右下隅】 もの次郎【ママ、かもの次郎】 淀五郎 しんら三郎 又九郎 【右ページ左下隅】 ちか ひと しん王 大谷 国 太郎 染 五郎 【右ページ左上】 月日のみはた ふんじつのかもの次郎 【左ページへ】 新羅三郎両人のおち どまたしんら三郎と しら糸ひめふぎ也と いひつめ後につかん さまたげとなる ちかひと親王かん げんせしきよつら みな〳〵くびをうてと いひつけ八まん太郎の がくをひきおろさんと する所へしはらく 〳〵〳〵 大あたり〳〵 きんの八郎 又太郎 ちからの介 此蔵 しらつか入 道百合    蔵【? 役者名】 小山一藤五【?】  熊五郎 岩間の小二郎  光蔵    白石三郎 嘉十郎 【左ページ左隅】 魚川太郎【荒川太郎のあやまりか】 團十郎 あら川太郎まけず 人〳〵をたすけ 親王を引お ろさんとして いに【威に?】おそれしが 日月のみはたのありかしれしん王を引おろし みはたをうばいかへす  荒川太郎   團十郎 いつれもさまへの【?】 引 あわせを たのむが とくしんねへ【得心ねへ?】 といも ざし【かすれを別の資料で補う】 たで【たぞ?】 【右ページ中段】 ちかひと親王めのとはき原多見蔵 【右ページ下段】 高ひろしん王 仲蔵 ウー【?】引あわせを してやろう したにいろ 金の八郎 又太郎 【左ページ】 権のかみ ときさだの そく女 尾の邊前【おのへのまへ】 常世 安方が ぼう  こんに【安方が亡魂に】 おそれ よしいへより おくりしめいこうをたく【名香を焚く(挿し絵参照)】 安かたほうこん 仲蔵なとり川にて いぐの十郎がてにかゝりしが ほうこん主くんの■【望?】をかなへんと にしきをたて歌をかき かきしかづきのかた そでをわたさんとして    おのへの     まへを      くどく 【左ページ下段】 此所浄留理  大てき    〳〵 大あたり  〳〵 【右ページ上段】 上でうし 岸沢九蔵 三味線 岸沢 小式部 常磐津 兼 太 夫 ワキ同 左名【?】 太 夫 【左ページ上段】 ワキ同 仲 太夫 《割書:序|留|理》紅葉笠糸錦色木(もみぢがさいとのにしきき) 【右ページ下・訳者の説明等】 八まん太郎 よしいへ 團十郎 おのへ の まへ 常 世 ほそ布 うり【細布売り?】 実は 安方  もうこん【亡魂】 【左ページへ】 仲蔵 【左ページ中央】 悪五郎 ため つぐ 松介 【左ページ下、ストーリー】 悪五郎 高ひろ しん王よりの まわしもの にておりを うかゝひよしいへを うたんとする すいつゝの■の かけ■まんちうを【吸筒(水筒)の緒のかけと饅頭を?】 両のほうへあて おたふくしほふき のしよさ 大でき〳〵 大でき 大あたり 〳〵 大 ひやうばん 〳〵 貞任日本 くわいこくの しゆ行しや【修行者】 けんおうとみを【けんおうと身を】【落書き有別摺りで補う】 やつしよをし【やつし世をし】【落書き有別摺りで補う】 のぶこゝにまどろみ しがけらい安方 がありさま よしいへ おのへのまへが ていをゆめにみてふしぎにおもふ 【道標】従是右岩手山 じゆん れいまどろみしうち 同しくふしぎの ゆめをみてめさ めてみればわが そくがに ゆめのうち にみしかた そでのかゝり あるをふしぎかり 六ぶ【六部=修行者】をおこし ものがたり してさだとう【貞任】と さとりかたそでを あたへたちわかるゝ 【右ページ下】 しゆきやう じや【修行者】 げんおう 実は あべの さた とう【安倍貞任】 仲蔵 此所 せり出し 大 てき 〳〵 ばんな【?】ゆん れい【巡礼?】大悲【?】 大介実は くらんと政清【?】 團蔵 【左ページ上】 ちよくし中納言のり氏卿【コマ9では「より氏卿」】【歌舞伎年表「有氏」】 多見蔵よしいへかいぢん の後さんたいなき事ふ しん又ひけきりの めいけんを大内へ【内裏へ?】 さし上べしといふ かまくらの権五郎【平景正のこと】 團蔵りやう人をせいし ごこく【後刻】ちよくしへへんとう 申さんといふ とりの海弥三郎松介 高ひろしん王より のそへちよくし なりといひ 為宗と あら そふ いよの たん正 つた【ワた=和田?】 左衛門 【左ページ下】 わた左衛門為宗長十郎ちよくしをふしんがりみあら わさんとする 所へ 高ひろ しん王より のそへちよく しとりの うみと【鳥の海(弥三郎)と】 あら そふ 権五郎かけ政 團蔵 わん てつ を みとがめ あや し む 此所 ひやうし まく 大 でき 〳〵 【右ページ下】 狼谷わん てつ團十郎 ではのはん官【コマ5に既出】 いよのたん正 両人にたの まれちか人の【ちか人=ちかひと親王】 めのとはぎ わらの弟と いつわり■川【出川?】 のどゝきを【銅器あるいは土器?(挿し絵で壺を持つ)】 もち来りひ げきり丸を うばいとり 親王よしいへ をころさん とうけ合【?】 御てんへ【御殿へ】 しのひ入ら んとして かげ政にみ とがめられ あかりを けす 【左ページ】 女がていをみてほか【ほう?ほら?】 にて むね打にしておの れと てをおひおたへに かたるゝ【?】 わんてつ 團十郎 ひげきり丸としり てわんてつにれんぼしかけ てうちやく【打擲】にあいてをおいしをみて わんてつと【を?】うちほうけんをばいかへし【うばいかへし?】 かけまさにわたしよろこふ 【左ページ中央・女の足下】 おだへ 多見   蔵 【左ページ下】 ちよくしをあや しみれんほ しかけみ あわし やうすを きゝ いひ なつけ の女と しり一つ のかうをたてなは【功を立てなば?】 ふうふに ならん といふ ちよ く し のより 氏卿【コマ8では「のり氏卿」『歌舞伎年表』では「有氏卿」】 実は しつのめ おだへ多見蔵 みあらわ されてた かいに もち し 【すぐ下へ】 かう がい【笄】のあいしをみて【かすれを別摺りにて補う】 ようすをかたりひけきり丸 とりかへし一つの こうをたてんといふ 【左ページ最下部中央】 かけ政 團蔵 いせの次次郎又九郎よしいへと【かすれを別摺りで補う】 なのりむねとう【宗任】がうち かけしやの ねにて せつふく して しゆ くん さたとう むねとうの いのちこひを せしといふ かつたの 次郎【?】 山下又太郎 かけ政弥二郎【弥三郎?】にちしほ のそみし矢のねをめきゝ させちしほをあらいおとし しゅくんよしいへあべの よりときにゐかけし矢のねなりといひ 矢のねを弥三郎がみけんへ打みけんのち しほとあらいなかせしちしほと一つになり しゆへむねとうとみあらわしよしいへの【破れを別摺りにて補う】 ばつかにつけといふ【破れを別摺りにて補う】 鳥の海の弥三郎実はあべの宗任松介【破れを別摺りにて補う】 かけ正にみあらわされいせの二郎【次郎】心ざし【破れを別摺りにて補う】 をかんじよしいへのすみつきを■■立わかるゝ【破れを別摺りにて補う】 【右ページ中段】 是より二ばんめ はし まり 【右ページ下段】 かけ政 團蔵 【左ページ】 国たへいもと にしき木 多見蔵 しゆきやうじや 玄翁実は【かすれを別摺りにて補う】 貞任仲蔵 あかたが【安方が】 女ほうの いるをみて ふしぎがり あるじの名は国 たへと きゝおど ろく 国たへめかけみさき 実はあかた女ぼうおゆき 常世おもわずしゆくん さだ任に あい おどろき 国たへ にあや しまれ さあらぬていに してつぎに 此所へきたり ようすをかたる 【左ページ中段】 どくろはい【髑髏杯】にさけ【酒】 をかけしがちゝよし時の【破れを別摺りにて補う】 どくろなることを きゝむねんがる 三浦の 平太夫【大夫?】 国たへ 團十郎 ゆきくらし たるしゆ きやうじや をとめ ものがたりして より 時 の どくろ をみて さだ とう と さとる みさき 清兵衛に くどかれ なんぎ する所おつと のさいごをきゝ かなしみおつとの かたきはいぐの 十郎ときく しやうぶして あやうき所 へ貞任来り いぐの十郎を うちかた きをとる 【右ページ中央】 安方ほう    こん 仲蔵 【右ページ中段】 あらわれ うたれし ようすを かたり かたきを しらする 【右ページ左端、子供を抱いた女性】 常世 【右ページ下】 石切清兵衛実はいぐの十郎【船頭ろ介】 又太郎おのへのまへ似たるゆへ みさきにれんぼして石切 と なり 此やへ 入 こゝて【ここで?】 いろ 〳〵 くど き ゆき ぜめ に して やす たか【安方】を うちし ■■  あら われ うたるゝ 【左ページ】 さだ とう わがこの ■■に こゞへるをみ て■【も?】 本名をな のらずむ ねんとこら     ゆる 平太夫国妙 團十郎 みさきを貞 とうの身 よりのもの とさとり 国松もとも にゆきぜめにして しゆ行じやに本名を なのらせんと国松を てにかける おゆきちよどうじをかいほう し国たへをうらみかなしむ 国松実はちよどうじ 万ぞう 【左ページ下】 貞 任 仲 蔵 みさき実は 安方女ほう おゆき常世 国たへいもうとあにのかくまひ おきししんら三郎と なれそめあと をしたい ゆかん として あに平太夫【平大夫=平国妙】 にいましめられ しをひききりしんら三郎の あとをしたひゆく 多見蔵 やつこよど平 さゝゑる 淀五郎 【右ページ下、石に書かれた文字】 爰貞任討 可取者也 清長画 【右ページ下】 那古以蔵【?】 志賀右門【志賀右衛門】 ひきの藤馬【?】 仲八 貞任石面 に父よりときのほろびし ことをしるしあるをいかり 石をぶちかきしに 【左ページ下へ】 あいづののろし あがり 貞任を とり まく 貞任 国たへがなさけをかんする 仲蔵 ちよどうじ 万蔵 国たへが一子 国 わか と なのり 貞任を うら める おゆき【安方妻みさきの偽名】 常世 【左ページ上】 としをへし糸のみたれのくるしさに ころものたてはほころびにけり あべの貞任へ八まん太郎 よしいへげんざん〳〵 團十郎 大でき 〳〵 あか坂 つう八 三木 蔵 細佐【?】 藤次【?】  熊五郎 【枠内】 《割書:狂言|作者》河竹新七