【表題】 嘉永七寅            奈良 六月十四日  大|地震(ぢしん)|退治(たいぢ)ノ図    御固 夜八ツ時ゟ           郡山 【本文】 此度世をくつがへさんとはかる ぎやくぞくぢしん直ニあらわれ いで和州にはたヲ上る昔廿五年 いぜん京都ニおこり近年ニハ 信州善光寺ニて はびこり大きニ勇ヲ ふるふ諸人おそれを なす古今(ここん)がう てきすでニ 今奈良 郡山伊賀 江州 数百人ヲ打取 手|負(おい)かずしれず 其外諸〳〵ニ出ばり して人をそんずる 事おびたゞし 山城木津を水ぜめニして ふく井四日市をやきうち にして猶八方ニ手 くわりしてあれまわる ところ勇士の めい〳〵これヲ ほろぼす 【上段の武将名、右から左へ】 地|鳴(なり)五郎音高 家蔵|倒(たお)四郎一|烈(れつ) 《割書:四日|市》命(いのち)尾張守|牮(うし)落(おち) 四|方(ほう)真(まつ)九郎|鳴(なる)成(なり) 《割書:奈|良》|咥(け)ケ(が)尾(を)駿河守|倒照(こけてる) 《割書:フク|井》|当分(とうぶん)壱岐守|親(しん)類 破損(はそん)津九郎 大|道(どう)|割(われ)太 難(なん)義|至(しご)九郎 腰抜(こしぬけ)仁次郎 【下段の武将名、右から左へ】 《割書:江|州》怕(びく)り隠岐守|粟光(あわてる) 玉|良(ら)仙蔵 則死(そくし)|大炊(おい)之介 子供|阿(あ)ぶ内 哀(あハれ)|難(なん)十郎 《割書:上|の》融(ゆう)月長門守|渋永(しつこい) 地震(ぢしん)由(ゆ)三郎 病気(ひやうき)出太蔵青成 加|戸(ど)出|寝(ね)太郎 《割書:木|づ》水賀出羽守|狼狽(うろたへ) なん藤正造|当惑(とうわく) 志方(しかた)内膳(ないぜん) 比(ひ)引左衛門|大恐(おそろし) 東京大学図書之印 0011841830