【絵の説明】 難義鳥(なんぎてう)   大地震の翌晩 四つ時より郭中の真うへ 并に芝居町のほとりへかけて あやしき鳥あらはれその鳴くこへ 甚た哀なり或時諸職の ものども嘉肴をとゝのへ 酒もりしける坐中より 大鯰の肴をさらひとり虚空 はるかに舞登りけり まことにふしぎの事共なり これ定て深き意味ある事 なるへけれともその次第をしれる もの更になけれは人〳〵 深くあや しみ けりとそ のちかならす おもひあたる 事あるへし と尓いふ