【「震焼者附」と同一の冊子らしく、その左葉を見ると暖簾の右側に看板らしきものがあるので、その看板の文字を補足しておきます。】 《割書:打身|骨抜》即席御りやう治《割書:火出し仕候|外家医前銭》 【暖簾】 瓢磐亭 【行灯?の文字】 江戸前【小字】 鯰大家破焼【大字】 なまづ【小字】 大かばやき【大字】 御披露(ごひらう) 一 御町中様 万歳楽々(まんさいらく〳〵)御(ご)軒別(けんべつ)にゆらせられ仰天(ぎようてん) 地獄(ぢごく)に奉存候しづまつて私義 先達中(さきだつてぢう)江戸前(えどまへ) 鯰(なまづ)大(おほ)家破焼(かばやき)自身(じしん)大道(たいだう)ざき仕候所ゆり出し焼失(しやうしつ)より 家蔵(いへくら)身代(しんたい)迠(まで)御ゆりあげ動揺(どうよう)向(むき)被仰付候段 大変(たいへん)時(じ)こく 古今(ここん)に有(あり)がたく 奉損(そんじたてまつり)候 猶又(なほまた)今般(こんぱん)御 愁(うれ)ひの為(ため)市中(しちう)なんぎめし 此(この)末(すえ)どうぜう汁(しる)打身(うちみ)骨抜(ほねぬき)即席(そくせき)御りやうぢ取合(とりあわせ)格別(かくべつ) 風儀(ふうぎ)宜(よろし)く世直(よなほ)し仕差上可申候間 民(たみ)の竈(かまど)の御 賑々(にぎ〳〵)しく御(ご)威光(いくわう)駕(が)の程 一偏(ひとへ)に奉願上候以上 【お品書き 大字】市北うなんきめし 【以下小字】御救御一人前 五合宛 【お品書き 大字】此末とうせう汁 【以下小字】ことし一ぱい難渋見聞 卯十月二日夜ゟゆり出し みせひらき焼失 麁かゆ差上申候 神座鹿島町 かなめ屋石蔵 嘉永七寅六月十四日 大地震に付て 此度大 阪【ママ】の万民近国に大 変(へん) ありしかども無難(ふなん)に有し事の うれしさのあまりにて 天下 泰平(たいへい)五穀(ごこく)成就(じやうじゆ)家業(かぎやう)長久を よろこび日夜 異形(いぎやう)のふうていにて 諸社(しよしや)に参詣(さんけい)する事引もきらず こゝにふしぎの珎事(ちんじ)あり摂州 西成郡 御影(みかげ)近辺(ほとり)山 崩(くづ)れ 岩(いわ)の間より霊水(れいすい)わきいだし 去年(きよねん)の日でりにこりたる百姓 田畑(でんばた)此水にて大いにうるをし みなみな〳〵貴異(きゐ)のおもひ なし此(この)後(のち)豊年(ほうねん)の 吉瑞(きちずい)【随?】とぞ万歳を うたひける 【冊子の表紙】 安政二乙卯十月二日夜大地震【小字】 世直り細見【大字】 江戸大火