芝居繪手本 安永七戌年 瞻雪栄鉢樹 中村座  鳥居清長画 十六 【検索用 芝居絵手本】 安永七戌年 瞻雪栄鉢樹 鳥居清長翁 中村座 瞻(もとみし)雪(ゆき)榮(さかへ)鉢(はちの)樹(き) 中村座 【右上】 わかさのぜんト やすむら 純右衛門 やす むら 金くわん は□ を もち 三人を けつとう する 【右下】 桜井七郎松蔵 桜井七郎 しやう がいせんと せしこと 松ゑたにとゞめ られたがい のかたなを みて きやう だひと しり な のり 合 三人 にて やす むらを ささ 松原 三郎 孫三郎 林田の四郎 小山三 はるの部 松 代 ぜんじ やすむら 純右衛門 天下の 御しゆう ずゝと 色山とともない いで安村をさゝへる けいせい 冊前久田里好 【右頁上】 ■ くせものゝあとを つけきたり かたなの のりを ぬぐい    さく出る 【右頁下】 源藤太友右衛門 あくじをたくみ くらまきれに しんのうを ぬすみ いだし 人しらず てにかけ たちのえ とするを さく られ きり はらふ むね たる しん■ 松代 【左頁上より】 ■□幸四郎 りやり人を とゝめ大介 に■人のいへの たつべきにん じつせしふじ まきのかまの ありかを たづね出 すべしと いひわかるゝ かつ山里好さいぜんゆび をきりしそのちしほおもわず ■さくのたにかゝりしがちしほの たゝみしをみてもしやたづ ぬるかたきとあやしむ 大■三津五郎かつ山はさく のむすめなることをしりつね よりたへ来たりしよりを■ときゝ 【左頁中】 つねよけい■つきはし 広右衛門 さすれは かたきは つきはしなりと つめかくる  【左頁下】 行のかげへ しのびしが かつやまこ ゆびを きりしを おどろかれ なぎなたの ち しほ をふみ かく お ちす それを みて物 は此なき なたにて くわ人と かつ山とのり  ちしほとゞ まりおやこ ゆへちしほ 一つになり しは 【右頁上】 さいめうじ■頼よりのちよじをゑちごの守 光時と立あらわし上使のおもむきは くわんばくの娘をやうし【養子】にせしはせい てう【成長】ののちしんわうとめあわせ むほんのねさしありとうたがい かゝやうし【養子】 せしあや こ ひめの くび をみつべしとの じやういさしあたるなんたい【難題】ゆへ 何とせんとつねよにとひ 梅さくら松の元を給はて 占をひきみる さいめうし時頼入道四郎十郎 源孝太 友右衛門 つねよいつれをきらんと とうわくしひめになけきし 桜木をきりみかわりを たてんとおも 【右頁下】 つきはし【継橋(常世の継母)】 広右衛門 源左衛門 つね世 幸四郎 【左頁上】 つね世幸四郎わがこたまつさ をあやこ姫の 身がわりにせんと したひ来りし 女ぼうにわざと つ れなく あたりむほんにんあさ はらが いもとなることを しりりゑん じやう【離縁状】をわたし のちにりゑん としまぢかい【間近】を みてまこと をあかし しうたん【愁嘆】 す 此■経 松永忠五郎 めりやす【メリヤスは長唄では楽曲を意味するが、義太夫では旋律を意味する。長唄のメリヤスは手ほどきに使われることが多い。その理由は曲のテンポがゆっくりで簡単な手順で構成されているため】くきの夕べ大てがら〳〵 【左頁下】 しろたへわかみを くやみじかい【自害】 してみがはり のやうすを きゝおつとの こゝろざし を よろこび さいご しろたへ 半四郎 実は  あさハラ 【右頁】 新五左衛門伝五郎 源左衛門にたの まれしを はくしやう する めのと八重      桜 しげ八 むね たか しん王 吉次 大でき〳〵 秋田主馬之介 こま蔵 源左衛門つねよ 幸四郎 【右頁下】 あかほし大郎 三浦右衛門ほうけんのとうぞく を引立きたる つぎはし 広右衛門 つねよにあつこうしておやあま とのえんを切つねよが よろひのかた袖を■み い■のせんじをうちしをつね よになすられとせし ことあらわれ む ねん がる 【左頁上】 さいめうじ時より 四郎十郎つねよか ちうしん【忠臣】にてふんしつ【紛失】 のほうけん【宝剣】をとりへ よろこひ給ふ あをと五郎 門之助 あしかる高岡清右衛門片蔵   やつこ さふ            六 八蔵 【左頁下】 つねよ玉【□つ】さを あやこひめのみかはりに たてくひをわたして 上しのみつ ときを かへし 源藤太 友右衛門 源藤太か悪し【悪事】をあらわし おやこのゑんをきりし ときいてつきはしがたくみ をあらわす源藤太つき はしと心をあわせ四はう のおちとをこしらへつね よをつみにおとさんと せしかへつてたくみをあ らわれ まことのしん わうをみておと ろきいふく大小をはかれ【衣服大小を剥がれ】おいはらはるゝ 【右頁】 【枠タイトル】 なつの部 【右頁中央】 みつとき 沢蔵   みつとき松へた■両人 ときよりのおゝせを■けんし  なみきぬにちからをつけか ゆく 松枝三郎改三郎 【右頁下】 つきはし広右衛門いくのせんしをうちし事あらわれなみきぬ とせうふしてさころもを かへりうちにしてなみきぬに てをおらせうち とめんとせしところ にかみ なり にお それ う た るゝ なみきぬ 里好てをいなからつきはしを しとめちゝのかたきを打 ちゝのいへにつたはる一くわんを 取 かへ し よ ろ こふ 大介妹さころも富五郎 【左頁】 【タイトル枠】 あきの部 大介 しなのゝ介 大くらのいなり へしん くわん あつてさん ろうする 此所浄瑠璃にて せり出し はなやか 大てき〳〵 【左頁下】 二かいどうしなの介 門之介 大くらの小女郎 きつね 半四郎 ゆげ 大助 三つ五郎 【頁上段】 名見崎 徳治【 富本節の三味線方 六代目 名見崎 徳治】 富本 豊前太夫【富本節の太夫の名跡。代々家元を名乗る】 同 斎宮太夫 同 富太夫 上るり 色時雨(いろしぐれ)紅葉(もみぢの)玉垣(たまがき) 大くらのふうふぎつね いなりのしんぜんにこめ ありし八ゑがきのみかま ふんじつ【紛失】ゆへめうふのくわんを とられみかまを たづね いたさんと心をくだく あかほし妹秋しの 久米次郎 【頁下】 万作狐 三つ五郎 すがたを かへて  信濃介 がなん ぎを すくふ 信濃の 介 門之介    小女郎狐 半次郎 【右頁上本文】 ふうふ ぎつね しなのゝ 介に めい 玉 を あた ゑら れ もと の ふるすへ かへらんとよろこぶ 【右頁 登場人物•役者名  女郎狐より時計回りに】 女郎狐 半四郎 入道 三甫蔵 伝五郎 大右衛門【これは左頁の亀甲衣装の役者カ】 利根蔵 万作狐 三つ五郎 【右頁左下段】 入道がけらい と□みち し きつねにばかさるゝ 【左頁登場人物•役者名 ひわた御せん「般若の面をつけている」から時計回りに】 ひわた 御せん【檜皮御前】 ぼうこん 三甫右衛門【中島三甫右衛門 6世まである。此処では年代から見て2か3世か。1762年「宝暦12」冬、中島三甫蔵から2世を継いだ】 【ひわた御せんの下へ】 【亀甲模様の衣装役者の名は大右衛門カ】 ■【かとう之介 虎に座っているので】 之介 こま蔵【 三代目 市川高麗蔵 二代目の子、1764–1838。五代目松本幸四郎】 あおと五郎門之介【青砥五郎 二代目市川門之助】 つまもりのうちを あやしみあらそひ はた 引だす 時よりに うらみをな さんといふ 秋田城之介【古代の秋田城鎮衛司令官。平安中期ごろ出羽介が兼任、後期以後は空職化したが、武門の名誉とされた】 孝四郎【松本幸四郎4代目あるいは5代目】 是より 第二はんめのはしまり 【右頁上段】 しなのゝ介 門之介時よりの 仰をうけ孫三郎に 天下のせいとう をたのまんため のしやしや にきたり かへりをまちうける あをとむらの浪人 あをと孫三郎ゆき みにいできやくのある しらせのうぐひすの こへを きゝ 立 かへり しばらく あつて しなのゝ介にたいめんしてやうす をきゝもろこしのこじ【故事】を引きのちまでに 【以下の文は右頁最下端にある】こおらいのけんとらせんといふ【高麗の剣】 【右頁下】 青と孫三郎 孝四郎 孫三郎女房 おりゑ 実は しなの介【しなゝの介とあり】 あね やどり木 あやめ【芳澤あやめ】  【左頁上段タイトル枠】 ふゆの部 【本文】 青と村の 庄や甚左衛門実は 浅原八郎 三甫右衛門 庄弥惣 左衛門ふう ふをせ わ に して 孫三郎も二りのへ やうつりさせる はしばの ぜん ■ちう 武■ 【中段】 あおと村 浪人 弥惣右衛門 実は万作 きつね 三つ五郎【坂東三津五郎】 【下段】 弥惣右衛門女房おたま実は小女郎狐 半四郎【岩井半四郎】 【右頁上】          【】 弥惣左衛門女房 おたま 幸四郎 庄屋 吉次郎 孫三郎 にやち んの さいそく【家賃の催促】して ふうふけんくわ【夫婦喧嘩】 をとりさへる【取り押さえる カ】 三甫右衛門 弥惣左衛門孫三郎が 二かいへやか はりしてやき もちけんくわ してさり状 をかく 孫三郎女房 おかゑ あやめ 【右頁下】 孫三郎女房おかゑふう ふをなだめお玉おつとの よりそいしをみてりんきし ふうふけんくわするを庄や 弥惣左衛門にかいよりおりたがいに 女房をとりかへる 孫三郎 幸四郎【松本幸四郎】 【左頁上】 女房おかゑ あやめ【芳澤あやめ】 源藤汰 友右衛門【二代目大谷友右衞門】 かまくらをおひはらはれ 此所へまよひ来り したのやうすを 見てあやしむ 弥惣左衛門 三つ五郎 【左角枠内太字で】 《割書:狂言|作者》桜田治助 【左頁下】 孫三郎幸四郎小女郎がてい をあやしむ にかいよりおちしあづきがゆに ねづみのつきしをみてしやうをあらわす 小女郎狐半四郎 【芝居を褒める掛け声】 大でき〳〵 大あたり〳〵 野惣左衛門源藤汰を よひかへしいちやの やどをかしちそう【宿をかし馳走】 して にしきの ふくろ を みとがめる 清長画 【左頁左肩に図書標】 【「特別」印あり】 京 38  376 【裏見開き左肩に図書標】 京 38 376 「特別」印