《題:《割書:繪|本》駿 河 舞     全 》 駿河舞合本【赤字】 駿河舞 《題:繪本武将一覧 ■【五?】》 駿河舞 耕書堂に奇石あり其かたち鷄に似たり とて金鶏石となつくやつかれ過し頃より 深く此石にこゝろありしかとあるしの 寵すくなからねはこふへくもあらすいとむなし く過にきことしすかの根のなかき春の日 やほやちまたの名所をさくりたはれたる歌 百首を撰て己か書斎の一物となしむさと 人にはみせさりしにいかゝしてやこの事 耕書堂にきこへ侍りけれは主のとく来て いへる此集いたつらに紙虎の居膳となさん よりもとみに梓にのほせて四方にはしら しめんよ君かつ我に得させよ是に報?に 品ありとてひとつの璦函を出してうや〳〵 しくもひらきたるはなんそかの金鶏てふ 奇石なりそもこの石や予にありてはさらに 葛山人の烏石にもおなしかるへしあまり にもふしきにもかゆき所に手のとゝくこゝち せらるそのうれしさいふへくもあら ねはかの乙女の天の羽衣を得しこゝちして 駿河舞とはかいつけ【搔い付け】侍る          奇々羅            金鶏  寛政二戌とし     しるす       初春 芝居 二丁  まち 見渡  せは 茶  や   の 軒 はの 花 紅 葉 けふ 顔 みせ の 錦 とそ 見る 酒楽斎  瀧麿 湯嶌 世中の  人を  むなしく   なさし   とや  天か  下谷を  見 はら  し   給ふ 南阿散人  □【巾偏+尉】翁  佃嶌 すみ  よしの    松に  かつらの   かゝり     船   帆   こしに    見ゆる   岸に   藤波    小判長丸 駒込  冨士  詣  駒込の 不二は  駿  河   の  継【鑓?】  穂 にて  花の お江戸   に  花 咲や   姫  駅路  元道 王子村  美隣 午の日   を  かけて のり 出す  膝  栗毛  飛鳥  の 花  に  ひ かれ  てそ ゆ  く 亀戸村  藍植雄 万代の   亀の   ゐところ     住所    水も  天満  大  自在  なり 【亀戸天神社 天満大自在天神】  駿河町 するか   丁  つむや  小判の   ふし   の山   また   南鐐【二朱銀】     の   しら   雪も   あり    寝語軒    美隣 茅場丁 植木やの  みせも   るり   かう【薬師堂の本尊薬師瑠璃光如来】   薬師前  ならん     て ひら  く  花    美隣  と  から   かさ   神田   明   神  将門   の  酒の かん   田   と  なりに   けり   樽に   七ツの  かげを  のこ   寝語軒  して     美隣 氷 川 明  神 祭 礼 は いつ  も 六 月 十 五日  あつ さに の ども  氷 川 明  神  桐 君 山人 三圍  稲荷 みめ  くりの  いく みめ  くりか   歩行   ても   あも【き?】   はの  更に あかぬ  もの   から 奇羅窟  金十  両国 両  国の いくよ  もち【幾代餅】    月  詠れ    は  岸  には  波の   あは雪も  あり  雪 見 斎  白樹 高田  馬場  遠 的  の ねら   ひ たが はず  あたり   ては  はなに  高田の  馬場も  みゆら    し  寝語軒  美隣 日本橋 双六 の 箱  根  の 手形 わすれ   なは  こゝ  まて  こされ  花の 御江   戸    路   美隣 冨岡 神垣も 春は 霞の まくの   うち   冨か   岡   とは  関 とり   の 名か  美隣 笠 森 稲荷 諺に 掛て とつた やう な  とは  この かさ もり   の 神の きどく  木枯    か   森近 品川 傾城  の 懐へ 手を 入海は  一夜 とまり   の かゝり 船かも  安茂仲和呂 羅漢寺   美隣 施餓鬼  する 地獄   の さた   も 銭  次第  旦家  の つゝむ 五百 らかん  寺 妙見 の 松 霜も   ふり  星も  ふるらん   妙見   の  松は   元  より 千代の  名に    おふ   美隣 鮫頭 海 晏寺 つか  の まに 凌し さめつ    の  紅葉ゝ     は   名に   ふる  寺の   目貫   とや    見ん    奇々羅    金鷄 驪不動【目黒不動。古事類苑では妻驪不動。】  有渡大凢工 雨風  の きづ かひ   は な し  目 黒 尊  木にも  竹   にも  もち こたへ つゝ 中洲  臘扇亭   夏炉 両 国  と ならふ 中洲  の はれ  角力  はやくも  沖へ つき  出し   の   茶や  浅草寺   月漣舎     巴明 目貫師  の たかね   も これ   に およふ まじ  金 龍 山の 堂 の 勢ひ 御殿山  参理  朝居 きのふ   とは うつて  かはり    し  ごてん山 けふは  桜の しろ地 かちなる  霞か関   布留道具有  名にし    おふ   霞か   関の   春は    なを   花の  お江戸    の  不断  さくら    田?   画工  喜多川歌麿   剞劂 小泉新八 年々歳々桜木の花あまたなれと 歳々年々新板のたねおなしからす 猶 画図(ぐわと)の手をつくし彫刻(てうこく)の功をはげみ めづらしき品おもしろき草子追々出来仕候間 幾千代かけて不相替御求御覧可被下候 已上    永壽堂蔵板繪本目録 繪本武将一覧(ゑほんぶしやういちらん) 全三冊   仝  吾妻袂(あづまからげ)  全三冊 仝  武将記録(ぶしやうきろく) 全三冊  仝  江戸爵(えどすゞめ)  全三冊 仝  八十宇治川(やそうぢがわ) 全三冊  仝  駿河舞(するがまい)  全三冊 仝  譬喩節(たとへのふし)  全三冊  仝  詞(ことば)の花(はな)  全三冊 仝  吾妻遊(あづまあそび)  全三冊  仝  天能川(あまのかは)  全三冊 寛政九<割書:巳|>正月     平野町御霊筋    浪華書林      明石屋伊八 板