【巻物題箋】 百人一首絵【繪】抄  三十四 【本文】 此心は人はいざとは人はしらずといふ 義也人はのはの字つよくあたる心 ありつらゆき初瀬の宿坊久しく おとづれせざりし事をあるじ恨けるを 人はともかくもあれ此花ばかりは我 おろそかならざる心をしればこそむ かしにかはらぬから匂ひてうらめる いろはなしといへる也ふるさとゝいへるは 年頃【数年または長年の間】やどりつけたる宿坊をいう【「ふ」とあるところ。】 【絵札】  紀貫之 人はいさ 心も  しらず 故郷は 【字札】 花そ  むかしの 香に匂ひ    ける 【画面右下】 国【國】貞改二代目    豊国【國】画