【タイトル】流行浮世咄(りうかううきよはな)し 「モシ日光(につかう)のおやかた こんどは とんだ さいなんで からきしまるはだかサ それでも はうばうから か神馬(じんめ)ェも いただいたが 壱本や仁王(にわう)のかね では 三社(さんじや)くまぐちも むづかしいトいって ゑんま ゆかりもねへところへいって いんぐわ地蔵(ぢそう)をは なしても おらァ 矢大神(やだいじん)といわれては はうさう かといつて けへられもしねへから くめの平内(へいない)を うけ人にたのんできやうと 思つたが あの人じやァ かたぞうだから そこで おべんさんをせう人にたの んできたのサ どふぞ ごろつきなかまのよし みに かしておくんなせへ 日「なるほど さぞこまる だらう これまでとちがって しよしきは たかし おれのはうでも いろ〳〵と ものいりは つゞくし 思ふ やうにはできねへが のかれねへなかだから すこし ぐらへは どうかしやうが このごろでは てんきつがふ がいゝから まるであそびヨマァ こうやって がまんはして ゐるやうなものゝ きげへのきものまで□れこ しきときてゐらァ おれなん そは からきし きたなり(北鳴)だ からこまりやまよ アハ……… 【画中セリフ上】 「わたいが うけ人だから とふぞかしてあげ申て おくんなさいましな 【画中セリフ下】 両人 「おやぶんなに ぶん おたのみ 申やす なかくは かりねへしきに けへすはナ