【右】 搖籃(ゆりかご)の歌 新興東京が初めて世に問ふ濱本浩原作の映畵化 「婦人俱樂部」所蔵 原作・濵本 浩 脚色・如月 敏 演出・靑山 三郞 撮影・行山 行一 廿四日封切 明眸 眞山くみ子 主演 新田 實・江川なほみ・杉山美子 共演 初戀の、すべてを捧げし純情も!無殘、遂 にふみにじられ、愛しの我が子も行方知れ ず! 哀れ! 麗はしく若き母が、愛兒を 尋ねて、切なき胸に歌ふ、思ひ出の「ゆり かごの歌」よ 處女も泣け!母も泣け! 若さの感傷と純愛に淚せよ! 【左】 新春「家庭日記」と同時封切松竹京都大作「白鷺の歌」に於ける  高田浩吉と伏見信子 天津映畵舘 特別三區二經路一六  電二・三二二三番 【上段】 今週の映画  大地の妻    監督  深田修造    脚本  荒田正男    撮影  渡邊健次    松竹大船品作     配役 村井元太郎  河村黎吉 妻 兼    葛城文子 村井修一   笠 智衆 息子清一   大塚紀男 彦一の妻お浅 桑野通子 柴田末子   水戸光子 蛭 光子   平野鮎子 白石     近衛敏明 薩摩老人   野寺正一 梗概・炭焼業の元締を本業とする村 井家では三年目に帰郷する一人息子 の彦一を迎へる為め大騒ぎであつた わけてもお浅は久し振りに鏡台の前 に座つたが彦一への熱い思ひをかく しきれなかつた。然し彦一は錦を飾 つて帰つたと集る村人の暖い心を裏 切り両親やお浅や我が子清一の切な る愛情をも却けて東京で経営してゐ る工場の資金の調達が出来ると早速 帰京して了つた。お浅の失意を見兼 ねた元太郎の勧めで彦一の許へ行く ことになつた、お浅は忙しい農家の 妻として老いた両親を助けて蔭日向 なく働く純な優しいの嫁であつた。 都会人になつた夫の足手纏にならぬ 様にと彼女は村長さんの所へ通つて 洋服の手入や新しい作法を習つた。 旗本五人男     原作  前田 豊     脚色  三田村 豊     演出  二川文太郎     撮影  石村蘇鉄     松竹京都映画      配役 此村 大吉   川浪良太郎 大河内 善兵衛 山路義人 座光寺 源三郎 結城一郎 飯飼 五郎太夫 山田寅平 贋浪人     高松錦之助 旗本松平帯刀  中村吉松 金城屋宇吉   堀 正夫 中村仲蔵    坂東橘之助 文字春     伏見直江 駒形の岡ツ引弥三郎         加藤貫一 三河屋 娘お品 大河三鈴 梗概・雨のどしや降る深夜の江戸で 何者かの為めに三河屋の主人が殺さ れてゐた。その現場に同じ頃行き逢 はせた者が、三河高利貸の金城屋宇 吉も仲蔵も見掛けてその中に定九郎 のヒントを得た御家人実はぐれ旗本 の此村大吉だつた。日頃から行状の 良くない大吉に自然疑ひの目が光つ たが当の大吉は知らん顔、彼自身は 師匠文字春に小遣ひを貰ひ三河屋の 娘お品との間にかすかなる恋情を通 はせてゐたのだつたこゝに大吉は一 度殺人の嫌疑で一夜を番所で明した がお品に逢つてからは中年の恋をし かもお品が、大吉を憎からず思つて ゐると岡ツ引駒形の弥三郎を金で殺 し大吉をお品に討たせ恋の邪魔物を 除いた上お品を自分の物に仕様と企 んだ。     十二月 十六日より         廿 日まで 【中段】 次週二十一日公開! 怪談鴛鴦帳   絢爛妖奇を孕む新興京都全女優   総動員映画!  非業の最後をとげた母の形見、此【「雌」の誤字か】雄二個の鴛鴦の鈴を持  つ美しい姉妹の復讐を中心に数々の怪奇と戦慄の世界に  春宵むせかへる大奥女中の情艶と華美を繰り拡げる猟奇  絢爛篇。  松竹少女歌劇から新入社の雲井八重子、松  浦妙子がデビユウし、鈴木澄子、森静子等  新興京都女優軍総動員に松竹京都の柳咲子  劇団より中村扇女、中村小扇特別出演文字通り女ばかり  の豪華映画監督は「有馬猫」の木藤茂。 二人は若い   無鉄砲極る駆落綺談!  河津清三郎  高津 慶子  古川 登美  築地まゆみ  葉山千代子  大井 正夫 新春堂々封切 家庭日記   原作  吉屋信子女史   音楽  伊藤宣二   脚色  池田忠雄     大毎・東日連載   撮影  齋藤正夫     清水 宏作品  辻一郎  上原 謙    辻友衛  藤野秀夫  卯女   桑野通子    巡査   坂本 武  品子   高杉早苗    家寿子  吉川満子  生方修三 佐分利信    松や   高松栄子  原紀久枝 三宅邦子    医者   水島亮太郎  八重子  三浦光子    鐘吉   トーチカ小僧   将来の出世の為に恋人紀久枝と別れて品子と結婚し、  大学の研究室に通つてゐる修三と両親の反対を押し切つ  て女給の卯女と結婚した一郎は親友同志であつた。   大連にゐた一郎は東京の写真会社に就職したのでわが  児鐘吉をつれて帰京し修三の近所に住む事になつたので  昔通り彼等の交際が始められた。貞淑な品子は勝気で無  教養ではあるが明朗で人なつこい卯女に好意を持つた。   或日卯女はリラ美容院を経営してゐる親しい間柄の紀  久枝を訪れその妹八重子から修三との過去をきかされた  そして紀久枝は卯女と修三との進めで銀座進出を決心し  修三の潔い友情を受けて彼の友人久保のビルの二階へ店  を出すことにした。 白鷺の歌   高田浩吉  伏見直江   伏見信子  久松三津江   柳きく子  天野刃一 【下段】 揺籃の歌と同時 新興京都夏季三大作の一 六大スター顔合せ大競演  大谷日出夫  浅香新八郎  尾上栄五郎 原作大佛次郎・演出西原孝  歌川絹枝  高山広子  国友和歌子 地雷火組  かつて全フアンを興奮の嵐に捲き込んだ名作の初めてのトーキー化 廿四日封切