【本文は三段構成】 【第一段】 ぢしんゆりいへくら大いにくづれ長者 はなはだ心をくるしめいかゞはせんとせし ところへ福神きたりたまひ長者を さとし玉ふ大こく【大こく:小書き】〽これ〳〵【これ〳〵:小書き】手まへが先祖より ためたる所のこがねなれどたゞ〳〵かねの ばんにんをしてゐるばかりではいかぬ ものじや世かいの宝はゆうずうが かんようだかくまいつてゐなけりや ならぬこれ【これ:小書き】このやうにくらいふるひ いへはくづれてゐるとてもなんにも きをおとすことはないありがねの うちはんぶんはおほくの人に ほどこしてそのいんとくの よけいにてその身もます〳〵 あんおんにいへくらやしきは いくつでもあとから▲ 【第二段】 ▲できるもの まづぜんごんをさきとして 【第三段】 記号【記号:瓢箪形】心得ましてござり升 しかしこのかねはこのまゝ つみおきましてすこしの かねをいだしましてうなぎや のみせなどに見へます あのなまづをかひとり 大川へはなしましては とうてござりま小 大こく【大こく:小書き】「それもいひがなぜ かねはだせねへのだゑ【ゑ:小書き】 ゑひす【ゑひす:小書き】「さやうさねゑ【ゑ:小書き】 もち【もち:小書き】「へい【へい:小書き】なまづめを はなすよりは つらふござります 人をたすけるくふうを さつしやれゑびす【ゑびす:小書き】「それ〳〵 大黒どのゝいはしやるとほり 此せつおほくのこんきうにんへ せぎやうをいだすものあまた ありこれらの人もふ□ん□ おもひその身のくわふくは 二のつぎにしてけがあやまちの ないように□□しらをしんじる まででもねへいんとくさへほど こせば神はまもるがあたりまへ なんとほどこしするきはねへか もち丸【もち丸:小書き】「もう〳〵【もう〳〵:小書き】なにごとにより ませずおさしづしだい記号【記号:瓢箪形】 【第三段】 記号【記号:瓢箪形】心得ましてござり升 しかしこのかねはこのまゝ つみおきましてすこしの かねをいだしましてうなぎや のみせなどに見へます あのなまづをかひとり 大川へはなしましては とうてござりま小 大こく【大こく:小書き】「それもいひがなぜ かねはだせねへのだゑ【ゑ:小書き】 ゑひす【ゑひす:小書き】「さやうさねゑ【ゑ:小書き】 もち【もち:小書き】「へい【へい:小書き】なまづめを はなすよりは つらふござります