[表題] ほね抜 どぞう 《割書:なまづ|おなんぎ》大家場焼 【本文 上右から】 □【か?】しま【鯰をさばく姿と台詞から「鹿島」神と推測】 〽それあちら でもはやくと おつしやるぞなに をうろ〳〵して いるのだはやく しないかいま せいだして しよくにん しう【職人衆】のくい ものにして やりやれさ 女郎 〽アノいまあげへすよ じれつたいそんなに せかずとすこしまち なましいまにうちが きまるとゆつくりして あげへすからさはい おちようし【銚子】のおかわり これで三つめだよ じれつてへ せとり 〽いやもこんどのぢしんは たいへんだからおめへ たちはさぞこまるだ ろうのふしかしおれ たちもあのときには どうしようと おもつたが この あん ばい では すこ しは おち ついた ようだが しかし まだ〳〵 わからねへ 藝人 〽いやおまへさん がたはこのたい へんでもそう たいそうにを しよつてあるき なさつてもづん〳〵 うれるからあんしん だかわたしらなぞの みぶんではこれからは まことにこまりきります しかしもうそろ〳〵とほう〴〵【方方、あちこちの意】が おだやかになつてきたかららい はる【来春】はよなをしでござりましやう 人足 〽アヽうめへさけだしてこのおゝなまづの かばやきはまたかくべつにうめへわへこのあじ をしつてはこてへられねへしかしこんな ことはそうたび〳〵はねへとかしまのおやぶん いつたからいまのうちおもいれ【思いっきりの意】くつてやろう 【本文 中・下右から】 やねや 〽これはきみやう大あたり〳〵 このこと〳〵これにかぎります どれなれもはいつていつはい やらかそうこれをみては たまらなくなつてきた ゑし【絵師】 〽へヽヽヽありがとうござり ますなにぶんおねがい 申ますなんでも かくことがすく なくつては いけません 地主 〽ヘイ〳〵いま じきにやけます なんでもはやく【ヵ】こんな ことはやめてもらいたいまこと にしつけないからこしがいたく なつてきた 板元 〽どうだきさまたちも[ ] どのいつけんですこし[ ] かくこともあ□うこれ[ ] あまりながく つゞいてはあとが わりいからは やくよなを し 〳〵 くら持 〽ヘイおまへさんかね おあつらへができました いやもこんどのぢしん にはおゝきなめに あいましたはやく おあがりなさり まし しやかん【左官】 〽いやァこれは ありがてへ このこと〳〵 どれ はやく して やりてへ すぐには わりを たのみ【ヵ】 升 大工 〽ヲイ〳〵おねさん もうひとさら はやくやつてくんな このあじをしめ てはこたへられねへ そしさけもよ はやくしてくんな